パーティの力で目指せ40層を!
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翌朝俺は目を覚ますと
隣の部屋のメービーさんの様子を見に
部屋をノックした。
メービーさんが扉を開ける。
一晩中行われていたであろう独り善がりは
メービーさんをゲッソリと細らせていた。
ウィル「おはようございます」
メービー「おはようございますッ…昨日は大変なご迷惑をおかけしましたっ!!」彼は頬を赤らめ深々と頭を下げる
ウィル「構いませんよ、さあ朝ごはんを食べましょう?」誰にだってある事だと思う。
俺はギルドへ向かう。メービーさんも後を付いて着てくれた。
ギルドでの朝ごはんをメービーさんと共に食べる
俺はメニューの一番上を頼んだ
メービーさんは不気味なラインナッツプに困っているようで、俺と同じ物を頼もうとする
ウィル「おすすめしませんよ…鹿肉のソテーなんかがいいと思います。」
メービー「じゃあ、それでお願いします…」
料理が届く
ウィル「いただきます」
メービーも続く「いただきます」
馬肉に半熟目玉焼き…誰がこんな組み合わせを考えたのだろう。別々に食べれば美味しいのだが。
朝食を食べ終えた頃
2人が入ってくる
ベリーとヴィッターは同じテーブルに着くと
ヴィッター「おはようございます」
ウィル「おはようございます」
メービーさんは視線すら合わせないように
床を凝視している。
ウィル「さて、皆さん用意は良いですか?」
ヴィッター「食品や魔力回復系アイテムはバッチリだわ」
ベリー「盾のメンテナンス、完璧よ」
メービー「問題ありません」
ウィル「じゃあ行こうか!」
受付嬢に伝えダンジョンへ向かう
1階層
ウィル「みなさん、走り抜けますか?」
俺の質問にベリーは鳩が豆鉄砲を食らったような顔をし、ヴィッターは「まあ!」と口を塞ぎ
メービーさんは平然としている。
ベリー「あんた、私の装備でできると思ってるワケ?」
ヴィッター「私も、そんなに足が早い訳では…」
俺は手袋を外し、
「メービーさん失礼しますね。」メービーを俺の体に正面から固定し
メービー「え!?」もごもごしている
「ベリーさん、ヴィッターさん失礼します」
2人を両手に俵のように抱え
ベリー「えっ!ちょっとあんた何やってんの!」
ウィル「舌を噛まないようにしてくださいね。行きますよ」
「疾走」
俺の前からメービーさんの悲鳴が聞こえる
「もごごごー!!」
両手には大人しく揺られる2人。
あっという間に10階層だ。
ヴィッターさんを下ろし
ウィル「少し待っててくださいね」
左脇からベリーの声が聞こえる
「ちょっと!あんた!私を下ろしなさいよ!」
構わず祖霊の残滓戦に突入する
10秒と立たず着いた決着に
ベリー「あんた!どんな性能してんのよっ!」
ウィル「見ての通りです」
次の階層からは砂の海だ
ベリーさんを下ろし
流石に抱えて進むことは出来ないが、
昨日荷車を作ったのを思い出す。
それを少々先端を尖らせ
船のようにした。それを
11階層の入口に作り
ウィル「お二人共乗ってください。」
ベリー「なにこれ!」子供のようにはしゃいだと思えばすぐ、腕を組み乗り込むのだった
ヴィッター「失礼します。」
メービーさんは俺に固定されたまま気を失っている。刺激が強すぎたようだ。
おれは剣を足に起き中腰の体制になる。
