↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
94/112

93・群竜迎撃戦:ジーロサイド

「かかった」


 空中モニターの凹が点滅する。

 入り口に仕掛けた落とし穴が作動した証だ。

 敵を示す赤い▲のアイコンがそこで留まっている。


「ほふでふの?」


 バナナを頬張りながら、ジゼロ・ハムスター・ジゼロが何か言っているが、それはさておき。

 落とし穴の先には、いくつも罠が仕掛けてある。


「作動だ」


 トラップアイコンをどんどん押していく。

 範囲内で自動発動をさせることもできるが、任意でも発動できるのだ。

 砂丘から落とし穴目掛けて落石が落ちていき、トゲ丸太が落下したはずだ。

 ドラゴンは空を飛べる。

 だから、実は仕掛ける場所は階段前しかない。

 自動起動と任意起動のトラップが一斉に作動していく。

 

「じゃんじゃん引っかかってるみたいですわね。けぷ。……失礼」


 バナナをたくさん食べ終わり、心なしか少しデカくなっているジゼロジゼロが言う。

 げっぷよりもっと気にすることは色々ありそうな気がするが。


「……引っかかっているというより、一体がまとめて引き受けている印象があるな……」


 トラップによるドラゴンへのダメージは、あまり期待できない。

 爬虫類人たちを削れればというところだが、小さな▲は数が減ってはいるが、期待していたほどではない。

 更に、大きな▲と一緒に完全に同じ動きで、小さな▲が移動していく。


「……爬虫類人を乗せて運んでいるドラゴンがいる……?」

「そう考えるのが自然ですね」

「白骨公主の態度からみるに、奴隷くらいにしか思っていないと思ってたんだけどな……」


 だが、ドラゴンの性格が全部同じというのもあり得ないか。

 考えを改めないといけない。


「とにかく、時間を稼がなきゃならない。俺たちだけでドラゴンを4体も倒すなんて無理だ。ファルケファルケたちの到着まで粘ればチャンスがある。もしかしたらガングレーナ来てくれるかもしれないしな」

「ええ。どちらにせよ、この階にはゼフィーさんたちもいますから、絶対に来させませんわ!」

「……そうだな」


 一瞬、それを忘れていた自分が、ひどく恥ずかしい。

 これは、ゲームじゃないのだ。

 失敗したら、自分だけじゃなくたくさんの人が死ぬのだ。


「しかしこれで、トラップのリソースはほぼ全て使いましたね。時間で回復はしますが、どのくらい再使用に間に合うかは微妙なところです」


 残リソースのバーはじわじわ回復していくが、確かに心もとない速度だ。


「しかし、このゴーレムの配置はどういった意図なので?」


 階段マークのそばに大量の凸が集まっている。

 ゴーレムのほとんどは、地下への階段のそばの砂漠に埋めてあるのだ。


「たしかにそうですわ。なぜ階段の前を固めないのです?」

「まずドラゴンの火力だと、遠距離で撃ち抜かれて終わるから、並べる意味はないんだ」


 ドラゴンの雷撃は、もはやビーム兵器の域だ。

 落雷でも岩が砕けると聞くが、岩だからある程度は耐えられても、ゴーレムとしての四肢がばらばらになるのは間違いない。


「なるほど……それはわたくしも気をつけねばなりませんね」


 この先はジゼロジゼロもゴーレム作成で打って出ることになる。

 雷対策は必須だ。


「その上で、このゴーレムは何に使うかなんだけど――」


 俺は、秘策を開示した。


「なるほど。面白い使い方です」

「ほあー。よく考えますわね」

「……人間以上の存在のドラゴンに通じるかはわからないけどね。でも、やる価値はある」

「でも、このぽつんといくつか配置されているゴーレムはなんですの?」


 ジゼロジゼロの言う通り、マップには小さな凸がいくつか点在している。

 戦力としてはあまり意味はないが――


「それは単に嫌がらせだ」

「ほあ?」

「見つかったら、逃げさせるように考えてる。逃げたら追いたくなるのが動物のサガだ」

「索敵に時間を無駄に使わせるのですね」

「ああ。別に何もないんだが、何かあると思わせたい。無駄に気を張らすんだ」

「性格が悪いですね」

「お前だけには言われたくない。あと、他にもやりたいことがあってね……」


 ドラゴンと人間、あまりに戦力差がある。

 だが、人間が勝っているものが、確実に一つある。

 弱い生き物だからこそ、鍛えて来たもの。

 そして、この世界より格段に戦争の多かった世界の記憶があるからこそ、浮かぶものがいくつもある。


「悪知恵じゃ、負けないぜ……!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。