王城陸作戦
海兵的な戦闘もできるクルト君
ーヘイルダム艦橋ー
「あと少し、あと少しだ!持ちこたえてくれヘイルダム」
「側面の海岸砲、フィーアの主砲により無力化されました」
「やるなフィーア。寄せ集めの実験艦と聞いていたが、その評判を撤回せねばなるまい」
「こちらも負けていられませんな司令」
「その通りだ。何としても国王陛下をお救いするぞ」
「間もなく座礁ポイントです!」
「総員対ショック姿勢!」
「ヘイルダム、王城城壁に激突!」
「ラース航海長」
「はい!」
「この艦が座礁せずにヘイルダムに接舷できるポイントはあるか?」
「ヘイルダムの艦尾に接舷するとした場合、深度が比較的深いここのポイントであれば大丈夫であると考えます」
「よし、本艦は城塞砲の攻撃に注意しつつ王城へ接近し、ヘイルダムへ接舷。クルト副長」
「はい」
「これより操舵手、機関科、砲術科を除いた乗組員で救護班及び陸戦隊を組織する。貴官は陸戦隊を指揮してヘイルダム陸戦隊の援護に行って欲しい」
「了解!」
「クルト先輩、ラース先輩をお願いします。必ずこのフィーアの艦橋に戻って来てください」
「奴の方が陸戦の成績は上なんだがなぁ」
「こういうお願いをするとラース先輩は俺が心配なのか?とか言って茶化してくるのでクルト先輩にしか頼めないんです」
「はは、あいつなら確かに言いそうだな。分かったよアンナ、必ずラースと一緒にここに戻ってくる。フィーアを頼んだぞ」
「了解です!」
俺は艦橋を出て、甲板に降りた。そこには一足先に準備していたラースがいた。
「クルト!お前の銃と鉄兜だ。急いで行くぞ!」
「ペタス司令達はどうした?」
「負傷者を救護班に任せて、司令以下24名は先に王城に行っちまった…」
「なんだって」
「司令はどこか正気ではないようだった。何を言っても国王陛下をお助けしなくてはならないの一点張りで、部下を引き連れて王城へ突撃して行ったんだ」
「俺達も早急に陸戦隊を纏めて司令の援護に向かおう」
「了解したぜ。クルト隊長殿」
「ラース、隊長はやめてくれ。士官学校時代の陸戦演習の成績はお前の方が上だったのにどうして俺が隊長なんだ…」
「確かに戦闘スキルは俺の方が高かったがクルト、お前の方が戦況把握や指揮能力で俺より勝っていたと思う。だから艦長はお前を隊長にしたんじゃないか?」
「そう言われると嫌でも自信が出るよ。ありがとうなラース」
「いいってことよ。よし、行こうぜ!」
「ああ」
ラースは家族の事も心配のはずなのに、俺が陸戦隊を指揮する事に不安があるのを見抜いていた。やっぱりお前の方が隊長に相応しいよ。
内心その様な事を考えながら、フィーアの陸戦隊総員32名を引き連れて俺とラースはヘイルダムが城壁に開けた穴から城へ乗り込んでいった。




