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暑苦しい層

少々グロテスクな描写がございます。

ご注意ください。

31階層はジャングルのようだった。

俺たちは

ベリーさんを先頭に進む。

視界が悪く、ありとあらゆる角度から様々な敵が襲ってくる危険性がある…

俺は警戒を強め 無意識のうちに防護を掛けていた

失うことを恐れて…


ジャングルの中は蒸し暑く薄着のヴィッターさんに比べて、ベリーさんは息苦しそうに歩く

ウィル「良ければ手を貸しましょうか?」ベリーさんを背負うくらいなら動きに支障はない。

ベリー「要らない。慣れてるわ」背中で答えられる

懐中時計が光る

どこからだっ?

ウキッウキッっと声が響く

メービー「みんな背中を合わせて」

俺はメービーさんの指示に従う。

上か?いや下?正面か?

メービーさんが呪文を唱え始める

ヴィターさんの両手は淡い光を放っている

俺も拳を構える。沢山の植物が生い茂る中俺の剣は不向きだから。拳で戦う他ない

ウキッウキッ

バカにするように

猿は俺の頭の上に乗って俺のアホ毛をちょんちょんと触り

俺は捕まえるが、するりと手から抜けられてしまう。

俺が捕まえられない事が分かると

ニヤニヤと猿は笑い目の前から消える。

次の瞬間

猿は手に懐中時計を持って現れた。

あれは…俺の?

カッと頭に血が上るのがよく分かった

「…解除」

俺が師匠からの頂き物に傷がつくことを許すと思ったのか?

懐中時計は光を放ち

持っていた猿だった汚物は

はぐちゃぐちゃに辺りに飛び散る

俺は血の海の中から懐中時計を拾い上げる。

よかった…

俺は血を払い

そっと手で包み込み傷が無いかを確認してから

革ベルトに付ける。

ウィル「他にも猿はいるんですか?」

ヴィッター「居るはずよ…ただこの階層の猿はもうこないと思うわ。」

ベリー「次の階層はまた来るわよ」

それは良かった…次からは俺をからかう事が無くなるという事だから。


32階層

ヴィッター「その懐中時計は何か思い入れがあるの?」歩きながら顔だけをこちらに向ける。

ウィル「ええ、まあ。俺が冒険者になって、初めての誕生日に頂いたんです」

ヴイッターさんは再び前を向き

「センスの良い贈り物ね。ずっと使えますわね」

話を聞いていたベリーさん

「そのピアスも?」

ヴィッターさんはベリーさんを軽く叩くそして小声で

「違うかもしれないじゃない!ベリー…ウィルさんを大切にしていますと言う意味が…そういう意味だとは限らないでしょ!」

と言っている。丸聞こえだ

なるほど。そういう意味があったのか。

俺はペンダントを見てから

「もし、もし仮に…そうだったとして…俺は釣り合うのでしょうか?」

意図せず口走ったその言葉は

ベリーさんは聞くなり顔を手で覆い

ヴィッターさんはによによしている。

何かやらかしただろうかと思いメービーさんを見るが

メービーさんは目すら合わせてくれない。

ヴィッター「贈り主は女性なのですか?であるならば、それは間違いなくその方のお眼鏡に叶っていると言うことですのよ。」

師匠が…!?まさかそんなわけ…ただ、弟子として大切にしていると言う意味かもしれない…

世間体では男になっているし…そちらの可能性も捨てがたい…グルグルと回る俺の思考…

今まで師匠をそういう目で見たことがなく、ただ大切な敬うべき存在として…

やはり弟子として大切にしているということなのだろう。

ウィル「俺はそれを聞く資格があるのでしょうか」

ベリーさんは「え!?」と声を上げる。

俺は更になにかまずいことを言ったのだろうか?

3人は静かになる。

静かなまま

あっという間に33階層へ進む


神妙な声音でベリーさんは言う

ベリー「声は聞こえるのに変」

ヴィッター「ええ、変ね。さっきから何も奪われてないし、何も来ないわ…」

それはそうだ。俺が階層に入り

即座に猿を見つけ防護の箱に閉じ込め、他の猿が居る前で圧縮する。

それをしているからだろう。


34階層

ベリー「ウィル?あんた何かしてるでしょう?」

ベリーさんは俺にじりじりと詰め寄る

特段隠すものでもない。

「じ、実は…」

俺は先程から階層に入る度に猿を1匹殺していた事を白状する。

ヴィッター「あらまぁ〜!凄いわね」

メービー「本当に凄いです…ウィル様に教えを乞いたいものです。」

なんだかこそばゆい…

ウィル「いえ、まだまだですよ」

実際の所師匠であれば、この森の猿を全滅させることは指先ひとつで済むのだろう。


35階層

ベリーさんは階層に踏み込んだ瞬間

ベリー「ヴィッター!真紅が居る!」

入るなり盾を構えた。

そしてヴィッターさんは祈り始める。

真紅?

