さようなら
ローネちゃんの可愛さだしたくて頑張りました笑
アンホルト1番街市
「はあ…はあ…どうやら追ってこないみたいだな。助かった…」
俺は走るスピードを緩め、体力回復に努める。
「クルト少尉…」
「どうした?ローネ少尉」
「その…さっきは……ありがとう」
ローネはそっぽを向きながらつぶやくように言った。
「俺も…」
「え?」
「俺もさっきは助けられたよ。ローネ少尉の言葉が無ければ俺はミアと戦う事すら出来なかった。ありがとう」
「ミア中尉とはその…どんな関係だったの?」
ローネ少尉の言葉に俺は即答する事が出来なかった。
ミアは小さい頃にうちの家に来てから家族みたいなものだが、世間的には小さい頃によく遊んでいた幼馴染みたいな感じなのだろうか。
しっくりこないが今はそう答える他になかった。
「ああ…まあ…幼馴染ってやつだよ…」
「そう…ところでクルト少尉!」
話題が変わりそうだな。どうやらミアについて深堀されずに済んだようだ。俺は内心ほっとしていた。
「助けに来てくれた時、どさくさに紛れて私の事をローネと呼び捨てにしたでしょ」
「そ、そうだったかな?」
「確かに聞きました。そ、そこで提案なのですが…」
ローネは少し躊躇った後、決心したように俺の顔を見た。
「これから会話する時はお互いに階級や敬語は無しにしませんか?」
「…その提案はこちらとしても楽でいいな」
規律に厳しい近衛であるローネ少尉がそういう提案をしてくることは正直意外であった。
しかし、恐らく同年代であろうローネ少尉とこれからタメで話せるのは畏まった発言をする必要がなくなり、精神衛生上素晴らしい事だ。
「決まりですね。それでは改めてこれからもよろしく。ク、クルト」
「ああ。ロ、ローネ」
お互いにどこか照れくさい感覚に陥ったが、それが何処か可笑しく互いに苦笑する。
「何照れてるのクルト」
「そういうお前もだろ、ローネ」
ローネを抱えながら走る事5分、アンホルト港の入口に到着した。
ここからフィーアが目視で確認でき、甲板にいるラースがこちらに向かって手を振っていた。急げとの声がこの距離からでも聞こえた。
クーデター軍はもう目と鼻の先まで迫っている。
戦火が近づいていることを肌で感じた俺は自分の体力限界が近い事を認識しながらもフィーアへ向かってラストスパートをかけた。




