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磯に香る君のそばに海神  作者: 悠鬼由宇
第2章
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第二楽章 Valkyrie Op.43


 それをこの場で問う訳にはいかず、ただ呆然と立ち尽くしていると、


「ほれ。コイツを担いでもらおうか」


 見ると縄で縛られそれでいて担ぎやすそうな縛り方をされた猪が横たわっている。



 悠人はカクカク首を縦に振り、信太に手伝ってもらいながらそれを担ぐ。意外に重たい、いや相当重たい、ってか、メッチャ重たい!


「まあ三十キロくらいかな。若い雌だ。肉が柔らかくて甘いぞ。今夜は楽しみだな」


 ようやく信太が表情を崩しニヤリと笑う。同時に悠人の不安の心も解き放たれ、


「俺、猪鍋って初めてっす。猪の肉食うの、初めてっす」


「おおそうか。じゃあガッツリ食え。精がつくぞお。今夜はお前ら朝までコースか、畜生!」


 笑いながら信太が悠人の尻を軽く蹴飛ばす。



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