92話
「そうか。ルシファー…って魔王!?」
「ああ。ここは魔界だぞ?」
「ハハハ…冗談だろ?」
「マジだ。」
「……」
「帰るか?」
「いや、いい。」
青年は、一瞬驚いた顔をしたがすぐにもどった。青年は何もないところから、突然グランドピアノを出現させた。今度は魔王が驚いていた。が、そんなことはお構いなしに青年はピアノに向かう。
そっと、指を置いて演奏する音楽は…
「なぜ、お前が知っている…」
「ん?魔王が聞いていたからな。弾いてみた。それにしても、この力はすげーな…」
「お前…聞けるのか?」
「ああ。それと、その力もな。それにしてもこの音楽は少しバランスが悪いな…少し編曲しよう」
「ああ?何言ってんだ…っ!」
突然魔王の頭に流れていた音楽が、切り替わり青年の演奏するピアノにかわった。曲自体は同じことが分かるのだが、曲にあった不安を思わせるような低い音や、耳をふさぎたくなるような不快な高い音が変わり、静かで冷たくもあり、温かい音楽になった。すると、魔王の何かが消え何かが入ってきたような気がした。
「よし!これでよし!さてと…それじゃあ、俺の案を…って聞いてんのか?」
「ああ!すまない。それで、案はなんだ?」
「祭りをやろう。」
「祭り?」
「ああ。音楽祭だ!歌って踊れば、みんな仲良くなるさ!」
「まず、俺が居る時点でダメだと思うぞ?」
「いいや、俺に任せろ。魔王は広い会場と国民を集めてこい」
「は?」
「いいから!俺に任せろって!」




