ケーキが食べたい。作りたい。
今回は少し短めです。
ようやく物語が動き出した感じがします。
「みこちゃん、早速だけど私ケーキが食べたいな~作ってくれない?」
やった!ケーキが作れるよ嬉しい~
「ぜひ作らせてくださいっ!あ、でもその前に、私が着てた洋服洗ってからでいいですか。上着...あった」
私は上着に包んでいた真っ赤な実をテーブルに置いていく。
「.........」
ベリアルは驚いた顔をしたまま、絶句している。
「これ洗濯したら、すぐにこの実を使ってケーキ作りますね!森の中で猫ちゃんがこの実のところに連れて行ってくれて。もうすっごく美味しいんですよー。ぜひベリアルさんにも食べてもらいたいです」
「.........」
「あのーベリアルさん?聞いてます?」
固まったまま動かないベリアルさんに気付いて、目の前で手を振る。
ぎゅっと、いきなり両手を握られ
「みこちゃん!何でこの実を持っているのよ!!」
「えっ、だから森の中に生ってたんですけど...この実がどうかしたんですか?」
「あーもう。みこちゃん、あのね、さっき話したプレジール。この実がそれなのよ!」
「へっ?はい――――?」
このすごく美味しい実が人を癒すことの出来るプレジールみたい。あーだからあの時、身体も気持ちも元気になれたのね。知らずに食べちゃったけどそんなすごい実だったとは...
「はぁ~、そうゆうことね。みこちゃん、あなたがこの世界に来たのは運命なのかもしれないわ。プレジールは別名、女神の贈り物って呼ばれているの。だから、みこちゃんは女神さまに呼ばれてこの世界に来たのかもしれない。禁断の森に入って何もないでここまで来られたって、そもそもおかしいのよ...。それに猫ちゃんがこの実のところに案内してくれたってことは、やっぱりあなたと猫ちゃんには深い繋がりが存在しているのね」
え?運命?女神さま?全然ピンとこないな。
私は猫ちゃんの両脇に手を入れて抱き上げて目を見て聞いてみる。
「猫ちゃん、そうなの?」
「にゃー」
うん。わからない。
「あ、そうだ。それじゃあ、あなたの名前プレジールからとって、ジルってどうかしら?安直だけど呼びやすいし、可愛いと思うのだけど」
「にゃにゃん」
「気に入ってくれた?良かった~よろしくね、ジル」
「にゃん」
そのまま猫ちゃんと戯れ始める美琴。
その様子を見つめるベリアル。
(まぁ、これから色々ありそうだけど、とりあえず様子見ってところかしらね)
「さー、みこちゃん、美味しいケーキ食べさせてくれるんでしょ!」
「あ、そうだった急いで作りますね~」
洗った洋服を外に干して、穏やかな風を感じて思いっきり空気を吸う、空気がすごく美味しい。会社で働いていたときとは違う、生きてるって感じる。
色々あったけど、私この世界に来られてよかったって思う。一気に環境は変わってしまったけれど、少しずつ自分が変わっていくことがすごく嬉しい。もし本当に女神様が私をこの世界に呼んだのだとしたら人生を変えるきっかけをくれたことに感謝してもいいのかなもしれないな。
「さてと、美味しいケーキを作りますか!」
今回も読んでくださった方々、ありがとうございます。




