明確な敵
ミアはヒロインでもありますが、もう一人の主人公感でてきましたね
「…どうして…あなたがここに…」
ローネ少尉は驚きの表情で俺を見る。
マリーをフィーアまで送り届けた後、俺は急ぎこの市場街に戻っていた。
ラースがフィーアから武器を持って行った方がと提案してきたが、それでは間に合わない。一種の直感がそう告げていた。
結果間一髪でローネ少尉を救うことが出来た。
「どうしてって、戻ってくると言っただろ。大丈夫か?」
見たところ深刻な外傷は無さそうだが…。
「私の事はいい!それよりあなたじゃあの人は倒せない!早く逃げて!」
ローネ少尉の言葉に俺は敵がいたことを思い出した。しかしこの間にも攻撃を仕掛けてこない為存在を忘れていたのだ。
「ローネ少尉、こいつを借りる」
俺は持っていたレンチを投げ捨てローネ少尉が持っていた剣を手に取る。
「待って…殺されるだけよ!」
ローネ少尉の言葉を手で遮ると俺は正面の敵を見据えた。そこで敵同様に俺も固まり思考が停止する。
「…嘘だろ…」
「ク…クルト…」
この大雨で髪型が崩れていて一目見たときは気づかなかったが紛れもなくそれは政府軍の制服を着ているミアだった。
「ミア…お前が…どうして政府軍に…」
ミアは対照的に俺の顔を見るとそれまでの焦点がおぼついていない表情から一変し、嬉しそうな表情をして近づいてきた。
「クルト、本当にクルトなのね!」
俺は思わず後ずさる。ミアの笑顔に何故か恐怖の念を覚えた為だ。




