↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/63

人の、みんなの、気持ち。

やっと両片想いのところまできました。これから糖分高めにできるよう頑張ります。

「ライオン?...えっ!ジル?...すごく綺麗」

「にゃー」

「鳴き声はいままでと変わらないんだ、でもどうして急に...」

「にゃごー」


「えっ...それはっ」

 ジルの言っていることがはっきりわから。言葉としてじゃないけど、心に伝わってくる感じ。

 そして、ジルの変身の理由を聞いて、顔を真っ赤にしてしまった。


「みこちゃん、どうしたの?ジルは何て?」

「あの、えっと...」

 ベリアルさんの顔がまともに見られない...


 そんな私の挙動を見て、ベリアルさんは不思議そうにしている。


 だって、ジルがライオンの姿になれたのは、私が恋をしたからだって、ベリアルさんのことを好きだって気が付いたからジルの身体に変化が出たって。

 そんなのベリアルさん本人には言えないよ。


 それに、人の想いは良くも悪くも物事に影響するって...それは...



「にゃふ」

「えっそうなの?」

「ベリアルさん、ジルが女神様の力をこの国で強く感じるって...」

「女神様がこの国に!!」

「にゃ」

「詳しいことは、その時が来たらわかるって。いまは闇の影響を受けている人達をできるだけ多く解放してあげてって...でもジル、私にはもう...」

「みこちゃん!みこちゃんはどうしたいの?」

「え?ベリアルさん、急にどうしたんですか?」


「最近のみこちゃんはずっと楽しそうじゃなかった。食事のときだっていつもはあんなに喜んで嬉しそうにニヤニヤして美味しそうに食べていたのに、ただ食事をしているだけになってたでしょ!」

「ニヤニヤってそんな」

「いーのよ!それがみこちゃんなんだから、ニヤニヤして幸せそうに食事をしている姿を見ていると私も嬉しかったの。わかっていたのに、みこちゃんが苦しんでいるのを、でもユリア王女が...いえ、これは言い訳になってしまうわね。こんなに追い詰められる前に、無理にでも、みこちゃんと話をすればよかった」


「...」

 

「みこちゃんはいまどうしたいの?みこちゃんが辛いのを我慢すればどうにかなるの?違うでしょ?パンが作れなくなって自分を責めて、それからどうするの? 自分を変えたいって楽しそうに色々なことに挑戦して頑張っていたみこちゃんはどうしたのよ!もしも頑張ってもダメなら私を頼ればいいじゃないのよ、私を頼ってよ、辛い時は辛いって言ってよ...私のこと避けないでよ...」



 私、自分のことばっかりでベリアルさんがどう思うかなんて考えもしなかった。むしろ何で辛いのに気付いてくれないの?って本心では責めたりもしてた。

 それなのに自分から避けて、自分では何もしないで、ただひたすら自分が辛いってことに浸ってたんだ。


 私、逃げてた。目の前のことに向き合って自分が傷付くのが怖かったから。だからユリア王女に嫉妬して、嫌味を言われても言い返すこともしないで、何でそんなこと言われるのかも考えもしなかった。 自分さえ我慢すればっいいんだって、相手のことも考えないで、私は辛いのよ、みんなが悪いんだって悲劇の主人公に浸っていたんだ。


 私は何も変わってなんてなかった。自分のやりたいこと、楽しいことだけをやって変わった気になって、一番肝心なところは見ないようにして、傷付かないようにしてた。


 私、これからどうしたい?このまま何も変わらない自分のままでいいの?自分の言いたいことちゃんと自分の言葉で言わなくていいの?


