↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
風属性がハズレだなんてありえない! ~転生令嬢が魔法と前世の知識でQOLを上げるまで~  作者: ほすてふ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
3/21

3.家族会議になりましたわ

本日は3話投稿しています。3話め。

 家族会議になりました。


 時間の都合、夕食の後に話をすることになったのですが、皆待ちきれず、夕食の間に話が始まります。


 今日の夕食は魔物肉のシチューとパン。

 野菜や穀物に困らないのは風車家など農業にかかわりのある家に限られる、いわば当家の特権の一つ。

 ではほかの家では何を食べているかというと、魔物です。

 この栄光の王国では、魔物食材と農産物の比率はおおよそ半々なのだと、学園ではなく我が家の家庭教師から学びました。

 狩猟への依存度が高い民族なのです。それで国という規模の食糧を賄えるほど、魔物と戦っているということでもあります。


 話を戻しますが、よく煮込まれたシチューに、ちぎったパンを付けて口に運びます。なかなかおいしい。

 自慢ではないですが、当家の食事は他家よりもおいしい自信があります。

 このわたくしがほんの少しだけ、異世界の料理知識を流したからです。

 風車家に生まれたのは幸いでした。

 肉ばかりの家では、出汁の取り方や利用の仕方を生かせていたとは思えません。


 話が戻っていませんでした。


「ミルカはいつも美味しそうに食べるね。今日くらいはもう少し神妙にしていてもいいんだよ?」


 そう告げるのは、今日は夕食を共にできた父、風車魔法伯爵ガイル。おしゃれ髭がピンと立っている、ギリギリおじさんと呼ぶには早いかというところ。

 目つきが温和なので叱られるときもあまり怖くありません。

 一年の半分は軍務、もう半分は領地とこの王都の屋敷を往復しているので、一緒に食事をとれるのも四分の一くらいです。

 とはいえ、今はわたくしの学園入学の関係で王都へきており、ついでにもろもろの用事を片付ける予定らしいので、数日は一緒にお食事できるでしょう。


「ですがお父様、おいしいものはおいしくたべませんと、お食事に申し訳ありませんわ?」

「ああ、うん、そうだね」

「ミルカ、父上に先ほどの魔法のことを話すんだ」


 上の兄は領地にいるので、今はおりません。

 わたくし同様、学園に通っている下の兄、ゲイルがスプーンを止めてわたくしに言います。

 ちなみに上の兄はブリーズ。おお兄様の名前は父が、ちい兄様の名前は母が考えたそうです。


「風魔法に打撃力が足りないので評価が低いと学んだものですから、本当かどうか試してみたのですわ」

「ほう?」


 わたくしは学園であったことを話しました。

 風魔法はすごいのに軽んじられているように感じたので実際に試して確認しようと思ったと、その後の流れまで。


「ミルカ、殿方の領分にあまり踏み込むものではありませんよ?」


 理由を話したところで風車魔法伯夫人、つまりわたくしの母であるエリーゼに窘めれました。

 お母様は規律に厳しい方なので、あまりやんちゃをするととても怖いです。美人が怒ると怖いという言葉そのままです。


「わかっております、お母様。参考までに知っておきたいと思っただけですわ」


「まあまあ、エリーゼ。叱るのは後だ。話をすべて聞いてから考えることだよ」


「あなたがそうおっしゃるなら。もう、娘に甘いんですから」


「ミルカ、それで何をどうやったんだい? 標的が変形していた。まるで炎の魔法であぶったように。もしかして、二属性に開眼したのかい?」


「いいえ、お父様。わたくしは今のところ、風属性しか使えませんわ。ああ、無属性は別として。あれは風属性で熱を生む実験をしたまでです」


 無属性は魔力そのものを扱う属性と言われ、生来の属性に関わらず使える属性とされています。

 しかし、熟達には生来の属性よりはるかに多くの修練が必要で、簡易な物しか使われておりません。


「どういうことだい? 熱風の魔法を限界まで強めたとか?」


「いいえ、こう、モノをこうやって押し付けるとそこが熱くなるでしょう?」


 わたくしは手を合わせてぎゅうぎゅうと押して見せました。

圧縮によって高温になるということをそのまま話すと、なんでそんなことを知っているのかと言われそうなので、ごまかすためです。

 合わせた手のひらが熱くなるのは全く別の作用でしょう。


「ですから、風の結界を押しつぶしてみましたら熱くなりましたわ」


「ふうむ、そんなことが……?」


「父上、私も試してみましたが、うまくいきませんでした」


「あら、ちい兄様、そんなことを?」


「ううむ、ミルカとゲイルで何か違うのだろうか?」


「気になるのであれば、お夕飯が終わってからもう一度試しましょう。どちらにしても、打撃力不足という話は納得できました」


「え、どういうことだ、ミルカ? なかなかの威力があったように見えたが」


 ゲイル兄様が意外そうに聞いてきます。


「だって、簡単な風の防御結界で防ぎきれるのですもの」


 見かけの威力はあっても、簡単に防げるのであれば打撃力不足と評価されても仕方がない。

 もっとやりようはあるのかもしれないが、ひとまず今回の実験結果は敗北だ。


「あ、お替りいただける?」


「ミルカ、食べ過ぎてはだめよ?」


「はぁい、お母様」


 やはりシチューは鉄板メニューである。おいしい。

面白かった、続きが気になると思ったら、いいねと評価をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。