表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
40/47

#39 一番心強い存在

シキ「…それ、一歩間違えたらトラウマもんじゃないかな…。」

ロイド「流石にアイツの隠しているものを勝手に見たことに関しては喧嘩覚悟だったよ!」

シキ「そこだけじゃないと思うけど…」

ロイドくんは少し(?)鈍感なところがあるのかもしれない。

ロイド「そうなのか?それでも、結果としては喜んでもらえたから何よりだ。」

ラルドくんは棘があって、ロイドくんは少し抜けている。けれど、その噛み合い方は妙に心地よく、見ていて微笑ましかった。

シキ「…きっとロイドくんの想いがラルドくんにも伝わったんだろうね。」

ラルド「なに微笑ましい話で終わろうとしてんだよ。それじゃ俺が独裁的にロイドをふりまわしてるみてぇじゃねぇか。」

シキ「あ、おかえり。」

シェイラ《疲れた〜卍。自分よりガキな奴がいると大人になれるってことを今回で学んだよ〜…。》

ラルドくんがイタズラっぽく強めにロイドくんに肩を回した。

ロイド「もちろん僕も今は一緒に楽しんで携わっているよ。」

ラルド「そうかよ…。」

ロイドくんの真っ直ぐな言葉に照れたのか居心地が悪そうにラルドくんはロイドくんから離れた。

ラルド「それで?いい大人が仕事サボって呑気に雑談こいてていいんスカ?」

リアム「あ〜!忘れてた。」

ラルドくんは相変わらず手厳しいけど、リアムさんもリアムさんで本気で忘れててそうで怖いな。

シキ「えっと…。二人にはマイディアルのこと、IDollのこと、それから今回出演するイベントと自分たちの音楽に対する意気込みなんかを聞けたらなって思っているよ。」

ロイド「僕たちのマイディアル、IDoll、音楽それらはすべて一貫して答えられるな。」

ラルド「あぁ、俺たちは俺たちの『かっこいいや楽しい』を表現しているんだ。」

ロイド「だからマイディアルは昔僕たちが冒険したような現実に近いファンタジー世界になっているよ。」

ラルド「俺たちは“今”を大事にしている。今の俺たちだからこそ表現できるものがある、あんたらオッサンたちじゃできないような、な。」

リアム「おっさ…!?オニーサンだろ!!?…いや、そういう青臭さくて向こう見ずなバカが好きで好んで聞いてるのは認めるんだけどよぉ…ぐぬぬ…。」

シキ「えっと…一つ質問いいかな?」

双子がきょとんとした顔でこちらを見つめる。こうしてみると二人はやっぱりそっくりな双子だ。

シキ「だとしても、クラウンくんは女装する必要なかったんじゃ…。」

クラウン・ロイド《ですよねー!?ほらみろやっぱり!!なら、最初からクレアにしとけば良かったんだ!!》

シエル・ロイド《どうせ、生き別れた双生児。差異はないだろ。》

クラウン・ロイド《あーそれ禁句!!禁句ですぅ!俺の逆鱗に触れましたぁー!プッツンですぅ!!》

ロイド「まぁ、まぁ…。元々僕が最初にクラウンを選んだところから始まったからな。」

シェイラ《ちなみにロイドシリーズは厨二系の楽曲の他に、ネタに振り切ったバカ丸出しのザ・男子高校生な曲もあげてて、そっちの系統だとクラウン・ロイドは別に女装してないから、必須ではない的な…?》

シキ「でもなんでゴスロリ…?」

ロイド「それは…。」

ラルド「あー!あー!ロイドテメェそれ以上絶対に言うんじゃねぇぞ!!」

ロイド「わ、わかった。…まぁ、簡単に言うとラルドが好きなマスターの影響を受けてこうなったんだ。」

ラルドくんが不服そうにロイドくんを睨みつける。こちらもそれ以上踏み込めばどうなるかわかったものではないのでそれ以上はつっこむのをやめた。

シキ「え、えっとそれじゃあ二人はどうやって曲を書いてるのかな?」

ラルド「…別に特別なことはなにもねぇと思うけど、俺が授業中とかに適当にいいなと思った原案を作って、それをコイツらと一緒にあーだこーだ言いながら本格的な形に仕上げていくんだ。」