そして荷台を掴み
ウィル「飛ばしますよ」
フォンと言う音と共に砂の海を一気に駆け抜ける
ベリー「ぎょぇぇぇぇ」
ヴィッターさんに至っては落ちまいと必死に箱の縁に捕まっている。
15階層。
ウィル「メービーさん…メービーさん!」肩を叩くも反応がない
ヴィッター「お任せください」パチンと指を鳴らすとメービーは生き返ったように
目をぱちくりさせる。
メービー「夢でしたか?」頭を抱えて
ベリー「残念、現実」ベリーは砂だらけになった盾を磨いていた。
ヴィッター「ウィルさん、もしかしてこの方法で20階層まで?」
メービーは俺の顔を戦々恐々と見ている。
ウィル「ええ、もちろんです!」俺は砂時計を確認すると5分の1程度減っているだけだった。
ウィル「さて、メービーさんお身体を貸してください」
メービーは観念したように体を起こし、俺に固定される
「さて、おふたりも」俺は荷台を用意する。
ヴィッターさんとべりーさんも乗り込む。
ヴィッター「まあ、ありがとうございます」
16階層
この先は砂嵐で前が見えない階層だ。
進もうとすると
胸元からメービーさんが
「ウィルさん、宜しければ晴れの魔法を使いますか?」
そんな便利な魔法が…
「是非、お願いします。」
俺の腰につけて合った杖をメービーさんは取り出し俺の胸元に向かって呪文を唱え始める
なんともシュールな時間だ。
ベリーとヴィッターに至っては後ろでジャンケンをして遊んでいる。
メービー「我が祈りに答え姿を表したまへ」
そう唱えきると目の前の砂嵐が止んだ。
ウィル「ありがとうございます!メービーさん」
杖を腰に付け直し俺は進む
18階層、19階層
俺の剣を滑らせる為の道を作り突破する。
20階層ボス
ヴィッターさんを下ろし、足に敷いていた剣を持ち投げる
ベリー「ちょっ!!あんた!!それどう拾うつもり!?」
メービーさんは何が起きているのか分からないため俺の胸で
「モゴモゴ!?」と驚いている。
恐らく何事ですか?だと思う。
ギィィエェーと虫が墜落し蟻地獄に吸い込まれてゆく。
ベリー「あんた!もっと剣は大切にしなさいよ!」
ウィル「ベリーさん心配いりませんよ、少し待っていれば返してくれますから」
ヴィッターさんとベリーさんは俺の剣の行く末と蜉蝣の死体を見ていた。
5分ほど経った頃だろうか、蟻地獄から虫がせっせこと羽と剣を排出した。
俺はそれを拾い上げ
ベリーさん達も俺が作った道を辿る。
いよいよ未知の21階層
ここからはベリーさんとヴィッターさんの経験と力を借りる。
21階層
雪原が辺りを覆っている
メービー「ライト」ポカポカと暖かい光と共に熱を出す魔法が、俺たちの中心に浮かぶ。
ベリー「ここからは階層事に、デカイ熊とずっと飛んでる鳥の、どちらかが出るわ。」
ヴィッター「そして階層を重ねる毎に増えるのです」
ウィル「つまり剣を投げる俺では手数が足りないということか。」
ベリー「そういうこと、そして私が先頭。」
ヴィッター「メービーさんと私が真ん中に」
ウィル「俺が後ろですね」
ボふボふと足場を取られる。メービーさんは浮いているので苦労はないようだがヴィッターさん…は…
彼女は思ったよりフィジカル派なのだろう。疲れる様子もなく歩いている。
懐中時計を注視しているとほのかに光る
ウィル「皆さん来ます」
ベリー「言われなくてもっ」
ガンッ!
