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磯に香る君のそばに海神  作者: 悠鬼由宇
第2章
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第二楽章 Valkyrie Op.42


 茂みに近づくと、大型犬程の猪が倒れている。


 その額に銃痕がくっきりと残され、猪はピクリとも動かない。


 悠人は言葉を失い、呆然と猪と信太を眺めている。


 あの距離からこの小さな生き物を一撃で仕留めた。



 信太に対して、恐怖よりも畏敬の念を感じ、


「凄い、流石です。自衛隊仕込みですね」


 信太は無表情で悠人を振り返り、


「コイツは撃ち返さないから。楽なもんさ」



 その言葉の裏に、悠人は恐怖を思える。



 この人は、撃ち返す相手を撃ったことがある? まさか、今の日本でそんなことが有り得る筈はない、これは何か言葉のあやなのだろう。いやそれでもこの人のこの眼力。普通の人のものとは明らかに違う。やはり過去に何か……



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