おにぎり
美味しいお米料理をお腹いっぱい食べた私達は、お米農家に直接行ってお米を購入した。そして、レピアス国の環境でもお米を育てることはできるみたいで、ベリアルさんと一緒に育て方教わってきましたよ!いまから楽しみでならない。
さてと、料理を始めますか。久しぶりのパン以外のお料理、しかもお米、ご飯だよ、テンション上がる~!
ご飯をとにかくたくさん炊く、炊飯機がないからお鍋で炊く。ここも農家でちゃんと炊き方を教わってきたよ。せっかくのお米ダメにしたくないからね。初めてだから上手く炊けるか心配だったけれど、ちゃんとつやっつやのご飯に炊きあがった。お鍋で炊くときの水加減はお米から中指の第一関節分、そしてポイントは火にかけている間、蓋を絶対に取らないこと。
まずは、おにぎりでしょ。やっぱり基本は押さえたい。そして、バターたっぷり半熟とろとろオムライスに、油も気にせずご飯がパラパラのチャーハン、キノコと鶏肉の炊きこみご飯、さっくさくのカツを惜しげもなく使って、甘辛の出しに甘さの出た玉ねぎにとろーり感が残る卵のかつ丼、余分な脂を落とした牛肉に甘辛のタレが少し焦げたいい香りの焼き肉丼、などなど。とにかく健康がどうとか食べ合わせがどうとか関係なく食べたいものを作っていった。みんなで食べるんだからたくさん作って色々なものが食べられていいよね?いいに決まってる。
久しぶりの料理が楽しくて気が付いたらたくさんの量のご飯を使った料理が出来上がっていた、大満足である。
「さあ皆さん、ぜひたくさん食べてください!」
普段お城で働いている人達が食事をとっている部屋に料理を並べる。お世話になった料理人の人達、パンを配ってくれた人達、関わった人に声かけてみんなでわいわいご飯料理を食べていった。
「何これっ!すごい美味しい~いつも食べてるのと全然違う」
「卵とろとろ最高~っ」
やった!オムライスのとろとろ卵は昔に必死になって練習したんだよね。
「美琴の作った料理”やっぱり”おいしいわぁ」
「やっぱりって?ユリアは私の作ったパン食べてくれなかったから初めてだよね?」
「実は、お城に来てから作ってたパンをこっそり食べたのよね」
「もう素直じゃないんだから、もっと早く知ってたらケーキとか色々食べて欲しかったな」
「あら、みこちゃんの作るケーキは最高に美味しいのに残念ね~」
ベリアルさんが勝ち誇ったように私のケーキを褒めてくれる。
「何ですって!?美琴、私も美琴の作るケーキ食べたいわ」
ユリアに両肩を掴まれた。えっと目が怖いんですけど。
「わ、わかった明日ね、明日、作るから」
「絶対よ!」
「う、うん」
みんなでわいわい食事を楽しんでいるところに宰相さんに連れられて王様がやってきた。みんなびっくりして静かになった。私がお願いして連れて来てもらったの、今回のことでお礼がしたいからって言われたからぜひご飯料理を食べに来てくださいって。
そこで私は国王様におにぎりを渡す。
「国王様、こちらおにぎりです。どうぞ召し上がってください」
「おにぎり...」
「はい、美味しく出来たのでぜひ」
国王様が一口おにぎりを食べる
「...」
味わって食べていた一口目を飲み込むと二口目、三口目とおにぎりをあっという間に完食してしまった。そしてユリアのときと同じく涙を流し始めた。
「スレイア...懐かしいなこの味。お前が初めて私に食べさせてくれたのもおにぎりだったな。形は崩れていたが...スレイア、お前との想い出が溢れてくるよ、あぁ、お前はずっと私の中にいたんだな...」
「思い出しましたか?」
「あぁ、私はスレイアが亡くなったことが悲しくて受け入れることができなくて、全てを忘れることで死を受け入れることを拒んだのだ、だが本当は忘れることなんてできなかた、スレイアを本当に愛していたから。でもスレイアは私の中にいる...ユリア...すまなかった、いままでユリア、お前のことまで忘れようと、なかったことにしようとしたのだ、スレイアが亡くなる前にユリアのことを私に頼むと、幸せにすると約束したのに...ユリアが成長するにつれて、スレイアにそっくりになっていくユリアを見ていると辛くて私は逃げたのだ。私は、スレイアの死と向き合うのが怖かった。私に覚悟がなかったせいで、いままでユリアを傷付けてきた、本当にすまなかった」
「お父様...うっ、ふえっ」
やっとお父さんが自分の存在を認めてくれた、その喜びで泣き出してしまった。そして国王様に抱き着いた。
「お父様、お父様、ユリアはずっと寂しかったです。お父様に見てもらいたくて構ってもらいたくてずっと、ずっと」
「すまなかった、ユリア。これからはちゃんとお前のことを見ると約束する。逃げずに向き合うから、こんなダメな父親だが許してくれ」
二人して抱き合って泣いている。これできっと大丈夫だよね、よかったねユリア。
「ジルありがとう」
「にゃーおん」
「うん、本当によかった」
そして、仲直りした二人を祝って、改めて皆でご飯を堪能した。
「美琴本当にありがとう、美琴のおかげでお父様が私のことを見てくれるようになったわ、ずっと寂しかったの、お母様のことも話すことができなかったから。でも、お父様とあの頃の話ができてとても幸せだった。お母様は私の中にいるんだって感じることができたの、美琴本当に感謝いたしますわ」
ユリアは自然な笑顔で本当に幸せそうだった。でも、どうしてわかったの?って。
「それはね、ジルが教えてくれたの。国王様の愛する気持ちが強すぎて、王妃様が亡くなったことが受け入れられない強い心が、お米に影響して育ちが悪くなったって、だから、お米を食べさせて王妃様との思い出を思い出してもれえばいいって」
「ジル、あなたは見た目も素敵だけど、そんなことまでわかってしまうんですのね、ありがとう」
「にゃふぅ~」
「ふふっ、いいってことよ!って言ってるわ」
「そうだ美琴、お礼になるかわからないけれど、あなた達、女神様について調べているのよね?久しぶりにお母様の遺品を出していたんだけれど、これ女神様の絵じゃないのかなって思って」
ユリアが見せてくれた本には紐が結ばれていた。表紙には女神様らしき女性と魔王様のような男性、そしてプレジールの絵が描かれていた。
「これプレジール?」
「そうよね。いま世界に起きていることと何か関係があるのかと思って、でも不思議なの紐が解くことができなくて中身は見たことがないのよ」
「見せてもらってもいい?」
と言ってユリアから受け取る。
すると本が光りだして紐が勝手に解けた。そして、私はその光に意識が吸い込まれていった。
やっと次回話が進展しそうです。
続きを読んでいただきありがとうございます。




