パーティを組む
センシティブな表現が含まれます。ご注意ください。
※パーティメンバーを送り届けた後にあるので
そこまでは特にセンシティブ、BL要素としてはございません。
演習場に今日も変わらず新人育成をしているガッツが居る
「ガッツさん!」俺が入口から声をかけると
ガッツ「おう!」と言いながら振り返り
「俺20層突破出来ました」と俺の言葉を聞き
「第1歩おめでとう!」とハグをされた。
彼の胸筋に押しつぶされそうになりながら
「明日には30層を目指すつもりです」
ガッツ「なら弓か魔法が使える者がいた方がいいぞ!」
わしゃわしゃと俺の頭を撫でながらそう言う。
「どこで集められますか?」
ガッツ「報酬を出して雇うか、アーサーに聞くかだな!」
「ありがとうございます!早速行ってきます」
俺は足早にアーサーの所へ向かうのだった
門番「なにようですか?ウィル殿」
ウィル「アーサーさんに用がある」
門番「少々お待ちを」
俺は門の前でしばらく待つことになった
ここから見える景色は
師匠と初めて訪れた日を思い出させる
俺は農夫の生まれで幸せな家庭で育った。
失う恐怖を…これほどまでに辛いものだとは知らなかった。
初めてあの日、誰でもいいからと思い声をかけた…途方も無い孤独感と自身の存在の希薄さに悔しさを覚え、最後に声を掛けたのが師匠だった。
門番「ウィル殿!」
「すまない、ぼーっとしていたよ」
門番が扉を開けるとアーサーが立っていた
横には見慣れない艶やかな緑色の腰くらいまで伸びた髪の毛に、尖った耳、全身を覆うローブ、そして穏やかな目付きに俺より頭1つ大きい身長の男が居た。
アーサー「おまたせ!ガッツから話は聞いているよ、30層目指すんだって?」
男に軽く会釈をし
「はい!俺の実力で足りるかは分かりませんが、挑戦したいと思っています」
アーサー「大丈夫、今の君なら40層だって目じゃないよ。」そして横にいた男の背中を押し、
アーサー「彼はメービー、エルフの郷出身の魔法使いだよ」
メービー「よ、よろしくお願いします」か細い声と共に深くお辞儀をする
俺も礼を欠いてはいけないと思い
「よろしくお願いします。メービーさん」とお辞儀をする
アーサー「彼はまだこの国に来て浅くてね、ただ戦闘経験に関しては頼りになるよ。ガッツの元パーティメンバーだからね」
アーサーさんは俺に足りていないものをよく分かっている。頼りになる人だ、ありがたい。
「アーサーさんっ…僕はそんなものでは。」メービーは照れくさそうに下を見るのだった
そんな彼を他所にアーサーは俺に
「さて、ガッツは詳しくは言わなかっただろうが、魔法使いは通常詠唱に時間がかかる。そこで、タンクの役を1人連れていくといい。ついでにヒーラーもね。」
「わかりました!探してみます!」
アーサー「探す必要は無いよ、ほら後ろ。ちょうど来たようだ」
どこかですれ違ったことがあるのだろうか…?
