奴隷の予習
シロの『発情モード』は回避された。
あれは俺が悪かったのだ。
盛り上げるだけ盛り上げて、いきなり放置にしたのだから。
1日も『おあずけ』を喰らっても、おとなしく我慢し続けたシロをほめるべきだ。
ただ、翌日の朝は目が覚めた時からシロの『奇行』がすさまじかった。
*
朝、目が覚めたらシロがすぐ横に寝ている。
しかし視線は下に・・・
俺のズボンとパンツは膝まで下げられていて、シロも同様だ。
そして、自分のと俺のを比較していた。
なんかすごい光景を見てしまった。
「シロサン?ナニヲシテルノデスカ?」
「あ、おはようございます。かみさま」
笑顔であいさつされてしまった。
それも好奇心全開の、瞳の光が星形に見える状態。
「おはようございます」
「シロのと、かみさまのを比べています」
うん、見たまんまだったね。
「シロ、起きた時にパンツをはいていなかったら、俺がすごく恥ずかしいからやめておくれ」
できるだけ冷静に注意してみた。
「じゃあ、かみさまが起きる前に、というとですか?」
うん、そうでなくて。
俺はパンツとズボンをもぞもぞと履いた。
シロはそのまま話を続けようとしているので、シロのパンツとズボンも吐かせた。
これ何プレイ?
「昨日のかみさまは、すごかったです!」
どうも会話が成り立ってないのか?
「かみさまに、『こいびとちゅー』されたら、「ぞわぞわぞわ~」ってなって(指をもぞもぞさせながら)、胸を舐められたら『ぞぞぞ~』ってなって、お股を触られたら『か~』ってなりました!」
『か~』のところは、花が咲いたようなジェスチャーが入った。
いきなり、シロが興奮気味に昨晩のことを解説してきた。
あまり赤裸々に言われると、こっちが恥ずかしいのだが・・・
「胸を舐めるのは、なんて言いますか?」
「ん~・・・」
愛撫?
なんていうんだろう?
「じゃあ、お股を触るのはなんて言いますか?」
「うーん、胸と合わせて『エッチ』かな?」
「『えっち』!かみさま!今日も『えっち』しましょう!」
今のは『ガツーン』ときた!
女の子に言われたい言葉ランキング上位の「エッチしよう?」と同等と考えていいはず!
「今度はシロがかみさまを『ぞわぞわ~』にします」
「そうかそうか、今度はシロが気持ち良くしてくれるのか」
昨日は、シロに触られてすぐに出しちゃったから、男としてちょっと情けないかなとか思ってたんだけど・・・別に一緒に慣れて、上手になっていけばいんだよなぁ。
何とかシロをリードしないとなんて気負ってたけど、考えすぎだったかなぁ。
「それで、かみさまの気持ちいいところが分からなくて・・・」
そこにつながってくるのか。
それで『予習』をしていた、と。
「うーんと、俺もえっちは経験ないから、焦らずにお互いのことを知っていこうか」
「かみさまは、もう十分すごかったです!シロ『かー』ってなって、最後しばらく降りてこなくて少し怖かったです。ああいうときは掴まえていてほしいです」
イった時のことかな?
赤裸々すぎて俺の顔の方が真っ赤だよ。
まさか、好きな女の子と『お互いどこが気持ちいいのか身体を調べ合いましょう』みたいな会話をする日がくるとは・・・
やっぱ人間生きているもんだわ。
必ずいい時が来る!
今はそう断言できる!
***
とりあえず、朝はシロをなんとか宥めて、普通に1日をスタートした。
昼過ぎに、イヤホンで動画を見て授業を受けていると、何だ変な声が聞こえてくる。
動画を止め、イヤホンを外して周囲をみると、それはベッドの上からだった。
シロが、ベッドに仰向けになり、自分で胸を揉んでいる。
左手は自分の胸に、右手はパンツの中に入っている。
「ん・・・あっ・・・ん・・・」
喘ぎ声が漏れ聞こえる。
こんなものを見せられてスルーできるほど、俺は人間出来ていない。
何かいい匂いもする。
「あの~、シロさん?」
「あ、かみさま!」
声をかけられても全然恥ずかしそうじゃないのね。
どうなってんのシロの羞恥心。
「何をやってんの?」
「かみさまにされたように触っても、あんまり気持ちよくならなくて・・・やっぱりかみさますごいです」
すごいとか言われたら何となく嬉しいけれども、昼間っから好きな女の子が目の前で自慰行為をしていた時の正しい反応って何なの?
まあ、俺と2人しかいないけど・・・
「あと、昨日はとにかくかみさまに抱き着きたくて、かみさまを食べてしまいたくてしょうがなかったのに、今日は普通なんです・・・」
実際、指食べられてたしなぁ。
昨日は『発情モード』にしちゃったからなぁ。
今後は気を付けよう。
なんか・・・とにかく危険なんだよ。
1日4回更新になりました。
朝6時、昼12時、夕方は18時、夜は21時です。
よろしくお願いします。




