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燃える街

ローネとクルト、ラースは同じ年なんですね。同期いいですよね。

ーアンホルト1番街市場ー


「マリー、大丈夫か?」


「…私は…大丈夫です…」


「ここまで走りっぱなしなんだ疲れるに決まってる。クルト、マリーちゃんを抱えてやれよ」


「それは駄目です!抱えるならあたしがやります」


「いやいやローネちゃんが抱えたんじゃ戦えないだろ。この中で一番強いのはローネちゃんなんだから」


「誰がローネちゃんですか!まああなたのいう事も一理あります。消去法でいくと…」


「クルトになるだろ」


「はあ…仕方ありません。クルト少尉、くれぐれもやましい事は考えない様に」


「考えないわ!マリーはそれでいいか?」


「は、はい。お願いします」


俺はマリーを抱きかかえる。


「クルトさん。重くないですか?」


「ああ、全然。このまま走るから舌を嚙まないようにな」


ラースがしてやったり顔でチラチラ見てきたり、ローネ少尉の監視の目がいちいち気になるが仕方ない。

少し進んだところで先頭を走っていたローネ少尉の足が止まった。


「ローネ少尉?」


「静かに。この先で戦闘が行われているようです」

俺達は角の建物に身を隠し様子を伺う。

「そこの食料を我々政府軍に寄越せと言っているんだ!」


「俺の店の食料は陸軍なんかに渡せねぇんだよ!大人しく失せな!」


「貴様!」


争っている片方の声の主は聞き覚えがあった。


「この声…ヤーコブさんか?」


「何やら陸軍の兵士と言い争いをしているようです」


助けに行きたいが、マリーがいる以上軽々とリスクを犯しにいく訳にはいかないか。

俺がそうこう悩んでいるうちに銃声が響いた。


「嘘…!」


様子を伺っていたローネ少尉があり得ないと顔を強張らせる。


「何があったんだ!」


あの状況で銃声が鳴り響いた。俺は嫌な予感しかしなかった。


「陸軍兵が…言い争っていた人を…撃ったわ…」


「なんてことを…」


「そんな!ヤーコブさんが…」


ヤーコブさんが撃たれた。武器を持っていない王国民を軍人が撃ち殺した。

ラースもマリーもショックを受けた顔をしていた。恐らく俺も同じ顔をしている。

信じられない。俺は怒りで眩暈がしてきた。


「ローネ少尉…奴らを…陸軍兵を倒そう…」


「しかし奴らにバレたらマリー様に危険が…」


「奴らを野放しにしていたら犠牲者が増える一方だ。ここで倒そう」


「ローネさん、私からもお願いします。私と同じ思いをする人が増えるのは嫌なんです!」


「マリー様…」


ローネ少尉は少しの間考えた後に返答する。


「分かりました。ですが、ここは私1人で対処します。私が戦っている間にクルト少尉とラース少尉はマリー様を連れて艦へ向かって下さい」


「敵は複数いるんだぞ。俺もここで戦う」


「クルト少尉はマリー様を守る役目があるでしょう。ラース少尉は…肉壁要員としての役割が」


「俺の役割ひでぇなおい!」


「確かにローネ少尉が抜けたらマリーを守れるのは俺しかいないが…」


「時間がありません。クルト少尉、私の近衛としての実力を信頼してくれているのですよね」


「ああ」


「ならばここは私に任せて下さい」


「…分かった。だが艦に到着した後、必ず戻ってくる。だから無茶するなよ」


「もうその頃にはもう敵兵は残っていないと思いますが」


「無茶すんなよ。ローネちゃん」


「あなたに言われずとも」


「ローネさん、必ず生きて帰って来てください。お願いします…」


「私は大丈夫です。マリー様、必ず戻ります」


ローネ少尉は一呼吸つくと抜刀し飛び出した。

ローネ少尉が飛び出すと同時に俺はマリーを抱え直すとラースと共にフィーアに向かって走りを再開した。

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