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仮想世界で始まる二度目の人生  作者: 鬼灯
第三層
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10/14

天使

「それでそれでぇ?どこに行くんだいぃ?」


「えっと...エリアボスのところに!」


「エリアボスかぁ...頑張らないとねぇ」


そう、頑張らないとね。

ここは第三層。今まではモンスターが徐々に強くなっていってた。

だけど第三層でオープンワールドという舞台に変わったということは強さも大きく変わるかもしれないからね。


「第三層だし本当頑張らないとだよ!」


「......」


「ん?どうしたのカグラ」


「急にぃ...お腹がぁ...痛く...」


「行ってきなよ...」


「行ってきますぅ...」


何をやってるんだか...

まぁ突然の腹痛は普通にあるもんね。仕方ないか。

そういえばこのカグラという子。とてつもなくゆるゆるで可愛い。

女子が男子を可愛いと思うのは悪いことなのかと思ってしまった。

別に思っていいよね。




「いやぁ待たせてごめんね!」


「腹痛は治った?」


「完治だよ!」


「ならよかった」


「それじゃ行こうじゃないか!」


「そうだね、行こう!」


「それでぇ、エリアボスの場所ってぇ?」


エリアボスの...場所...?

あれ、そういえばエリアボスの場所ってどこだ...?


「えりあぼすのばしょ...?」


「えぇっ何もわからないのぉ?」


「なにもわかりません。」


「仕方ない...ちょっと確認してくるよぉ...一旦落ちるからねぇ」


「了解」


ごめんよ、カグラ。これは完全に私が調べてなかったせいだ。

これからはちゃんと事前に調べるようにしておくから許してくれ。





「えっとねぇ、ここから北にまっすぐでいいらしいよぉ。そしたら異界への扉があるとかなんとかって某ゲーム攻略サイトに書いてあったよぉ」


「なるほど!北ね!」


「それじゃあ行こ~!」


「いえ~い!!」


こうしてアリス、カグラは謎にハイテンションで向かったのだった。




「そういえばさぁ、君の名前ってなにぃ?」


「あれ、言ってなかったっけ」


「言ってないよぉ」


「そうだっけか...私の名前はアリスだよ!」


「アリスっていうのかぁ...なるほど...」


「そうそう、私も高校生だから大体同年代なんだよね」


「あれっ君同年代だったのぉ!?」


「うん、そうだよ」


「同年代だったのかぁ...てっきりもう少し歳離れてると思ってたよぉ」」


「あ待って、話してる間につ居たっぽいよ」


「あれぇ、いつの間にか着いてたんだねぇ」


私たちが話してる間に、エリアボス前の扉のところに着いた。

ここから異界へと行くのだ。

見た目はとても神秘的な見た目をしている。

敵は天使とかだったりするのかな。


「行く準備は出来てる?」


「もちろん!だよぉ」


「それじゃあ行きますか!」


扉を押した時、扉が大きな音を立てて開いた。

そして扉の奥に見えた景色は、雲の上だった。

天界である。

そしてそこのエリアボスは、アリスの予想通り天使であった。




「天使が相手かぁ...まず翼を貫けば機動性は落ちるからぁ...そっから...でも元の速度が...んと...」


「なんか考えてる...」


カグラが考えてる内に、天使が攻撃を始めた。

速度でいうとユウマと同等か、それ以上か。

そのレベルの速度でカグラへと迫っていった。


「っと危ない危ない...」


間一髪でカグラが回避した。


「考えてる暇はなさそうだねぇ...それじゃ最初から全力で行かせてもらうよぉ!」


カグラがそう言ったとき、カグラの後ろに6本の弓が召喚された。

そのうちの三本ずつが天使の片方の羽翼を狙っていた。


属性矢(エレメンタルアロー)...装填!」


「発射!」


そう叫ぶと、天使の両翼を貫き、空を飛べないようにした。

そして翼が使い物にならなくなったと同時に機動性も落ちている。


「アリス!今はとにかく攻撃して!」


「了解!【機械装甲】発動!」


アリスが叫んだ瞬間、先ほどと同じように左腕にガトリング、右腕にアサルトライフル、背中にミサイル発射装置が装着された。


「射出!」


そうして両腕から銃弾が乱射され、ミサイルが外周軌道を描いて相手にHITした。

天使は苦しむような声を上げた。


「よっし!効いてる効いてる!」


「そのまま攻撃を続けて!」


「応!」


そのままアリスは銃弾とミサイルによる攻撃を続けていった。

天使は翼がなくなったといえど元の機動力自体がそこそこある。更に武器を持っているためミサイルや銃弾の一部の攻撃は捌いているのだ。だが結局は一部。当然天使にダメージは入っている。

