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BLゲームの世界でモブになったが、主人公とキャラのイベントがおきないバグに見舞われている  作者: 青緑三月
<ジルベール>恋愛ルート

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「……俺が好きなのはレイザード、君だよ」

 ―― 幻聴じゃなかった

 笑って冗談だと言うのを、数秒待ってみた。だが赤くなった顔も、真剣な目も全く変化しない。

 一体何が起きているのか。ジルベールがモブの俺に、告白してくるなんて異常事態だ。


 ―― バグかっ!

 異常を、通り越している。ありえない状況だ。意味が、わからない。混乱しながら状況を理解しようとして、このおかしな状況がなんであるか気付いた。

 なんてことだ。ありえない。モブは背景のようなものだ。存在するが、間違っても攻略キャラの恋愛にからんだりはしない。モブにも命があって生きているから、粗雑に扱われると腹が立ちもする。だがそれと、これとは別だ。まかり間違っても攻略キャラに好きだなんて言われる状況なんて起きるわけがない。苦情通り越して、ゲームの根幹が揺らぐ。

 ―― ありえない

 あってはならい規模のバグが、発生した。攻略キャラがモブを、好きだなんてクレームで済む問題じゃないぞ。



 ―― いや、まて、ちょっとまて

 バグのせいだと言っても、通じない。どうしたら良いのかと考えて、勘違いだと伝えようと口を開きかけて止める。

 ジルベールの目は、真剣そのものだ。バグが起きている現状では俺の事が好きだというのが、ジルベールにとっては本当のことになる。なら断ったら、傷つけることになるんじゃないか。

 これでも親友だと思った相手だ。自ら傷つけたくない。俺は主人公にも攻略キャラにも、幸せなになってほしいんだ。それが自分のせいで、傷つけるなんて嫌すぎる。


 だがここで、頷いたらどうなる。モブと付き合ったなんてジルベールの黒歴史になる。

それにバグが直っあと、ジルベールが困ることになる。本来好きになるはずの相手に、俺との関係について誤解されるかもしれない。モブとの関係なんて気にしないだろうけど、万が一が起きたら事だ。ジルベール本人もだが、その誰かにもバグだなんて分からないからな。ジルベールの恋愛を、邪魔してしまうことになる。自らキャラの幸せを、ぶち壊すなんてごめんだ。


 ―― どうすればいい。どっちを選んでも最悪だ

 なにか良い案を、思いつかないか。必死に考えて良くはないかもしれないが、一つ考えが浮ぶ。

 お試し期間を提案してみよう。ジルベールへの気持ちがよく分からないから、お試しでつきあう体をとると提案しよう。そうすれば付き合ったという黒歴史残らない。

 その期間にバグが、解消される。きっとされる。こんな重大なバグが、放置されるわけがない。

 もし幻滅されてジルベールから、断られてもこいつの傷は浅い。なんせ幻滅しているのだから。

 一つ問題があるとすれば、俺が唯一の友達を失ってまたボッチになるくらいだ。


 ―― ボッチか……

 なんかひたすらボッチだったときは気にしなかったけど、一度ボッチじゃなくなってから再度のボッチになるって考えると気が沈むな。けどこれでも親友だからな。相手が傷つく方を、選びたくはない。


「ごめん、やっぱり迷惑……」

「試しで……」

 考え過ぎていたらしい。自己完結しそうなジルベールの手首を掴み、言葉を遮る。

「えっ」

「お前への気持ちが良く分からないから、お試し期間を設けてもいいか」

「もちろん。嬉しいよ、ありがとう!」

 ―― なんか、もの凄い笑顔……

 罪悪感が波の様に、押し寄せてくる。ただ現実の波のように、押し寄せた後に引いてくれない。心が痛む。

「そうか、ならよろしく頼む」

 この瞬間もバグが直ることを願いながら、頑張って笑顔作ろうとしていつもの通り失敗した。


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