平和の港町
お約束展開ですね…でもこういうの好きです
「クルトさん!あれは何ですか?」
マリーは露店に並んでいた食べ物を指さす。
「ああ、あれはスモーブローだな」
「スモーブロー?バターパン?」
「何だ知らないのか。大まかに言うとスライスしたライ麦パンの上にバターを塗ってチーズやハム、サーモンを載せた食べ物だ」
「初めて知りました…。おいしそうですね」
「そういえば朝食がまだだったな…。食べるか?」
「是非!」
俺は露店の店主にスモーブローを二つ頼み、一つをマリーに渡した。
「旨そうだな。とりあえずそこの空いてる場所に行くか」
俺とマリーは露店横の空きスペースへ移動する。
マリーは辺りを見回していた。
「どうした?」
「いえ、テーブルが見当たらないもので…」
「ここで立って食べるか」
「立ったまま食べるのですか?」
「このあたりに座る場所はなさそうだし、何より出来立てが一番旨いからな」
マリーは俺がスモーブローを食べ始めたのを見ると少しの間自分のスモーブローを見つめ、決心したようにスモーブローを食べる。
「…美味しい」
「だろ、まあ王国では有名な食べ物だと思っていたが貴族は食べないのか?」
「ええ、初めて食べました。すごい美味しいです!」
マリーは最初こそおずおずと食べていたが、徐々に食べるペースを上げ、ついに完食した。
「ご馳走様でした」
「マリー」
「何でしょうクルトさ…」
俺はマリーの顔を覗きこみ、口元に付いていたバターを持っていたハンカチで拭いた。
「ク、クルトさん!?」
マリーは顔を赤くして何やら慌てているようだが何か作法を間違ったか。
前にラースから教わった女性と食事に行った時の作法に何か問題が…。
何となく変な雰囲気になった俺とマリーはぎこちなく当初の目的であった店へと歩みを進めた。




