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epilogue
久しぶりに見た空は晴れ渡っていた。地面に降り積もった雪が冷たく体温を奪っていくが、さくさくと音を立てて歩くのは、殊の外楽しかった。顔を上げた瞬間、しんと静まり返ったのには、思わず笑ってしまったくらいだ。
自分が未だ冷静でいられるのが、クローディアにはどこか不思議だった。
罪状が読み上げられ、跪かせられる。聞くに堪えない罵詈雑言は、社交界で慣れているので何も問題はない。ただ、ささくれだった木の板が肌に痛かった。
これが望んだ生かと言われたら勿論違うけれど、それでもクローディアは己に忠実に生きたつもりだ。後悔することは、何もない。
――あぁ、けれど。
勢いよく断頭台の刃が落とされる。風を切る音を聞きながら、クローディアはごろごろしながら読んだ図鑑の一ページを思い出していた。
――ほんとうはあなたと、海を見たかった。
頬に温かなものが流れる。それを最後に、クローディアの意識は途絶えた。




