悪夢
皆さんのおかげで1300PV…こんなに嬉しことはありません
人生初の感想も超おまちしております!
アンホルト居住区
「何なの…これは…」
町は炎に包まれ、道路には無数の屍。
私達を恐怖、憎しみの表情で見ながら逃げ惑う町の住人。
この惨状を嘆くように先程まで快晴だった空は雲に覆われ、ポツリポツリと雨が降り始めた。
そこには正義、大儀と呼べるものが何一つ存在していなかった。
私はこの光景を信じることが出来ず、現実逃避をしたくなる思いを必死で抑えながら大尉に問いただす。
「大尉…これは一体…どういう事ですか?」
「どういう事も何も見たままだ。ここの住人達は我々政府軍に協力せずあまつさえ宰相閣下を侮辱までしたのだ。当然の末路だ」
私達政府軍はアンホルトの住人に快く思われてはいないようだった。
「陸軍が何の用だ!帰れ!」
「政府軍?信用ならん!」
「あの宰相が大将だと?ますます胡散臭いな」
などと政府軍への協力を頼んだ町人にはことごとく断られていた。
「しかしこれは…虐殺では…」
「ミア中尉!我々の目的はなんだ?」
「…アンホルトの制圧…です」
「そうだ、制圧の障害となるものは排除する。それにここの住人は元々王国派の連中がほとんどだ。不穏分子と言って差し支え無い!」
「ですが子供まで…」
「中尉、君の現在の所属は政府軍だろう。宰相閣下は貴官の忠誠心を疑っていらっしゃる。この戦いで覚悟を示せ」
私はその言葉に頷くことしか出来なかった。
「分かったのならばさっさと小隊を率いて市場街を制圧しろ」
「…了解…しました」
私は足取りが覚束ない状態で小隊員達がいる場所へと向かう。
自分の心が底から冷たくなっていくような感覚を感じた。
あの国王が許せなかったはずだ。日和見、腐敗した王国派の連中を国内から一掃し新政府を樹立させ、帝国の脅威に対抗できる程の国力で平和を勝ち取る。その理想に共感したのではなかったのか。
真の平和を勝ち取る事が出来れば軍を辞めてクルトと一緒に暮らす事が出来る。
そう自分に言い聞かせ無理やり納得し平静を保った。