衝撃にベリーさんが少し後ろに押される
前方より俺の2倍ほどの大きさの白い雪熊が姿を現し、両手を広げ仁王立ちする。
俺は雪熊の懐に入りおもきり腹にパンチを加える。
熊はその驚くべき反射能力で防いでみせた。
そして俺は鋭い爪で一撃をもらう…
多少の衝撃だが
ベリー「ウィル!」
「問題ないです」
攻撃をしたはずの雪熊が吹き飛ぶ。
カウンターが発動したのだ。
みんなに被害がないか
後ろを振り返ると
メービーが杖を構え詠唱を始めている
ヴィッターは俺に駆け寄り
「お怪我はございませんか?」
「あの程度問題ないですよ」
稲妻が吹き飛んだ雪熊に降り注ぐ
メービーの魔法だ。
ウィル「先へ進もう」
ベリー「あんたって硬いのね」
ウィル「ただ、ベリーさんのようにみんなを守れる訳じゃないから。」
ベリーさんは照れ隠しに下を向いた
22階層
ヴィッターさんの情報を元にするとモンスターは2匹のはずだ。
先程より地形の起伏が大きくなった様に感じる。
懐中時計が光る
ウィル「ベリーさん!」
ベリー「分かってるわ!」ベリーは右を向き構える
俺はベリーさんが向いていない方に意識を向けた。メービーさんはもう既に呪文を唱え始めている。
なんと頼もしい人達だ。
幸い俺が見ている方向から
のそのそと白い毛玉が現れる。
雪熊だ…俺は迷いなく剣を抜き一瞬で切るっ
白い雪が赤く染まる。
次はベリーさんが止めている鳥を…と思ったが
メービーさんが雷撃を放ち撃墜させる。
次へ進もう
本当にモンスターが増えていくだけで
みんな怪我もなくサクサクと進む。
そして、30階層に俺たちは特に損害もなくたどり着いた。
ボスは
雪鬼を5体従えたモンスター豪鬼。
師匠から貰った手袋と同じ名前だから
恐らくこいつの素材を使って作られた手袋なのだろう。
豪鬼は両手に鋭い爪、熊のような体毛に、人間のような躯体。そしてむき出しの長い牙が2本…
周りの雪鬼は躯体が小さいくらいで他は何か変わっている所は無い。
豪鬼はこちらを捉えるなり
深雪を諸共せず一瞬にして俺の間合いを詰める。
ベリーさんはそれを正面から受け止める
ガギィンと鈍い金属音
と同時に俺は周りの雪鬼の首を3体跳ねる。
2体が俺の懐を抜け後ろのメービーさんとヴィッターさんに襲いかかる。
まずい!!
「やあ!」ヴィッターさんの気合いの入った蹴りと声とともに
雪鬼はその場に倒れ込む。
ベリーさんとヴィッターさんがどうやって39階層まで行っていたのかわかった気がした。
ベリーさんはずっと豪鬼の連撃に耐え続けている
凄まじい耐久力だ。俺もすぐさま加勢しよう
駆け出そうとすると後方から
メービー「隙を作ります、どうかその間に!」
「わかった。エンチャント」
俺は剣に魔力を込める。黄金色に光出す剣に豪鬼は俺に詰め寄る
ベリー「させない!!ざぁこ!こっちを見なさいよ!」ベリーさんの盾が光る。挑発の類だろう。
豪鬼は一瞬足を竦ませる
メービー「サンダービースト!」彼の後方より放たれる雷は虫の様にジグザグに飛び交い、豪鬼を痺れさせた。
俺はそれに合わせて「解除!」
閃光のように剣が光り、音も無く豪鬼を真っ二つにした。
その後激しい音が地面を揺らした。
いい連携の練習ができた一戦だ
ヴィッター「べりーちゃん!怪我はない?」
一番攻撃を受けていたであろうベリーさんに駆け寄っている。
俺はメービーさんと目を合わせる。彼は大丈夫そうだ。
ウィル「メービーさん。これ持ってみてください」俺は砂時計を握らせる
メービー「なんですかこれは?」
ウィル「魔力残量がわかる物だそうです」
メービーさんは1層ごとに魔法を使う頻度が増えているため少々心配になった。
アーサーさん曰く、空になると死んでしまう可能性があると言っていたから。
砂時計は3分の1程と行ったとこか。
メービー「これは、面白いですね」俺に返してくれた。
ベリー「あんたたち、耳剥ぎ取り終わったわ、次いきましょ」
鍵の空いた扉へ向かう。
次回もお楽しみに!




