63話
最後が、適当になっちゃいまして....
今後、変えていきます....
ワシは今興奮している。
今までこのように、興奮を感じたことはなかった。今までの人生での音楽は、きれいに枠組みをされその通りに演奏を合わせているような音楽だった。決してそれが、嫌なわけでも嫌いなわけでもなかった。むしろ、大人数の演奏者が合わせる音楽は圧倒されるほどの迫力があった。
しかし、今聞いている音楽は全く違う音楽だった。自由なのだ。今までの音楽とは違う、心から楽しく演奏している。ピアノだけなのに、まるで生きてるように感じる。目の前には、本当に楽しそうにピアノを弾く少年がいる。
そして、楽しい音楽を伴奏として、センターに立った少女が歌い始める。緊張でつぶれるものも多いというのに、少女は恐れもせず歌い始める。声は震えることなく、真のある澄んだ声だ。
少女の声は、少年の伴奏と楽しそうに遊んでいるように思える。
「な、なんなのだ....この音楽は...」
「どうなさいました!国王様。すぐに、演奏をやめさせます!」
「止さぬか!すこし、驚いたのだ....」
やめろ。聞いていたいのだ。このような音楽は、初めてなのだ....
「ふふふ。何年ぶりかしら。あなたのその顔をみるのは」
隣の妻が、ワシの顔を見て笑う。ワシの顔は、そんなに変わっているのか?
「どんな、顔に見えるのじゃ?」
「まるで、初めておもちゃをみる少年のような表情ですよ」
なんて、抽象的な答えなのだ...だが、わかるかもしれん。
ふと、妻の表情をみる。
「べデリアこそ、少女のような表情ではないか」
「あら?ふふふ。お互い様ですね」
「そうじゃな。ははは」
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調子に乗って、三曲もやってしまった....
まあ、貴族達も満足そうなのでよかったよかった。今度こそ、曲も終わり袖に帰ってきた。
「楽しかったな!!リカ!」
「うん!貴族の方たちにも楽しんでもらえてよかった!」
「素晴らしい音楽でしたね。いやー、本当に素晴らしいです」
作られた表情ではなく、笑顔で俺達をほめてくるアドルフィ..きもっ!
「お、おお。戻っていいか?腹が減ってな....」
「私もおなか減っちゃった...」
「大丈夫ですよ。お疲れ様です。ごゆっくり」
どこから、出したかわからない真っ白なハンカチ軽く振りながら控室からでる俺たちを見送る。
控室の扉からでると、貴族にばれないようにすぐにバイキングに向かう。
「何食べるんだ?りか.....」
ふと、リカをみると皿の上に肉の山ができていた。
「そんなに食うのか?.....」
「う、うん....」
リカが恥ずかしそうに、皿を背中に隠すがもう遅い....まあいいか..
少し分けてもらって、子供たちにも食わせたいな....
「やあ。ハジメ!そして、リカ!最高だったよ」
「ゴッフレードか。なあ、この飯って後で分けてもらえるか?」
「ん?いいが....どうしてだ?」
「まあ、孤児院が.....」
そこから、ゴッフレードに孤児院の話と俺が神父をやっていることを説明した。
ゴッフレードは少し怒った表情になった。
「そうか。こちらでも、調査する。国王様にもお伝えする。もう少し、神父をしていてくれるか」
「ああ。それは、かまわないが....」
「飯はあとで、使用人にもっていかせよう」
「頼む。」
「では、楽しんでくれ。お!報酬は、孤児院にもっていくってことでいいか?」
「ああ、そうしてくれ。」
俺達とゴッフレードが話していると、後ろから声をかけられた。
「君!いや、ハジメ君といったか?」
「ええ...あなたは?」
「私は宮廷楽隊の体長をしているアルジー バッティシルだ。先ほどの君の音楽は素晴らしかった!我々の楽隊のメンバーにも聞かせてやりたい!」
「は、はあ....」
「そうだな!アルジー!ハジメ!ぜひ、聞かせてやってくれ!」
「俺が?...あー、すいません....少し、予定が....」
「いいじゃん!ハジメっち!あ、やります!」
「おお!そうか!君は...リカといったか!ぜひ頼む!」
大のおっさんが、俺に頭を下げてくる。うげ....これじゃ、断れないじゃん...
「わかりました.....」
「おお!ありがとう!では、追って連絡するということでいいかな?」
「あとは、ゴッフレードと話を進めてください」
俺と、アルジーさんと話をしていると、いつのまにか他の貴族が俺の周りに集まってきた。
「素晴らしいかった!ぜひ、私に使えないか?」
「何を言っている!!ワシに使えぬか?」
「私のところに来なさい。お金なら、安心していいのよ?」
何人もの貴族が俺を誘ってくるが、俺とリカはすべて断っていくが、おさまらない.....
一人が俺の腕を掴むと、もう片方を誰かにもたれ引っ張られる...
「痛い痛い!離せって!」
「ハジメっち!」
「君かわいいね。うちに来ないか?」
「いや、俺のところに!第二夫人に!」
俺を助けようとしたリカも、男の貴族たちに掴まれている。
おい!汚い手で触れるな!
「ああああああ!離れろ!!!!」
『神曲』を流そうと思ったが、その前に国王が席を立った。
「いい加減にしないか。」
そういうと、俺を囲んでいた貴族たちが静かになる。
「さあ、続きを。」
固まっていた司会が、再びマイクを握りしめ調子をとる。
「なあ、リカ....帰らないか?」
「そうだね....」
俺とリカは、そっと会場を抜けてアドルフィに連れてこられた部屋までくる。
「誰もいないな?」
「うん...そうだね?」
「よし!帰るぞ?」
「うん!」
鏡を取り出すと、鏡世界に帰った。




