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副団長レナート

クリスマスは執筆だっ

後部甲板に出ると冷たい風が全身に強く当たる。

俺は手摺にもたれかかり、これまでの出来事を思い返す。

アングレットからここにくるまで様々な出来事があったが、

その中でどうしても心の整理がつかないことがあった。


「ミア・・・どうして・・・」


近衛騎士団に所属していたミアが何故クーデター軍に属していたのか。

アンホルトでの戦闘でミアと対峙した時はその場を切り抜けることで精一杯でそんな疑問すら

考えている余裕が無かった。

昔からお節介で正義感が強くて、決して私利私欲では動かない、そんな性格だった。

近衛に入隊したのも大切な人達を守る為だと俺や家族に嬉しそうに話してたよな。


「分からねぇよ・・・ミア」


「おや、クルト少尉ではないですか」


声がした方向に視線を移すと同じように手摺にもたれかかるレナート副団長の姿があった。

「レナート副団長・・・どうしてここに?」


「ローネ少尉の治療が終わったようなので少し海風に当たろうかと思いましてね」


「ローネは、ローネ少尉の怪我は大丈夫でしたか?」


「ええ、大した事はないようでした。これもクルト少尉、貴方のおかげですね。改めて感謝します」


「俺は何も。ミア・・・中尉からローネ少尉を守るのに必死だっただけです」


「・・・ミア中尉ですか」


「レナート副団長、ミア・・・中尉は近衛騎士団ではどのような感じだったのですか?」


「・・・ミア中尉は部隊が違ったのであまり面識はありませんでした。しかし仲間思いな性格と

 近衛でも指折りの戦闘能力を有していた為、マグヌス団長を始め団員達からの信頼は厚かったですね」


「そう・・・ですか」


「私はクルト少尉、貴方に興味がわきましたよ」


「・・・何故です」


「当然でしょう、貴方は海軍軍人でありながら陸戦でローネ少尉を二度も救うどころか

 ミア中尉とも互角に戦ってみせたのです。興味がわかない方がおかしいというものです」

「俺はただ、運が良かっただけです」


過去について詮索されたくなかった俺はいつものように適当にごまかす事にした。


「運だけで近衛団員とは戦えませんよ。それなりの技量、戦闘スキルが無ければね。是非とも教えて頂きたいものです」


レナート副団長は相変わらずのにこやかな表情を浮かべていたが、その表情には有無を言わせない圧を感じた。

相当興味を持たれてしまったようだなこれは。

何とかしてレナート副団長が納得する話をしてこの場を切り抜けよう。そう考えていたが。


「レナート様!」


突然の来訪者に空気は一変した。


「・・・ローネ、身体はもう大丈夫なのか?」


「クルト・・・あ、あなたもここにいたのね。見ての通りもう大丈夫。その・・・ありがとう・・・」

「あ、ああ」


「コホン。ローネ少尉、マリー様の護衛を命じていたはずですが?」


「申し訳ございません。レナート様のお姿が見当たらなかった為、艦内を捜索しておりました」


「心配いただいたことには感謝しますが、今は任務中であることを忘れてはなりませんよ。

 こうなっては仕方がないですね。行きますよローネ少尉、私も警護に戻ります」


「はい!レナート様!」


レナート副団長の後を嬉しそうについていくローネ。

俺は見送りながら、自分の過去に関する追求を逃れるきっかけを作ったローネに心の内で盛大に感謝していた。

そんな俺に対してレナート副団長は思い出したように振り向き一言


「クルト少尉、いずれまた」


そう言い残すとローネと共に艦内へ消えていった。


「厄介なことになったな。色々と」


誰に言うことも無くそう呟いた俺はしばらくその場に残り、迎えに来たラースと指揮所へ戻った。

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[良い点] いよいよ王国派ほ反撃 各地に散った抵抗軍も旗頭健在となれば
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