見覚えのある2人がこちらに向かってきている。
赤髪のツインテール、大きな胸に、手には身長と同じほどの盾、動きにくそうな重厚な鎧に身を包んでいる
並んで立つのは
黒い服に白いエプロンをかけたシスターのような見た目に、限界まで短くしたショートパンツを履いている女性
俺はアーサーさんを見て
「もしかして、彼女たちが?」
アーサー「そうだ!彼女らは2人でパーティで39層のまでの常連でもある!安心して組むといい。」
「ありがとうございます!行きましょうメービーさん!」アーサーさんにお礼とメービーさんに手を差し出し、彼はおずおずと俺の手に触れた。
向かってきている2人に合流する
「こんにちは!ウィルと言いますよろしくお願いします」握手をしようと手を差し出す
赤髪の女性「よろしく、S級の弟子だかなんだか知らないけど、足手まといにならないでよね」
シスターらしき女性が苦笑いをしながら俺と握手をする。
シスター(?)「すみません…私の名前はヴィッターと申します、治療やバフを主に行います。そしてこの子は」
赤髪の女性「ベリーよ。タンク役よ。」目も合わせず素っ気なく答える。
メービーさんが困っているようだ。俺の背中に隠れるようにして立っている。
ウィル「こちらは魔法使いのメービーさんです。」
俺はそっとその場をどき、メービーさんが見えるようにする。
メービーさんは深々と2人にお辞儀をする。
ウィル「皆さんもし宜しければ食事でもいかかですか?」ぎこちない空気はできるだけ取り払って置きたい。それに知りたいこともある。
ベリーが髪をクルクルと手で巻きながら
「好きにすれば」と答え
メービーは「僕は皆さんについて行きます」
ヴィッター「いいですね〜。そこの酒屋に行くのはいかがでしょうか?」
ヴィッターはシスターではなかったのか?昼間からお酒とはなかなかいい趣味をしている。
確かに色々なバリエーションの料理があるだろうから間違いは無さそうだ。
「いいですね、行きましょう」
酒屋に着くなりヴィッターは
「おじ様?エールを1っ」指で1を作る
ベリー「私はリンゴエール1つ」店主の顔を見ることなく注文する
2人は
慣れた様子で初めから決めていたかのように窓際の席に着く。
ベリー「あんた達は何頼むの?」大きな胸がテーブルにのる。
ヴィッター「これメニュー表です」差し出されたメニュー表には半熟卵焼きは見当たらない。
ウィル「俺はこの日替わりメニューを頼もうかな」
メービー「僕はサラダを1つ頼みます」
「おじ様〜?」ヴィッターはちょいちょいと手招きをする
店主「あいよ」
店主はジョッキをテーブルに跳ねないように置き、メモ帳をポケットから取り出す
ヴィッター「日替わりメニューとサラダを1つお願いできるかしら?」
彼女はサキュバスの類なのだろうか、店主の視線を喋る度に口で奪っている。そんなわけは無いのだが。
店主の目にはそれぐらい魅力的に映っているようだった。
「あいよ」店主のほほは少し赤かったような気がした
店主はそそくさと奥へ引っ込んだ。
ヴィッター「ねぇ?皆様?年はお幾つなのですか?」その艶やかな声は脳に直接問いかけるように俺やメービーさんに放たれる。
メービー「2000歳です。人間の年に合わせると20歳くらいです…」と答えながらフードを更に深く被る。
顔がほんのり赤いようだった。
「俺は15歳、もうすぐ16になります。ところで皆さんの信条を伺っても?」
女性に歳を伺うのは良くないと知っていたので、あえて聞かなかった。それに
信条を聞くのは大事なことだ。連携をとる上でも、互いの能力を向上させる意味でも。
ベリー「…」教える義理はないと言った顔だ。
ヴィッター「私は一途は野暮。よ」なるほど、バフをパーティにかけると、最大化できるということだろうか?
