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実家での夜

ーリーベ4番地ー


村の中心部から少し外れた場所、建物は疎らで、畑や森が広がる自然豊かな光景。

そして白い外壁と赤い屋根の家は5年経った今も俺の記憶と変わらなかった。


「ただいま。義母さん」


「クルト?。クルトじゃない!」


義母さんは一瞬驚いた表情だったが、直ぐに嬉しそうな表情を浮かべ、俺を家に入れてくれた。


「ごめんなさいね散らかってて。そちらのお嬢さんは?」


「ああ・・・こいつは近衛騎士団のローネ少尉で、今はとある事情で気絶してる。寝かせるところがあればいいんだけど」


「まあ!それは大変。ミアの部屋が空いてるから一先ずベッドまで運んであげて」


「了解」


俺は二階にあるミアの部屋までローネを抱えていき、ベッドに横たえる。


「っ・・・」


ローネの体が僅かに動いたが、相変わらず起きる様子はなさそうだった。


ここまでローネも戦い続けてきて、身体も精神も疲労困憊の状態だったのかもしれない。

そう考えると無理に起こそうとするのも酷な選択かもしれない。そう思えた。

やはり村長との交渉は俺だけで行こう。


1階の居間へ戻ると義母さんは夕食の準備を始めていた。


「ローネさんの分も作らないとね」


「いや、俺達は・・・」


「何を言ってるの。久しぶりに帰ってきたんだからご飯くらい食べてもらわないと」


「これから村長に会いに行かないといけないんだ」


「村長に?」


「ああ、内容は言えないんだけど頼みごとがあって」


「村長なら昨日から隣村との会合でいないわよ。お父さんも一緒に行ってるから今日は家にいないのよ」


「義父さんも?・・・いつ頃戻る?」


「多分明日の朝10時頃には戻ってくると思うけど」


明日の朝・・・。オルリック艦長との打ち合わせでタイムリミットに設定したのがちょうど明日の12:00。

交渉の時間を入れるとギリギリ間に合うかどうか。

ここで考えていても仕方がないな。


「隣村まで行ってくる」


「もうじき暗くなるし、今から行くのは無理よ。最近は夜に獰猛な獣が出てるらしいから危険だわ」


「それでも行かないと」


「昔からクルトは頑固で、一度言い出すと考えを変えなかったからね。でもせめてご飯は食べていきなさい。腹が減っては戦は出来ぬってやつよ」


「・・・分かったよ。義母さん」

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