花畑の終焉
読んでくださりありがとうございます! よいお年を!!
「あ!最後にお兄さんのお名前を」
「ここにいたんですか!探しましたよ。さあ、もう帰る時間です」
少女の言葉は軍服を着た男たちによって遮られてしまったが、
自分の名前を言っていなかったことに気づき、慌てて伝えようする。
「僕は・・・僕の名前は!」
「ここにいたのかクルト」
しかしタイミング悪く、知っている声に自分の言葉も遮られた。
振り返るとそこには帯剣した背の高い男が立っていた。
「マ、マグヌス・・・師匠」
「俺の稽古から逃げて花畑でデートとはいい度胸だなクルト」
「違います!デートではないです」
「いいからお前は早く村に戻れ。今日の夜は特別メニューで鍛錬だぞ!。覚悟しろ」
「は、はい・・・」
視線を少女がいた方に向けたが、もうそこには姿は無かった。
服装からして、どこぞのご令嬢だろう。もう二度と会うこともないだろうな。
そう思うと少し名残惜しいような。今まで感じた事のない感情を俺は振り払うように走って村へ帰った。
どうして今更こんな事を思い出したのか・・・。
「ッ!」
意識が覚醒したと同時に周囲を確認する。
ここはどうやら俺の部屋。ベットで横になっているらしい・・・横になっている?。
義母さんと意識を取り戻したローネの3人で夕飯を食べていたはずだ。
そして食事中に急激な眠気が・・・。
とりあえず起きようとするがあることに気づく。
手足が縄で縛られている。
「どうしてこんな事に」
縄を解こうと試みるがしっかり結ばれているようで外れる様子がない。
窓から差し込む太陽の光から察するにもう朝のよう。上陸班の任務であるフィーアへの合図の期限は正午まで。もう時間がない。
俺はベットから転げ落ちると後ろ手にベッドの下を物色する。
「確かここにあったはず」
手に何かが当たった感覚。指先を使ってそれを手繰り寄せる。
それを縄にあてがい、数回動かすと縄は切れた。
「まさかこれがこんなところで役に立つとはな」
ベットの下に置いていたのは、昔マグヌス団長と鍛錬をしていた時に使っていた剣。
士官学校には持って行けず、置き場所に困って捨てようとしたが、曲がりなりにもマグヌス団長おさがりの剣だった為、仕方なくベットの下に寝かしていた。
「これからは毎日手入れしてやるか」
剣で足の縄も切ると急いで部屋を出る。