俺の視線の先からズシンと大きな音とともに

木々が倒れ姿が露になる

真紅の色をした大きな猿だ。口は黒いマスクのようなもので拘束されていて、目は4つあるのだが全て閉じている。そしてなんと言っても特徴的な長い耳を、2つの手で覆っている。

ベリー「メービー!狙いはあんたよ!ウィルの後ろに」珍しく慌てた様子のベリーは声を荒らげ

ヴィッターの前に立つ

メービーさんは分かってるように俺の後ろへ隠れる。

何かに吸い込まれるように真っ直ぐ俺たちの方へと向かってくる。

「メービーさん!ごめん!」俺はメービーさんをお姫様抱っここし、片手で剣を持ち

真紅の猿と反対方向に逃げる

やつが歩く度に木々は煙を上げ溶けている

あれは酸だろうか?…ちょうどいい

メービー「ウィルさん!?剣が溶けてしまいます!」

「この程度で俺の防護が負けるなら、それまでだから問題ないですよ。」

俺は高く飛び上がり真上から猿を叩き切る

「グアアア」と声を上げる真紅の猿は

2対に分裂した。

耳を塞いで、目を閉じている猿と

口をマスクのような物で覆われている猿だ。

目と耳の自由が効かない猿がこちらへ突進してくる

俺は正面からその猿を切る


口が覆われている猿はベリーさんたちの方へ向かって行く。

急ぎ向かおうとするが

「ウィルさん!後ろ!」

2対に分裂している。

目を塞いだ猿と耳を塞いだ猿に…

ならば

あちらに向かったのは…1体と数えていいのだろうか?

ヴィッターさん達が危ないっ!

目を塞いだ猿を切り、耳を塞いだ猿を防護で包みその場に固定する。

目を塞いでいた猿は増えなかった…

そして中で耳を塞いだ猿が暴れている

ただただ、増える条件が分からず不気味だ。

片方を殺さなければ増えないのだろうと思い、1匹確保する事にした。

そして急ぎベリーさんの所へ向かう。

彼女達の実力を見誤っていた。

2体の死体がベリーさん達の足元へ転がっている。

ベリー「ウィル!」

ヴィッター「メービーさん!」

2人は駆け寄ってくる

ウィル「無事で何よりだ、俺はあと1匹残している。屠って構わないだろうか?」

ヴィッター「ええ、早急にお願いします」

ベリー「耳塞いでる方じゃないでしょうね?あれ煩いのよ。」

2人を連れ先程の場所へ

猿は中で暴れている。俺は防壁ごと叩ききった

ぐしゃりと潰れる猿

ヴィッター「そちらの相手にした真紅の猿は、とても耳がいいものと目がいい物で別れます。普通であればまず勝てません。が、ウィルさんの素早さには追いつけ無かったようですね。」

なるほど。。?

ウィル「では、ヴィッターさんの方に行った猿は?口のきけない猿と…」

ベリー「死なない猿よ」

ヴィッター「だけれども、神聖魔法を使うと一瞬で倒せるの」

ウィル「なるほど。では今回、偶然対処しやすく別れた訳ですか?」

ヴィッター「いえ、そういう訳では無いのよ」

ヴィッターさんはちらりとメービーさんを見てから

俺に小声で

「メービーさん美しいでしょう?。猿たちは魔力の高い女性を狙うのよ。」

なるほど。と思った。

ベリー「あんたたち何話してんの?」

ベリーさんが俺の頭上から声を掛ける。

ヴィッター「ベリーちゃん、大人の話しよ♡」

ベリーは顔を真っ赤にする

そして俺に指を指し

「こいつ16歳じゃない!私よりガキンチョよ!」

ヴィッターさんはベリーさんの頬を両手で挟み

「冗談よ〜」ふふっと可憐に笑うのだった

メービー「あの…そういえばボスも真紅の猿でしたよね?」

そうだったのか。

ヴィッター「ウィルさんが足が早いようですし苦戦はしないと思いますが…」

ベリー「4対同時撃破よね…」

メービー「はい。私は詠唱に時間がかかりますし、ベリーさんやヴィッターさんは単騎戦に向きません…」

なるほど。彼女達が39階層で足踏みしていたのはボスの特性上なのか。

特に問題がないように聞こえる

ウィル「最初から俺が箱に詰めてしまえば問題ないと思いますが。どうですか?」

3人はぽんと手を叩き

メービー「では僕が囮になります」

ベリー「一応メービーの援護に着くわ」

ヴィッター「私は入り次第神聖魔法の準備を致します」

ウィル「じゃあ俺にメービーさんの命が掛かってるってことですか!?」

メービー「そうなりますね。猿が箱に入る寸前に私を助け出すことになります。」

俺の手は静かに震える。悟られないように背中に隠し、

ウィル「防護魔法をメービーさんに沢山かけてもいいですか?」

メービー「構いませんよ。私はウィルさんが真紅の猿に劣るとは思っていませんから。」

少し震える手が楽になったような気がした。

メービーさんがパンと手を叩くき、

「では、残り4層頑張りましょう!」


俺たちは足を踏み出す

ご覧いただきありがとうございました

次回もお楽しみに!

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