79話
翌日、鏡世界の物をすべて孤児院に移した。鏡子が居ると一瞬で終わるな…
引っ越しも終わり、孤児院で子供たちと一緒に朝ごはんを食べる。アガレスがいないので、リカが全員分作ってくれた。朝食を食べ終わると、部屋に戻る。
しかし、どうやってゴッフレードに連絡するかだ…
そういえば今まですべて一方的だったな…そうだ。アルジーから伝えてもらえばいいんじゃないか?
そうだな!よし!
「みんな、少し出かけてくる。」
「ダメです!危険です!私が代わりに行ってきます。どちらへ?」
「それじゃあ、行ってくる!」
「「「いってらっしゃいー」」」
「待って!ハジメ様ーーーー!」
鏡子が止めてくるが、躱しつつ孤児院を出る。見事なフットワークだと、我ながら思う
孤児院からでると、風火二輪に魔力を流していく。魔力を込めると、軽く両足の輪を合わせ火をつける。
足元から噴き出る風を足場に空をかけていく。
確か、あの宿舎はこっちだったな…
あの時は馬車で移動だったので、少し外を見ていて道は覚えている。上から町全体を見下ろすと、少しおおきな体育館みたいな建物を発見した。たしか、あれが宿舎だ。
降りるように向かっていくと、空から人が落ちてくるのは少し恐怖だと思うので、人気のないとこを確認して降りる。
宿舎に入ると、多くの団員が模擬戦闘を行っていた。しばらく見ていると、奥から音楽が聞こえる。
どうやら、あいつらしっかりやってるようだ。音楽の聞こえる部屋に向かう。
ここは、かつてハジメが初めてここで演奏した場所だ。防音のためか厚い扉を押して中に入る。
「は、ハジメ!ハジメじゃないか!」
指揮台で、棒を振っていた男が俺を見るとすぐにかけてくる。アルジーだ。
「ああ。練習中だったか…突然すまんな」
「何を言ってんだ!それで、どうしたんだ??」
「お、忘れるところだった。少し頼みがあるんだが…」
「そうか。待っててくれ場所を移そう。…お前ら!一時間休憩だ!」
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場所を移し、今アルジーの部屋に来ている。宮廷楽隊の隊長の肩書もあるので、部屋があるそうだ。
ふかふかのソファーに腰を下ろす。
「それで、頼みってのは?」
「ああ。ゴッフレードに会いたいんだが…連絡が取れなくてな…」
「ゴッフレード公爵にか?連絡取れないって…」
「ん?どうした?」
「ゴッフレード公爵に会いたいなら、魔女を呼べばいいじゃないか」
「魔女?」
「アドルフィだよ。確か…これだこれ!」
アルジーは机から小さなオカリナを取り出すと、口を付け吹き始める。
すると、音と共鳴するように机や床が揺れ始める。
「お、おい!アルジー!どうなってるんだ?」
アルジーに聞こうとすると、突然突風が吹き窓ガラスを打ち付ける。窓ガラスには赤い布が付いている。
アルジーはそれをみると、窓を開け布を中に入れる。すると、持っていた布が急にふくらみ人の形になった。布を軽く引くと…アドルフィがパスタを食べたいた…
「よお!アドルフィ…すまん」
アドルフィも目を大きく開いてあたりを見渡す。どうやら状況がわかっていないようだ。
しばらくして、状況が理解できたのかナポリタンを飲み込むと、残っている皿ごと布の中に入れた。
「アルジー…それは緊急用って言ったじゃない…」
「す、すまん!ま、まちがえたんだ!」
必死に謝るアルジーに、プルプルと震えて起こるアドルフィ…え?俺空気!?
「ん!んー!!!」
のどを鳴らして気づいてもらうまで、20分の痴話げんかを聞いてしまった…てか、お二人さん幼馴染だったんですねー
「それで、ハジメ様。ご用件は?」
「ああ。アルバスに会いたいんだが、都合をつかせてくれないか?」
「わかりました。伝えましょう。おそらくですがいつでも大丈夫でしょう。あの引きニートは年中暇ですから」
「引きニート?」
「いえ。なんでもありません。了解しました。伝えておきます。それと、こちらを」
アドルフィはポケットから、黄色いオカリナを取り出した。
「このオカリナで、ドレミと吹くと私に連絡できます。連絡があった場合、私が自らハジメ様に会いに行きます。そして、ファソラシと吹くと今のように強制的に私を召喚します」
「わ、わかった…」
「では。失礼します。それと、アルジー。つぎ、まちがえたら殺しますよ」
「は、はい…すいません…」
そういうとアドルフィは布をアルジーから奪うと包まる。そしていつものように姿を消した。




