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風属性がハズレだなんてありえない! ~転生令嬢が魔法と前世の知識でQOLを上げるまで~  作者: ほすてふ


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33/35

33.資格免許の議事録あるいは背中に水ですわ

 本日あまりの衝撃に何も考えられなかったので明日書きますわ。







 ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇




「風車さんがなぜか動かなくなったので私が話を進める」


 場所は風車家。

 参加者は風車ミルカ、輝石ステラ、水瓶セレナ、焚火アイラ、風羽アルナ、糸車リラ。

 主催は風車ミルカ。進行は輝石ステラ、書記は糸車リラ。


「内容は風車さんが提唱する資格・免許制について」


 目的として、発明者の利益の保護、技術の維持、利益の確保が挙げられる。


「発明者の利益の保護という考えは新しい。確かに、何年もかけて、あるいは何代もかけて作り上げた技術を簡単に真似されてしまえば、発明者の利益どころか発明にかかった費用、労力を取り戻せない」

「この考えを前提とした制度ができれば、一部の秘伝を表に出す貴族も出るでしょうね」

「技術を収入にしたい家はあるだろうな」

「お金を払えば技術を教えてもらえるということであれば望む家もあるでしょう」


 輝石:発明者の利益を保護することは有益。

 水瓶:制度設計に課題。技術の共有を見込める。

 輝石:技術を収入に変える考え方。

 焚火:技術を求める家は存在する。


「風車さんの提案は、家というよりも個人という考え方ではないですか」

「個人に利益を帰属させるということ?」

「次の話と混ざりますが、技術保持の証明とあわせて自分たちのようなものが持てる力ということでは」


 風羽:個人の権利と見れば、所属を移っても維持・保有できるようになる。


「そうなると家への帰属を重視するものからの圧力はありそうだね」

「当主の名でやれば実質家に帰属することにもなりませんか」

「それならば家の名でやるほうがはやいだろう」


 輝石:想定する対抗勢力として既得権を持つ家。

 焚火;登録する名を操作される。

 輝石:家の名で登録するものも出る。


「家の中での力関係もあるでしょう。発明者は個人が保護されなければ、発明するだけの能力を持ったものが腐るのではなくて?」

「そういったものを守るための物と考えるのはいいと思います」


 水瓶:発明者の能力をこそ守る制度が必要。

 風羽:同意見。


「そうなるとやはり問題は、どうやって守らせるかだね。不特定多数を相手に取り締まる能力が必要だ」

「風車さんは腹案があるようでしたわ」

「では復帰するまで保留としよう」


 輝石:違反者の取り締まりが課題。

 水瓶:風車に腹案あり。

 輝石:この件は保留。



「続いて、技術の維持についてだ」

「発明、技術の本質となる知見を見落として劣化した模倣をくり返せば、技術は損なわれ評判も悪くなるでしょう」

「資格免許を発行し、技術を持つ者であると保証する。学園の試験や卒業証明、それから流派の免状のようなものだね」

「それだけでは模倣者を止めることはできないでしょうね」


 輝石:技術の維持について。

 焚火:下手な模倣によって技術は劣化し、評判も悪化する。

 輝石:資格免許を発行し技術保証。前例のある仕組み。

 水瓶:それだけでは抑止できない。


「やはり取り締まる方法が必要だね」

「風車さんの考えを少し聞いたのですが、免許を持つ者が扱ったものだけ優遇するとか。どういうことか尋ねましたら、魔道具が壊されたり壊れたときの無償修理を行うと」

「ほう……なるほど? いい案だが、今度は資格免許が偽造されそうだな」


 輝石:取り締まり手段が必要。

 糸車:風車の考えより。免許持ちの扱った仕事の事後対応を優遇。無償修理など。

 輝石:資格免許の偽造が懸念。



「やはり本人の考えを聞かなければ進まないか。利益の確保についてだ。ある程度有力者の後援が無ければ制定できないだろう。また、試験の実施にも費用が掛かるはずだね」

「資格試験を受けるのにお金を取る、登録にお金を取る、寄付を募る、技術を教える際にとるお金から抜く、ほかにありますでしょうか?」

「用途は制度維持費、ですわね?」

「ここから発明者に利益を回す手はどうでしょう?」

「しょうもないものを発明と言い張って大量に登録するものが出るのでは?」

「どこまでが価値があるとするかの線引きはどうしますの?」


 輝石:利益の確保について。有力者の後援を得るための費用。試験費用。

 水瓶:受験料、登録料、寄付、教授料、ほかには?

 焚火:用途は制度維持費のみか?

 風羽:発明者への報酬はどうか。

 水瓶:大量の価値のない発明を登録する懸念。

 糸車:価値の有無の線引きをどうするのか。


「大きく考えすぎているかもしれない。小さな規模で動かしてみて課題を探すべきだろうか」

「それが出来れば、というところですね。取り締まる方法が」

「修理の利点だけで制度が回ればそれでよいですが。一般的な魔道具にはあまり有益ではないですわね」


 輝石:小規模で制度を稼働させて問題を出す必要性。

 風羽:取り締まり方法の問題。

 水瓶:利点のみで維持できればそれでよい。一般的な魔道具には適用が難しいと懸念。



「制度を守り、維持する方法がやはり最大の課題か」

「技術共有を進めたい王家を巻き込めないでしょうか」

「わたくしたちの手から離れてしまいますわ」

「個人を重要視する立場にある方はかぎられるでしょうね」


「ここは記録しないでおきますわね」


「ひとまずこんなところか。風車さん、そろそろ動かないか?」

「百花さん、どうです?」

「では失礼して、主を正気に戻してまいります。いましばらくおまちくださいませ」





「ひゃぁあんっ!?」


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