実は信条は細かく誰にどう向けるかで、基礎能力値を大幅にあげることが出来る物らしく、だから守る順位を考える上で必要なことなのだ。とアーサーが昔稽古がてら教えてくれた。
「俺は、誰かを助けられる冒険者。です」
偽るつもりは無かった。
俺自身この時点で気づいてはいなかったのだ。
信条が違うことに。
メービー「僕は、雷の精霊を疑わない。です」
雷の精霊術は使えると言うことか。逆に言えば精霊術以外は少々苦手とも取れる。
ベリー「…私は…」ベリーは恥ずかしそうにリンゴエールを一気に飲み干し。ダンッと空のジョッキをテーブルに打ち付けると
「愛は世界を救う……」でかい…信条がデカい。…どこの範囲までが世界で愛は…愛ってなんだ。
ウィル「ベリーさん、それは自分が受ける場合に発動するんですか?」
ベリーは小さく
「そうよ…私が愛して貰う…よ…」ヴィッターの飲みかけのエールも取って一気に飲むのであった…
ベリー「何か悪い!?私が世界よ!」キッとこちらを睨む
ヴィッター「あらあら!店主さん?」
日替わりメニューとサラダを運んでくる店主を呼び止め
ヴィッター「オカワリをお願いできるかしら?」
店主は俺とメービーの前に料理を置き
「あいよ!」とまた店の奥へ消えてゆく。
ウィル「おふたりは何も食べないのですか?」
ヴィッター「私達はさっきダンジョンの中で食べてきたばかりなの…だから食べちゃってくださいな」
お言葉に甘えるとしよう。
ウィル「頂きます」
日替わりメニューは人参に大根と、月のように丸いハンバーグがでかでかと皿を埋めつくしている。
メービーさんのサラダも同じように大根や人参とあの赤い実は何だっただろうか…
メービーさんの表情を見るに酸っぱいもののようだ。
ヴィッターさんとベリーさんは俺たちが食べ終わるまで飲み比べを始めたようだ。
ヴィッターさん曰く
「いつもダンジョンから帰ってきたらやってるんです」
との事で
俺たちが食べ終わる頃に
ベリーさんがおもむろに席を立つ
相当酔いが回ってる用で
ベリーさんはメービーさんの頭の上にメロンを乗せて、耳を弄ってる。
ベリー「めぇびぃあんらも飲みなさいよーぉ」
グイグイと頬にジョッキを当てている
メービーさんは今にも噴火してしまいそうな赤い顔で困ったようにこちらに助けを求めている。俺もこんな状況は初めてでヴィッターさんに助けを求めようとする…が
ヴィッターさんは笑っている。止める気は無いようだ。
ベリー「ちょっとウィル〜?あんたも飲むのよ〜!!」千鳥足で俺とメービーの間に収まると
ジョッキを俺に渡してきた。
これが見境がないという物なのだろうか。
俺はシュワシュワと音の経つジョッキを手で包む
「ベリーさん…俺はまだ」
ベリーさんが静かになった…寝たのだろうか
ヴィッターさんはまだまだ余裕のようだ
ヴィッター「あらぁ〜寝ちゃってる〜」
クスクスと笑いテーブルに乗り出し、ベリーの頬をつつく。
ヴィッター「ウィルさん?の方が力持ちよねー?手伝ってくださらない?」
致し方ない。ベリーさんを俺は俵のように担ぐ。
ウィル「店主!お会計を」
店主はそそくさと伝票を確認し
店主「銀貨1枚と銅貨6枚だ」
おれは手に銀貨2枚を店主に渡す。
「お釣りはそこのフードを被った方にお願いします」
メービーさんに少し頭を下げる
ヴィッターさんはよたよたと席を立ち
「こっちよ〜」と店を出る
何故が立とうとしないメービーが気になったが、
場が落ち着いてから帰るのだろう
ウィル「メービーさん、お先に失礼します。また明日、ギルドで。お釣りはお食事に使ってください」
メービー「はい…」火照っている顔が落ち着かない様だった。
店を出るとフラフラとヴィッターさんが歩いている
ウィル「ヴィッターさん、肩かしますか?」
ヴィッター「ええ〜おねがい…私たちの宿はそこを右に曲がってますっすぐよ〜。」歩くのが大変そうだったので
「防護」四角い箱を作り
