オープンワールドと弓使い
「よっし!第三層到達!」
「第三層ともなると今までみたいにサクッとはいけないだろうなぁ...」
「そうだね」
「ということで!鍛冶屋に凸って装備を強化、製造したいと思います!」
「よし行こう!」
「失礼しますっ」
「あら?新しい人かしら?」
「ついさっき第三層に到達したばかりなので...」
「あっそうなの...!?それじゃあちょっといろいろ知らないだろうから手伝いましょうか...?」
「お願いします(´・ω・`)」
「その顔は何...アリス...」
「とりあえず、欲しい物とかあるかしら?」
「私は装備が欲しいです!」
「私もそこの茶髪と同じです!」
「僕は武器の強化がしたいかな...」
「なるほどね!任せて頂戴!装備に関してはどんなのがいいかしら?」
「私はピンクと白を基調とした装備が欲しいです!形状は大体なんでもいいです!」
「私は白と黒を基調としたスタイリッシュな装備が欲しいです!できればジャンプ力とかが上がるアイテムも欲しいです!」
「なるほどね、まずは茶髪の子のアーマー、ちょっと色変えてくるから待ってて頂戴!」
「はい...!」
「はい、これ。名前はプリムローザアーマーっていうのよ。防御性能も高いから安心して!」
アリスに手渡されたのはプリムローザアーマーと言う装備だった。
ピンク色の装備に白の線が所々に入っている。
そこそこゴツい。だが機械装甲があるので結局はゴツくなるから問題はない模様。
「す...凄い...」
「それじゃ、次に黒髪の子のアーマーね。スタイリッシュなのがいいらしいからちょっとだけ時間かかっちゃうかもだけどいい?」
「はい!」
「よしっできたよ!ご希望はこんな感じでいいかな!」
鍛冶屋さんが持ってきたのは黒が基調として白の線が入っている近未来感のある装備だった。
そしてもう一つ、飛翔力増強靴というものがあった。
それは紗良の希望通り、装備はスタイリッシュで、更にジャンプ力が上がるアイテムもあった。
名前を、クロノギアアーマーというらしい。
「完璧です!ありがとうございます!」
「そしたらあとは君の刀だね。強化してみたけどこんな感じでいい?」
そうしてユウマに手渡されたのは黒く光り輝く刀。
名前を冥滅ノ黒剣というらしい。
「いやぁ、私中二病だから名前こんなんになっちゃった!ごめんね!」
「いや、これで平気ですよ。かなりカッコいい見た目なので」
この鍛冶屋さん、ゲーム内でセナという名前なのだが実は第三層に見合わないヤバいレベルの実力を持った鍛冶屋さんである。
このセナが作ったプリムローザアーマー、クロノギアアーマー、冥滅ノ黒剣は全て第10層以上のレベルの武具である。
つまり運営側にとっては攻略速度が上がってしまうため少し面倒な人材なのだ。
だがセナはそんなことは何も知らない。自覚がないのだ。
「にしてもこれら、かなり高い性能ですね...本来ならもっと上の層にいるべきじゃないですか?」
「いやぁ...上の層はねぇ...ちょっと...」
「上の層ってなんかあるんですか?」
「いや、そこまで行くのが面倒だから。」
「面倒って...まぁ、平気ですよね。多分。」
「うん。平気だよ。多分。」
「それじゃ、ありがとうございました!」
「はぁい!また来てね~!」
そうして私たちは鍛冶屋を後にした。
「とりあえず、主戦場に行きますか!」
「それがいいね。」
「あ、残念なことに主戦場はないらしいよ。」
「えどういうこと?」
「第三層からはオープンワールドになるらしい。あとエリアボスが三体いるらしい。」
「???」
「そのままの意味だよ。某ゲームサイトに載ってた。」
「そしたら、単独行動で探すのがいいと思う。エリアボスを各自で倒せばいいからね。」
「ただ、そうすると私たちはシステム上仲間じゃないから討伐判定にならないんだよね。パーティとか組めるわけじゃないし...」
実はエリアボスを各自で倒してしまうと討伐判定にはならない。
このゲームのシステム上では、エリアボスを共闘で倒せばチームでなくとも次の層へ行くことが可能である。しかし各自で倒すとチームでもないので、一人一人が全エリアボスを討伐しなければならない。ここが知らないと面倒になるところだ。
「そこで!ギルドの出番です!」
「ギルド?」
「ギルドを作って、そこに入ることにより一人一体のエリアボスを倒すだけで次の層へと進めます!」
