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磯に香る君のそばに海神  作者: 悠鬼由宇
第2章
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第二楽章 Valkyrie Op.53


「ま、そんな訳で。しばらく厄介になります」


 信太は心なしか目の潤んだ表情で何度も何度も頷いた。



 悠人は彼に対し前々から聞きたかったことを尋ねてみる。


「それより信太さんは、防大出なんですって?」



 焔に照らされた信太の顔が苦笑しているのが見える。そう言えば京が聞いても話してくれないよ、と言っていた彼の自衛官時代の話が聞けるかもしれない、そう思うとコップを一気に煽ってしまう。


「見ての通り、今はこんな立派な家がたっちまったけどよ。俺が高校の頃は、京の家と大差ねえ程ショボい家だったんだ。親父は俺が産まれる前に死んで。家計も苦しくてな、とても大学行きてえなんて、言えなかった」


 悠人はワクワク感を胸に押し込み、言葉を出さず頷いた。


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