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強き者たち

副団長のイメージはアビスのボンドルドとブリーチの市丸ギンを混ぜ混ぜした感じです。

「これはこれは、ミア中尉ではないですか。お久しぶりですね」


「…こちらとしてはお会いしたくなかったです。レナート副団長…」


曹長の胴体が倒れ、その後ろにはレナート副団長が立っていた。


「しかし、貴方が近衛を裏切るとは。正直驚きました」


「国王は罪なき国民を自らの私利私欲の為、粛清という名目で処刑を行っていました。到底許される事ではありません」


その粛清に私の両親は…。


「なるほど、その覚悟が籠った瞳。ただ己の命大事に裏切った訳ではないという事ですか。ならば、これ以上の語らいは不要ですね」


レナート副団長はさらに左手でもう1本の剣を鞘から抜いた。

左右で2本…。実戦でも滅多に2本目の剣を抜かないとマグヌス団長が言っていたことを思い出す。どうやら本気ってことね。

腕前はマグヌス団長と比べて威力は劣るものの、俊敏さ・攻撃の正確さに於いては王国随一と称されている。

私も剣を構え、互いに間合いを取りつつ相手の隙を伺う。

強い…。一部の隙も無く構えているだけの状態であるのに威圧感を感じてしまう。

私が仕掛ける事が出来ない事を悟ったレナート副団長が速攻で剣を繰り出す。


「!」


何とか初撃は剣で払い防いだが、直ぐに次の攻撃が来る。レナート副団長は左右の剣を巧みに使い、息もつかせぬほどの連撃を浴びせてきた。

剣がすさまじい勢いでぶつかり合い、辺りに火花を散らす。


「く…」


連撃はまだ終わらず、寧ろ最初と比べスピードと鋭さが増してきている気さえしてきた。

徐々に迎撃が間に合わなくなる。私の服や足に傷がつき始め、傷口から血が垂れる。

このままでは…。しかし奥の手が無い訳ではない。

連撃が終わるその一瞬が勝負。私は致命傷になる軌道のみを徹底的に防ぎ、この連撃の終わりまで耐える方針に切り替えた。

この間にも連撃は続いており、体には既に軽い切り傷や出血箇所が多数あり、傍から見れば重傷と見える程であった。


「よくやりますがこれで!」


言葉と共にレナート副団長の右足が後ろに下がる。あれは連撃の最後!威力を上げるための足運び!。ここしかない!。

レナート副団長の威力が籠った一撃を剣の柄で受け止める。レナート副団長の剣はその威力で私の剣を柄から折り、私の右肩に食い込んだ。

しかし威力を軽減する事に成功したため、まだ私は動くことが出来た。


「な!まだ動けるのか!」


レナート副団長は慌てて剣を引き抜き後退する。その瞬間私は左手で懐から小型銃を取り出し発砲した。


「馬鹿な!」


レナート副団長の叫びで私は勝利を確信した。何とか勝つことが出来た。

そう安堵した私の気持ちとは裏腹に銃弾は真っすぐ、先程まで私の肩を貫いていた剣へと吸い込まれるように飛んで行き、金属が砕ける音と共に剣を破砕した。

レナート副団長は少しの間唖然とした表情で固まっていたが直ぐに状況を理解し、いつもの何を考えているか分からない表情へと変わった。


「飛び道具を切り札にするとは思ってもいませんでしたよ。それに、私の剣が破壊されたのもこれが初めてです。流石はマグヌス団長の教え子といったところでしょうか」


一方の私は仕留めることが出来なかったことで思い出したかの様に全身の傷口が痛み始めていた。

レナート副団長はおもむろに懐中時計を取り出し時間を確認すると、とどめを刺すことなく右手の剣を鞘に納める。


「……とどめを刺さないなんて、一体どういうつもりですか?」


「いえ、そろそろ戻らなければならない時間というだけです。…ミア中尉、いずれまた会いましょう」


そう言い残すとレナート副団長は割れている窓から飛び降り姿を消した。


「ミア中尉!ご無事ですか!」


戦闘が終結したのを見計らったように政府軍本隊が到着した。

「…………クルトは……」


私はここで緊張の糸が切れ、痛みと疲労感に襲われ意識が途切れた。

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