車輪をつけ、取っ手のような物を付けた。荷車の完成だ。
ウィル「ヴィッターさん、こちらへ」
ヴィッターさんは目を丸くして、座ると
「これ、魔力??すごーーい器用ー〜」ぺちぺちと叩いている
ガラガラとヴィッターさんとベリーさんを荷車にのせ運ぶ。
女性をこんな扱いをしていたらバチが当たりそうだ…
ヴィッター「ウィルくんは他になんの魔法が使えるのー?」
ウィル「他にはカウンターやエンチャントが使えますよ」
ヴィッター「光なのね〜期待してるわ、少年〜」
ヴィッターさんは上を向き星を目に収めている。
ウィル「ヴィッターさんはどんな魔法を?」
ヴィッター「あたしはねぇ、浄化系に治療系なら使えるわ〜。時間を掛ければ神聖魔法も少し」
ヴィッター「あー!ここよーー!ありがとう〜」
紫色の外壁に黒の屋根、おもちゃ屋と書いてある看板におれは驚く。
ウィル「子供がお好きなのですか?」
ヴィッターはクスッと笑うと
ヴィッター「そうね〜…じゃあまた明日ギルドで。ベリーほら、起きて〜」パチンと指を鳴らすとベリーがむくりと起き上がり
ベリー「明日期待してるわ」今までの会話を聞いていたのだろうか。
ヴィッターさんが扉を開け、ベリーが中へ入ってゆく
ヴィッター「では、おやすみなさい」手をひらひらと揺らしながら向こうへ消えてゆく。
メービーさんはどうなっただろうか
疾走を使い急ぎ酒屋に戻る
メービーさんは酒屋の外で座り込んでいた。
何やら辛そうだ。
ウィル「メービーさん?大丈夫ですか?」
メービーさんはビクッと体を震わせ顔を上げる。
その顔は先程と同じように火照り、目がとろんと溶けてしまいそうになっている
メービー「ウィルさん…そ、その」
ウィル「立てますか?」
メービーさんは腰をかがめて立った…
ああ…全てを察した…
メービー「その…刺激がッ…久しぶりに人間の里へ来たものですからっ…」喋る度に烈火の様に赤い耳と顔が彼の恥ずかしさと、行き場のない欲が暴れている事が伺える。
俺はメービーさんをお姫様抱っこしながら
「宿はどちらですか?」憚らずとも、耳元で聞く形となった。「ッ…」彼はピクッと身体を跳ねらせる。
メービーさんは顔を両手で覆い
「ありません…森で過ごして居ました…」今にも消え入りそうな声で答える。
なるほど。今日来て、後で宿を取るつもりだったのだろう。このような状況でなければまず聞かないが、流石に明日からお世話になると言うのに
放っておく訳にも行かない。
ウィル「メービーさん、もし宜しければ僕の宿に来ますか?」
メービーさんは静かに頷く。
辛そうに、息も荒く、今にも爆発しそうで
限界まで垂れ下がった耳はフードが擦れるだけで辛いのだろう、俺が歩く度に息がさらに乱れている。
俺はなるべく揺らさなように宿に入り、
メービーさんのローブを脱がせ
ベットにそっと置く。
緑の長い髪が、華奢な体躯が顕になる。
下着と麻布1枚になった彼の股間は大きく膨れ上がっている。さんはブランケットの中に隠れるように全身を隠した。
メービー「ありがとうございます…」顔を少しだけ出してお礼を告げる。
その言葉とは裏腹に
ほのかに黄色い潤んだ目が、静かに俺を獲物と捉えて、狩ろうとしている。
メービーさんの表情は全てを欲しているように伺える。そしてこの香りは…ジャスミンだろうか。
くらくらするほどの濃い香りは隣の部屋に届きそうだったので
ウィル「僕は隣の部屋に居ますから。防護もかけますので音も気にしない出くださいね。」
おれは急かせかと扉を閉めた。
嘘を吐いてしまった…防護に防音なんて機能はない。
ただ、師匠の部屋の香りが上書きされてしまいそうで方便だ…
メービーさんの微かに漏れた声が聞こえる…
俺は師匠の部屋の扉を開け、入口に横たわる。
そして静かに目を閉じる。
俺は大変なパーティを持ったのかもしれない…
ご覧いただきありがとうございました!
次回は健全です!お楽しみに!




