16話 動き出す時の歯車
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ここは...どこだ...
俺は..体が揺れている?それに...宙に浮いてる?
下は...火事?
何かが燃えてる?
建物?寺?
え?火事の周り?とり囲まれてる?
囲んでるのは...。武士?
なんなんだ?この光景は?
いったいどうなってるんだ?
チリリリーン
鈴の音?
チリリリリリリーン!
次の瞬間。俺は目を覚ます。夢か...
変な夢だった。
ビーーッ!ビーーッ!ビーーッ!ビーーッビーーッ!ビーーッビーーッ!
警報音
ドン!ドン! ドン!ドン! ドン!ドン!
物凄い警報音が間髪入れずおれの耳に入ってくる。
それと同時に扉を激しく叩く音と多数の駆ける足音が入り混じった音も響く
一真さん!一真さん!起きてください!一真さん!
声の主は優弥だ。
俺は頭がぼんやりしながらもベッドから飛び起き扉を開ける。
「どうした?!何があった?!」
目の間に慌てた様子の優弥が居て。その後ろには駆け出している生徒達が見える。
「どうしたって!?・・気づかなかったんですか?」
「す、すまん!」
「さっき大きな地震がありました!電源も全て落ちて。警報が鳴り、生徒全員に避難指示がありました!」
「わ、わかった!行こう!」
幸い、昨晩は着替える前に完全に寝落ちしてしまっていたので制服のままだった。俺はそのまま優弥と共に駆け出していく。こんなにぐっすりと寝てしまうなんて、昔はこんな事はほとんどなかったのに。
そう思いながら建物の外に出ると、教員たちが何か激しく口論をしている。
「そんなバカな!」
「事実です!」
「センサーがそう反応しています!」
「ドローンが到着しました!」
全員が食い入るようにタブレットを見る
「データではかなり高濃度の瘴気です!」
「ドローンの映像です!」
「なんてことだ...。地割れから瘴気がにじみ出ている...」
「これは、かなりまずいぞ...」
「こんな時に...。防御結界の展開!生徒達は地下シェルターへ!首相官邸と本部。各省庁。そして京に居る理事にも連絡!」
職員があちらこちらに駆け出していく。
これはかなり大変かもしれない。
優弥や他の生徒たちと共に、、訓練棟の地下にあるシェルターに小走りで向かう。
なかなかどうして、無駄口を叩く者もなく、みんなさすがと感じた。
シェルターの中に入ると各学年で塊になっていた。
「本部でも瘴気を検知していて、緊急待機中のAクラス1チームとBクラスが2チームが早急に向かうとのことです!」
「それは良かった。到着するまで約20分か、まずは一安心...ですか」
そこへ、他の職員が慌てて入ってくる
「大変です!!研究棟地下の外壁に亀裂が入っています!」
「なんだって!?どこのエリアだ!?」
「最深ブロックです...」
「ばっ...。バカなあそこの外壁は一番固いんだぞ」
「調査に向かった職員が、奥へ向かって横に亀裂が走っているのを確認しました」
「あ!あそこには休眠状態の神器が一振り保管してあるんだぞ!!」
「もし、その亀裂から瘴気が噴出してきたら...最悪だぞ」
「救援が到着するまで20分ほどか、間に合ってくれればよいが...」
これは大変な事になったな。と、言うか、そうゆう重要な案件は生徒の耳に届かないところで、話してほしいと思う。ま、学生とは言え当事者で関係者であることは間違いない事実だから仕方ないとは思うけど。皆、ひそひそ話をしながら戦々恐々としている。優弥もそれにもれず、頭を抱えてうずくまっている。そんな、世紀末を迎えるような顔で俺を見ないでほしい。
「先生!僕らはどうすればいいですか!?」
講師に詰め寄って質問している者も居て講師の周りは少々賑やかな事になっている。ほら言わんこっちゃない。
それに...。
この話を聞いても青い顔にならず、こっそりと動きだした女子が三人ほどが、このドタバタに紛れて居なくなった。
あれだ。『ここは私たちがなんとかしなくちゃ!』と、正義感全開でなんとかしようと動き出したんでは?しかし、あの先頭に居た女子は...たしか、数少ない前衛希望で、模擬戦の時三条に何度も何度も打倒されても、果敢に挑んで頑張っていた...。『柳生 彩華』...。だったかな。熱血女子かー。これは、もっとまずい、柳生彩華さんとその取巻きが危険な事になるかも。これは何とかしないと。俺は無い知恵を振り絞って、生徒に囲まれた中を搔い潜り講師までたどり着いた。
「先生!柳生彩華さんと数名の女子が研究棟に向かったのを見ました!」
よし!これで講師がなんとかしてくれるだろう。俺は役目を全うした。
「なんだって!?こんな時に!」
講師たちはかなりご立腹だが、ここは頑張ってもらうしかないな。
ゴゴゴゴゴゴーーー
が、その時。余震らしい揺れがみんなを襲う。なかなか大きく、ギシギシ、ガリガリと言う危険な音が悲鳴に交じり、あちこちから聞こえる。
講師と生徒は皆その場でうずくまり、揺れが収まるのを待つ。
揺れが収まると同時に、先ほどまで何とか冷静さを保っていた生徒も下級生の間でプチパニックを起こしかけて、講師はその対応で必死なっている。
あれ?これはあれか。さっきの俺の話完全に忘れてしまってるな。
・・・・・仕方ない、行くか。
俺は、側で頭を抱えていた優弥にトイレに行くと言って、この騒然としているシェルターからこっそり抜け出した。優弥も一緒についていくといって起き上がったけど、さすがにつれて行けないので置いてきた。
さて、研究棟はこっちかな。
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《 陸自東部方面隊・朝霞駐屯地 》
駐屯地から五機の大型輸送ヘリが出発した。三機はそれぞれ車両を吊り下げて学園に向かい。二機は高尾山へ向かう為に別れた。
駐屯地で常駐待機していたチームが、ヤタガラス本部から緊急クエストを受け、緊急出動してから約10分。各員は車両の中で状況報告を聞き、到着後即時対応することになる。先頭の車両の中にいる一人の男がインカムを抑えながら大きな声で話す。
「状況は今説明した通り、切迫していると思われる。学園到着後、陸自部隊は緊急本部の設置と学園からの避難経路の確保。ヤタガラス各Bクラスチームはそれぞれ学園内の安全確保と調査。我々Aチームは現場に急行して瘴気の元を絶つ。各自人命優先に。人命優先は自分達も含む!くれぐれも英雄的行動は慎むように。いいな!」
学園に到着すると、各ヘリは低空でホバリングすると、車両を切り離す。と同時に車両は各々の目的地に向かってもの凄い勢いで走り出し、ヘリが着陸すると自衛隊員が迅速な行動をする。
車両の一つは学園の建物へ、二つは学園の外へ、学園の外へ出た車両の一つは学園の周囲を回るために進み、もう一つは瘴気の噴出していると思われる方へと走り出す。この車両は特殊なSUVで瘴気濃度の高いエリアの深部へ侵入すことを想定した物で、浸食防止の外壁を何重にの施して、室内と外気は完全に遮断された、ヤタガラスAクラス以上が使用する対瘴気車両である。この部隊は全員が黒羽織を纏ったヤタガラスでも屈指のチームである。リーダーは『柳生 厳克』柳生一門、尾張柳生の次期当主。
「急いでくれ!まったく、よりによって。なんで学園なんだか、うちのやんちゃなバカ妹がやらかす前に事態収拾しないと、親父にも大目玉食らうってーの!」
彼の左手には神器が握られた。
・・・次回『柳生厳克』




