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漁村リーベ村
幼少期に両親を失った俺は、ミアの両親に引き取られ、この村で暮らすことになった。
「ここが今日からクルト君の家だ。遠慮はいらないよ」
「・・・」
「ほら、ミアはお姉さんなんだから、ちゃんと挨拶しなさい」
「・・・こ、こんにちは」
「・・・」
「・・・どうやら長旅で疲れてしまったみたいだね。クルト君の部屋を用意したから今日はもうゆっくり休みなさい」
幼い頃の俺は元々内気な性格だったことに加えて、両親が急にいなくなった事もあり、他人との関わりを拒絶していた。
ミアも今とは違い、昔は人見知りな性格で、初めて会ったときはお互いに目を合わせる事すら出来なかった。
そんな俺の事をミアの両親は温かく家族の一員として迎えてくれた。
王立士官学校に入校したのも、これ以上ミアの両親に負担と迷惑をかけるわけにはいかないと思ったからだ。
士官学校は推薦状があれば寮費と学費が免除される。
推薦状は無理を言ってマグヌス団長に書いてもらったのだが、それはまた別の話。
「いきなり帰ってきたら流石に驚くよな」
近衛服を着ているとはいえ、女の子を抱えている状況も義両親に突っ込まれるだろうな。
心なしか道行く村人から不審な目で見られているような気もする。




