タイムリミット
「それで、今の状況はどうなの?」
あれから少し時間が経ち、ローネは徐々に落ち着きを取り戻し、現状確認が出来るまで回復したようだ。
「ここが村長宅なんだが、こいつらクーデター軍がここにいたとなると交渉は難しいだろうな」
「この村はクーデター軍の勢力下になったってこと?」
「いや、実はローネを助けに行く道中で村の代表者達がどっちの陣営につくかで揉めているのを見た。だからまだ勢力下というわけではないと思うんだが」
「艦への合図は正午までだったわよね」
「そうだったな・・・」
おもむろに信号弾を入れていた腰のポーチに手を入れて中を探すが、そこには何も入っていなかった。
思い返してみれば自宅で拘束されていた時から既に無かったかもしれない・・・。
「どうしたの?」
「・・・みたいだ」
「え?」
「どうやら合図用の信号弾を奪われたみたいだ」
信号弾の他に銃も無くなっていた。
にわかには信じがたいがあの状況で奪えるのは義母さん以外考えられない。
「これからどうするの?」
「一先ずこの建物から出よう。ここにいても状況は悪くなるだけだ」
「そうね。私もここに長居はしたくないし。早く行きましょう」
正午までに俺達の合図がなければフィーアから第二陣の上陸班が来る手筈になっている。
しかし、既に村内にクーデター軍が紛れ込んでいるとなると・・・。
何とかしてこの状況をフィーアに伝えないと。
俺とローネは階段を上り建物の出口に向かう。
「この扉から外に出れるぞ」
「クルト!ちょっと待って!」
ローネの制止を振り切り扉を開けてしまった俺は、直後後悔する事となった。
「武器を全て地面に置け」
そこには新手のクーデター軍兵士が銃を構えて待ち構えていた。
「やはりクルトだったか」