クラウン・ロイド《俺たちIDollがアルゴリズムからの分析を元に修正して、マスターが客観的に脚色しすぎないようにストップをかけている感じだな。シエルと主だけだと行くところまで暴走するから…。それからマスターが基本的に表向きに必要なことはやっているよ。作品のアップやイストとのやりとりだのなんだのってな。》

ロイド「僕ができることはそのくらいだしな。一応“ロイドシリーズ”なんだし…。なんと言ってもラルドには楽しんで作品を手がけることに集中してほしいしな!」

ラルド「そうかよ…そりゃドーモ。」

ロイド「というか、今聞いて驚いたんだが、授業中に考えていたのか!?それでどうして僕より成績がいいんだ!?」

ラルド「…はぁ。それは俺がお前より頭の出来がいいからだ。イインチョーさん。」

ロイド「うぅ、理不尽だな…。」

リアム「…あ。そしたら、今回もロイドシリーズについてはラルドのことは伏せるか?シリーズがそういう方針ならこっちが無闇に破ったりはしないぜ。俺たちは真相を暴き世に知らしめる探偵じゃないからな。」

ラルドくんはしばらく考え込んだ。それから「いや、いい。」と一言放った。

シキ「いいの?」

ラルド「あぁ。グランドマスターにまでなったんだ。それほど俺たちの『かっこいいや楽しい』は人に認められた。もう、否定されることは怖くない。…それに一番心強い存在に認められてたって気づいたからな…。いつまでも人の威に隠れてたらダセェだろ?そ・れ・にこれが本命だが、手柄が全部ロイドのものになっているのがなんかずっと癪だったしな!!」

ロイド「そ、そうだったのか…!?」

本命だなんだ言っているけど、彼なりの照れ隠しなのだろう。もしかしたら、ラルドくんにはロイドくんと二人で話していたことが聞こえていたのかもしれない。

それにしても、『否定されることが怖い』ものなのか。表現することそのものが素晴らしいのだから、やりもしない人の声なんて気にしなければいい。今まではそう思っていた。しかし、“好き”を表現するということはその人そのものを表現することに等しいのかもしれない。そうなると、その否定は表現者本人を刺す鋭い刃物になりうるのかも。ただ、相手も相手の好きを表現しただけなのにそれは時として刃物となって、表現者に消えない傷や恐怖を植え付ける、なんてこともありうるのかな。

シキ「それじゃあ、今回のイベントが双子マスターにとっての初ステージになるね。それにあたって意気込みなんかを教えてくれたら嬉しいな。」

ラルド「せっかくここまで来たんだ。上位グランドマスターもアーサーシリーズも追い越して俺たちが1番最高だって証明してやる!」

リアム「く〜〜!!いいなぁ!!燃えてきたぁ!!!」

シキ「リアムさんは別に参加するわけじゃないでしょう。」

リアム「そうだけどよぅ!触発されちまったっつーか、…っっ!楽しくなってきたなぁ!」

ロイド「こうして楽しみにしてくれているイストがいるのだから、その期待に応える成果を見せたいな。」

ラルド「…俺たちの話はこんなところだが…。」

シキ「あ!待って、もう一つ。…その、知り合いのグランドマスターとかいないかな?どうしたら会えるとか…。」

ロイド&ラルド「「…。」」

ラルド「アンタらそうやって無計画に渡り歩いてんのか?」

シキ「あはは…。」

リアム「行き当たりばったりは俺らの十八番だもんな!いっつも無理難題押し付けられっし!」

ラルド「…呆れる…。」

返す言葉もない。今まであまり深く考えないようにしていたが、なにも手掛かりがないところから始めたにしては、ここまで来れたのが奇跡の連続のようなものだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