そしてカグラの狙いは別にあった。アリスが攻撃を続けるということは当然天使はそっち側の攻撃を避けたり捌いたりすることに精一杯だ。翼があればもう少し簡単にできただろうが今は翼がない。

そのため今カグラの弓で全力の一撃を放つことにより天使を9割9分討伐することができるのだ。

実はカグラのIQはかなり高いほうなのだ。


「全力で...矢を放つ...!」


その時、カグラの後ろにあった6本の弓は消滅し、横向きの巨大な弓が一つ出てきた。


「全属性...一極集中...」


そしてその弓に装填した矢は虹色に輝いている。

全ての属性を兼ね備えた矢である。


「発射!!」


カグラが叫んだと同時に天使に向かって一直線の虹色の光が通った。

そしてその虹色の光は天使の中心部分を確実に貫いたのだ。

そう、確実に貫いたのだ。

しかし天使が討伐判定にはなってなかった。


「カグラ!やったね!」


「う~ん...おかしい...討伐判定になるはず...バグかなぁ...?」


その時、カグラの頭に一つの仮説が浮かんだ。

カグラがRPGゲームで一番嫌いなこと。それが、連戦だ。回復する隙がないからだ。

即ち、カグラの頭に浮かんだ仮説とは、第二形態のことだ。

そして、その仮説はすぐに現実となる。


「アリス!気を付けて!」


「えっ?」


アリスが反応する間もなく、天使は第二形態の堕天使となり両翼が復活していた。

更にその一瞬でアリスへと間合いを詰めていた。

アリスが気付いたときにはすでに、堕天使が目の前で攻撃モーションに入っていた。


「あっ...」


堕天使が攻撃をしたとき、大きな音を立ててアリスは吹っ飛んだ。

アリスのHPはプリムローザアーマー込みでさえ、残り2割以下になっていた。

そしてアリスは動けなくなっていた。VR体の身体が破損していた。

少し回復すればまた動けるのだが、今すぐには難しい。


「アリスが動けなくなってる...しばらく僕のワンオペなのか...」


「ごめん...カグラ...」


「いや、平気だよ。これは僕のミスだ。気付くのが遅かった。第二形態があることを知っていれば...」


『話している暇があるのか?』


突然、カグラに語り掛けてくる者がいた。

堕天使だった。そしてその堕天使はカグラの目の前にいた。


「マズいッ!」


間一髪でカグラは堕天使の攻撃を避けた。


『避けるか...なら、これはどうかな』


そういうと堕天使の周りに魔法陣が出てきて、大量の槍が召喚された。


『征け!ランス・フォールド!』


そう叫ぶとカグラ向かって大量の槍が飛んで行った。


(どうやって捌くべきだ?この大量の槍を弓で捌くのは無理がありすぎる。アリスなら銃弾やミサイルで迎撃できただろうが僕は大量の弓を召喚してから発射するまでに攻撃を食らってしまう。なら一体どうしたらいいんだ...?)


そう考えてるうちに、目の前に無数の槍が迫ってきていた。


(はぁ...ここでゲームオーバーかぁ...ごめんねぇアリス...)


そう思い、カグラは目を瞑った。


その瞬間、爆発音が聞こえた。


目を開けた時、槍が全て落ちていた。


(どういうことだ...?)


「カグラ...私は動けなくともミサイルで援護はできるよ...!」


そう、アリスがミサイル発射装置を発動させて槍を迎撃していたのだ。


『...これだから小娘を先に始末しようとしたというのに...まだ動くか...』


「それなら、トドメはちゃんと刺さなきゃいけないんじゃないの?」


『...黙r』


「話している暇があるのかぁ?堕天使さん!」


言葉を遮ったのは堕天使の後ろに回り込んでいたカグラだった。

カグラはアリスが気を引いているうちに弓を召喚して発射準備まで済ませていたのだ。


『しまっっ』


「【エレメンタル・オーバーアロー】!!!」


カグラがそう叫んだ瞬間に、周囲は虹色の光に包まれた。

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