衝突
たくさんの方が見てくれてうれしいです。頑張ります!
ー1F突入口ー
「増援はまだなのか!」
「間もなく到着の予定です」
「中隊長!」
「戻ったか軍曹!。皇女は発見できたか?」
「王城内を隅々まで探しておりますが、未だ発見の報は来ておりません…」
「そうか、それは面倒な事になった。未だ発見できていない事を宰相に知られれば何と言われることか…」
「レナート副団長すみませんもう一度お聞かせ頂いても宜しいでしょうか?」
「承知ですクルト少尉。敵は恐らく増援が到着していなければ、この狭い通路内では多くとも30名程度でしょう。その程度であれば私1人で十分時間が稼げます。皆さんは私が時間を稼いでいる間に艦に乗り込んで欲しいのです」
「いやいや、いくら近衛副隊長殿でも30名を1人で相手にするのは無茶っすよ」
「レナート様なら30名の陸軍兵なんてあっという間に倒せます!」
「しかし、危険では…」
「こうしている間にも増援が到着する可能性があります。これが最適なやり方なのですクルト少尉」
「…分かりました。レナート副団長宜しくお願い致します」
「承知。では、そちらも手筈通りにお願いします」
「了解です」
「レナート様…やはり私も一緒に」
「ローネ、貴方には彼女の護衛を任せたはずです。私もこのような所で死ぬつもりはありません。行きなさい」
「…承知」
レナートはその場で一呼吸すると単身で陸軍部隊に向かって駆けた。
「敵襲!」
気づいた陸軍兵が銃を構える。レナートは右手に持っていた球体を前方に向かって投擲する。
「グレネードか!」
陸軍兵士達は本能的なその場から飛び伏せた。
カラカラと音を立てて床を転がる球体。しかしプシューという音が出るのみで一向に爆発する様子はない。
「不発か、ついてなかったな」
焦りから余裕の表情に変わる兵士達が見たのはすぐそこまで迫っていた副団長だった。
陸軍兵達は慌てて発砲しようとするが引き金を引いた瞬間に爆発音が響いた。
「何だよこれ…」
「爆煙で何も見えない…」
後ろにいた陸軍兵は思わず後ずさる。その直後、勢いをつけてスライディングしていたレナートが爆煙から一気に姿を現し後続の兵の懐に入る。
レナートは剣を抜く動作で一閃し敵兵を葬る。爆発で耳をやられた者も少なからず出ており、陸軍中隊は混乱を極めた。
「今だ!総員脱出!」
クルト達はその混乱に乗じ、突入口から脱出する。
「あいつらを逃がすな!撃て!」
「中隊長、前にいた部隊が次々とやられており、戦意を喪失している者も出ております。このままでは…」
「敵は海軍だぞ!陸戦で我々が遅れを取ってどうする!」
後方に陣取る中隊長の焦りとは異なり、前線にただ1人で立つレナートは普段と変わらない温和な表情で敵に語り掛ける。




