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episode6 世界の何処かで

絢爛、優美、そして奇跡的

そう評されるものたちがいた、彼らの名前はハウスメイド

“実家のような場所”を作り“世界から笑顔が失われないように“を自分たちの目標とし、被災地や病院、そして繰り返しの毎日に疲れた人たちに笑顔を届けるために国中を回っているサーカス団だ


そしてそんなサーカス団に団長である父の思いを立派に受け継いだ少女がいる

そして今日もみんなを––


「フェリシア!!いつまで寝ている、さっさと降りてきてご飯を食べなさい!」


父の大きな声に驚き、服の中からトランプが大量に落ちる


「起きてるよ!ボクを誰だと思ってるんだよ!」


ずれたシルクハットをしっかりと定位置にセットしてからトランプを拾い集める

彼女の名前はフェリシア、世界一のスーパースターを目指すごく一般的な女の子だ

ちなみに特技は手品だと言っているがまだお客さんの前で成功させたことはない

しかしその底抜け明るく裏表ない性格は万人から好かれ、そして愛される子だ


「あっはっは!!……今日の朝はパンケーキの気分だなシェフ」

「寝坊助が何偉そうな事言ってんだ、今日は昨日の残りのシチューだよ、そして誰がシェフだ、俺はただの給仕係だろ」


今日の給仕当番に呆れられる

フェリシアは「パンケーキがいいな…」とは言いつつも出されたものは食べる子なのでしょんぼりしながらシチューにパンをつけて食べる


「そうだシェフ、ボクが新しく考えた手品を見てくれよ!」

「ん?」


全員の給仕が終わり椅子に座って食事を始めた給仕係のパンの皿に頭に乗せていたシルクハットをかぶせる


「種も仕掛けもございません、転瞬の間にこのパンをパンケーキに変えて見せましょう」

「おいこら、嫌な予感がするから自分のパンでやれ」


そんな声を無視して手を宙に振り上げる

そして指を鳴らし勢いよくシルクハックを掴み頭に被る

するとパンは見事にパンケーキに––


「あっ……」


にはならず、給仕係のパンを小さな白い鳥が食べていた


「……お嬢の手品ってのは俺の朝食をペットの餌に変えることか……?」

「い、いや、こんなはずじゃ……あ、こうすれば良いんだ」


あたふたしながらも解決策を見つけたらしく自分のパンの端と端を掴む

そして力いっぱい捻って半分にちぎろうとした


「あっ……はっ…は……」


思いの外固かったのか想定通りに千切れず七対三の大きさにちぎれたパンを見てフェリシアが一瞬固まる

そして大きなパンを一度見てから給仕係の顔を見、そして自分の手に握られた小さなパンを見て気まずそうに笑う


「––すっ」

「……おい、何がすっだ、ちゃっかり大きい方をとるな」


彼女の名前はフェリシア

少しバカな子で目立ちたがりで、アガリ症で損得勘定の苦手で、そして底抜けに明るい娘

いつの日か自分の手品で人を笑顔にしたいという夢を持った立派な見習いマジシャンなのだ


彼女の父は彼女のことを「大馬鹿者だけどもしかしたら世界を救うくらい大物になるかもしれない大馬鹿者」と評している




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