82話
上のほうから声がする。澄んだ声だ…俺は声のほうを振り向く。本棚の上に天使がいた。
純白の肌に白の流し、背中には真っ白な翼が生えていた。胸は若干膨らんでいるので女か?
天使は笑顔で俺を見てくる。
「き、きみは?」
「私はアルバスさ。ふむ。君が私に会いたがっていたという少年か」
天使は、そっと本棚から飛び降りる。大きな翼をはためかせながら。
優雅できれいな動きだな。そっと、直地すると俺を調べるように笑顔で見てくる。
「俺は、ハジメだ…それで、聞きたいのは…」
「その前に。君は自己紹介してくれないのかい?」
「え?」
アルバスは俺のジャケットを笑顔で見つめる。すると、ジャケットがにょろにょろと動き始めた。急いでジャケットを脱ぐと一瞬で姿が変わり…
「影子!何してんだ!」
「ご、ごめんなさい!」
「ハジメといったね。彼女とは知り合いかい?」
「ええ。まあ、いろいろありまして…」
「そうか。君もゆっくりしていくといい…えーと…」
「影子っていいます!アルバス様!」
「そうか。ここじゃなんだから、ついてくるといい」
アルバスは翼を折り畳み、ゆっくりと進んでいく。俺達も後を追う。
「影子!どうしてきたんだ!」
「私も会いたかったのです…」
「まあ、来ちゃったんだし仕方ないけど…みんなには言うなよ?」
「はいっ!」
アルバスについていくと、開けた場所にでた。机と椅子があるだけの質素な場所だ。
「かけるといい。それで何が聞きたいのかな?」
「ありがとうございます。では…『神曲』と『悪魔』。そして、『ルシファー』のことです」
「ほほ。三つの単語が出るということは大体は知っているようだね。うん。よし、私の口から言うのは難だ。…これかな?」
アルバスが中指をくいっと曲げると本棚から一冊の本が飛んできた。本は机の上にそっと、落ちるとアルバスが俺に渡してくる。
「これを読むといい。『ルシフェルの手記』のコピーさ。」
「ルシフェルってだれですか?」
「元王国聖騎士団副団長 聖雷のルシフェル。今ではルシファーと呼ばれているよ。」