「それは最高の機能だね」
「ならなら、早く作って!」
「と言われると思ってたので、事前に作っておいたのがこちらです。」
シオンとユウマの目の前に表示されたウィンドウには、アリスからギルドへの招待が来ている。
ギルドの名前は”蒼鷲”と書いてある。
「蒼鷲...?どういう意味...?」
「意味はないよ、AIに候補出してもらっただけだよ。」
「えぇ...」
とりあえず、シオンとユウマは蒼鷲に入った。
「よし、これで平気だね!」
「それじゃ、こっから別行動でいいかな?」
「応。」
「そうだね!」
「それじゃあみんな、またあとで!」
「またあとで!」
「それでは行かせてもらおう。」
そういってユウマは目の前から瞬時に消えた。
「はっや...」
「まぁ...そういうもんだよ」
「それじゃ私も行くね!」
「うん、またあとでね」
「またあとで!」
そういってシオンも別の方向へと進んだ。
「さってと、私は二人が言っていない方向に行くべきかな」
「となると北の方向か...」
「それじゃ出発!!」
「よし、草原エリアに来たぞっ!」
《敵が出現しました》
「あら、急に敵がきたn」
アリスの目の前に現れたのはエリアボスではない中ボス的な立ち位置のデッカイモンスターだった。
「!?!?!?!?!?」
「これ...」
「実力を試すのによさそうだな...」
アリスは逃げなかった。寧ろ練習相手にしようとしていた。
プリムローザアーマーがあるため防御力の心配はいらない。
そして誰にも見せずに作っていたミサイル発射装置があった。
勝つ自信しかなかったのだ。
「さぁ、行くよ!【機械装甲】!」
アリスが叫んだ瞬間、左腕にガトリング、右腕にアサルトライフル、背中にミサイル発射装置が装着された。
「ミサイル発射!」
その時、無数のミサイルが発射された。
そしてそのミサイルは外周軌道に沿ってすべてのミサイルが敵にHITした。
「よっし!完璧だ!」
「こっからはガトリングも使っていくよ!」
「ガトリング、射出!」
合図を出し、左腕からガトリングの弾が大量に発射された。
更にミサイルもプラスされたため大ダメージを与えた。
「よし!」
と、アリスが油断したとき敵の攻撃を食らってしまった。
「う”っ...」
吹っ飛ばされたアリスは、体勢を崩したがガトリングを地面に突き刺してノックバックを抑えた。
そして体勢を崩したアリスの後ろから別のボス級の敵が来ていた。
《敵が出現しました》
「えっ今!?二体目!?」
アリスが後ろを向いたとき、敵が攻撃モーションに入っていて、アリスがダメージを食らう直前。
赤と青の光がアリスの頭上を掠め、敵に当たり攻撃を中断させた。
「大丈夫?そこの君。」
そこに現れたのは白っぽい金髪の小柄な人。アリサやシオンよりも小さい。
「あっ、大丈夫です!ありがとうございます!」
「大丈夫ならよかったよ。僕はカグラ。よろしくねぇ~」
「えっと...今自己紹介してる場合じゃ...」
カグラが自己紹介している間に、二体の敵は攻撃モーションに入っていた。
「大丈夫だよ。」
そういうと、カグラの後ろから2本の弓が出てきて、炎と雷の属性の矢を装填し放った。
そして二本の矢は二体の敵を貫通して討伐した。
「...凄い...」
「いやいや、そんなことないよお」
「そんなことあるって!カグラさん!」
「あ、僕のことはカグラって呼んでもらって構わないからね~」
「えっと、じゃあカグラちゃん...か」
「う~ん...僕一応男子でかつ高校生なんだよね...」
「えっ!?ごっごめんなさい!!」
「いや、いつものことだし平気なんだけどねえ」
「いやもう本当にごめんなさい!!!」
「いや、だからいいんだって...」
「とりあえず、本当にありがとうございました!」
「平気だよぉ。」
「何かお礼を...」
「いや、お礼なんていらないさぁ。まぁでも、よければ君に同行したいかなぁ~...」
「それならもう喜んで!カグラさんみたいに強い人がいて私としても安心ですよ!」
「そう言ってもらえるとありがたいねぇ~。あ、そうだ。君のギルドに入れてもらえない?」
「いいですよ!!」
そうして弓使いのカグラもギルドに加入したのだった。
しかしシオン、ユウマはカグラのことを一切知らないので、戻ったら問い詰めることにした。




