2・異世界とビキニアーマーと誤算
この世界は、その名を【セカンダール】という。
神が一度世界を作り、より良くしようと作り直した世界だという。
そのため、初めの世界になかったスキルという概念がある、とされる。
……なんというか、異世界転生前提というか、名前を含めて地球を念頭に置いたうえで作り出されている感がある世界観なのが気になるが、実際、異世界転生してるわけだし、そういうものなんだろう。
俺以外に転生者がいるのかは知らないが、過去にはいたんじゃないかと感じる痕跡があったりもするが、正直、どうでもいい。
セカンダールではスキルが何より重要視される。
重要視されすぎるせいで、それを授かるまでは大人たちに厳重に秘されており、俺のように当日にビビることになるわけだ。
感覚的には、地球の性知識に近いレベルで隠されている。
逆に、セカンダールでは性的なものへの忌避感は薄い。
というか、キリスト教の性に対する忌避感は極めて強いレベルなので、それがない世界においては、むしろその方が自然だろう。
女性も好きな服を着ており、いまだにドキッとするのだが――
「ねぇねぇ、どういうこと?」
「っ!」
思ったそばから、ビキニアーマーの少女が現れて驚いた。
神殿は街はずれとはいえ、のどかな街道に似合わぬ姿だ。
「何よー、お化けが出たみたいに」
「い、いや……」
こいつは、スパルネ。
異世界感満載の水色と緑の二色の髪をツインテールにまとめていて、ビキニアーマーを着ているが、この世界では別段、突飛な風貌ではない。
ビキニアーマーも理由があって、肌から万気を吸収するので、皮膚の面積が多いほうがいいためだ。
万気については長くなるのでまた今度。
スパルネは幼馴染……というほどではないが、近所で育ったので幼少期から知っている仲だ。
「幼馴染をお化け扱いなんてびっくりハテナなんですけど?」
……向こうは幼馴染と思ってたのか。
正直、物心ついたころに地球での記憶が蘇ったので、近所の子どもとしか思えず、幼馴染だと感じたことがなかった……。
相変わらず、とってつけたような口癖のびっくりハテナも、久しぶりに聞いたがまぁまぁパンチがあるな……。
「そんなことより、どういうことだってば」
「何が?」
「あなた、スキルをもらわなかったんだって? どうするつもりよ。私たちと旅に出る約束だったじゃない」
「悪い。キャンセルで」
「はぁ!?」
スパルネは、前述の有望株のパーティのメンバーだ。
スキルの知識は大人に秘密にされているが、スキル発動のための万気の吸収能力は学校で測られるため将来性はわかる。
スパルネはその能力が特に高く、期待のホープだった。
そういったエース格の少年少女がパーティを組み、スキル授与後に旅に出るのは、この世界においてはスタンダードな出世コースだった。
ちなみに俺は並。
異世界知識をフル活用した口八丁に加えて、いつでも首に出来るという条件を自ら提示し、有望パーティーに入れてもらったのだ。
だから、外れスキル貰えると思ってたのに……!
なんで貰えないんだよ!!