「ベリアルさん...私、変わりたいです。いまのままの自分じゃ嫌です。もっと自分のことを好きなりたい...でも、向き合うのが怖いの」

 怖い気持ちに心がぎゅってなる。また涙が出てきた。


 ベリアルさんはそっと抱きしめてくれてた。

「そうよね、向き合うのは怖いわよね。わかるわよ」

「だから、怖くて逃げてばかりの私でも、ちゃんと向き合うことができるのか、それもまた怖くて...」

「みこちゃんなら大丈夫だって私は思っているわ。それにみこちゃんには私がいるでしょ。みこちゃんが傷付いたら、こうして抱っこして頭なでて、お姫様扱いして、私がみこちゃんをたくさん甘やかしてあげるわ、それで元気になったらまた頑張ればいいじゃない」

「にゃー」

「ふふっジルも甘やかしてくれるの?嬉しい」


「みこちゃんの笑顔はやっぱり可愛いわね。私はみこちゃんの笑顔が守れなかったこと後悔しているわ、でも後悔したからってそれで終わりじゃないわ、後悔したらまた後悔しないように頑張ればいい、自分が諦めない限りは何度だって頑張れるんだからね。頑張るのに疲れたら素直に休めばいいのよ、休むことも大事よ。だからね、自分を責めるのはやめて、みこちゃんはみこちゃんが思った通りのことをやってみたらいいわ」


「ふふっ、ベリアルさん、私、本当にベリアルさんに頼って甘えちゃいますよ」

「そんなの大歓迎だわ」

「ありがとうございます、私ちゃんと向き合えるような気がしてきました。だからちゃんと向き合えたらまた話聞いてもらえますか?」

「約束するわ」


 そうだ、ちゃんとユリア王女と話をしよう、どうして私のことを嫌っているのかちゃんと理由が知りたい。たとえ理解し合えなくても、このまま何もしないよりは絶対にいい、それにユリア王女と向き合うことができたら、工藤さんのことも自分の中で嫌な記憶のままじゃなくて納得のいく形で気持ちの整理も付けられる気がするから。


「ありがとうございます、私、これから行ってきます。ジル行こっ」

「にゃー」

 私は決めたらいますぐに行動がしたくてベリアルさんから離れてジルと共にユリア王女の元に向かうことにした。


「あ、みこちゃん、ちょっといいかしら?」

 ベリアルさんに腕を掴まれて耳元に顔を近づけてきた。

「さっきの続きはまた今度ね」

「?」

 私が良く分からない顔をしていると、ベリアルさんが私の唇に人差し指をちょんと触れた。

意味がわかった私は顔に一気に熱が集まるのを感じる。

 ベリアルさんを見ると艶っぽい笑顔を浮かべていた。普段見せない表情を見て戸惑って私は逃げるようにその場を後にした私はベリアルさんの言葉は耳には届かなかった。


「ふふっほんとに可愛いんだから、そのときが楽しみだわ、どんな可愛い姿を見せてくれるのかしら」





 私はまず調理場へと向かった、みんなに心配をかけてしまったから、先に謝りにいかないと。


 歩きながらさっきまでのことを思い返してみる。

 ベリアルさんのことが好き。自分のこの気持ちに気付いたらすごくくすぐったくて、でもベリアルさんのことを想うだけで胸が温かくて幸せな気持ちになる、誰かを好きになるとこんなにも幸せな気持ちになれるんだって知らなかった、この感情を知ることができてすごく嬉しい。


 でも、ベリアルさん、キスって、あのまましてたらどうなってたんだろう、いやぁ~恥ずかしい。それに、また今度って今度っていつ?そもそもするの?好きだって気が付いたばっかりなのに、この先どうしたらいいのかわからないよ。リリーがいまここにいてくれたら相談できたのに、レピアス国帰ったら相談に乗ってもらおう。


 ベリアルさんとのことを考えながら歩いていた私は、曲がり角で、ユリア王女がいたことにも気が付かないでぶつかってしまった。勢いが良かったのか二人とも尻餅をついてしまった。

「ごめんさない!私考え事していて大丈夫です...か?ユリア王女様」

「あなたなの?ほんと、どんくさいわね、ちゃんと前見て歩きなさいよ」


 私はすぐに起き上がりユリア王女様に手を差し伸べるものの、勢いよく振り払われてしまった。

「結構よ。ほんとあなたを見ているとイライラするわ」

「...あのユリア王女様」


 私の雰囲気がいままでと違うことに気が付いた様子。

「な、何よ、言いたいことがあるならはっきり言いなさいよ」

「あの、どうして私のこと嫌っているのか理由を教えてもらってもいいですか?」

「ふぅん、いつもは怯えて逃げていたのに今日は食ってか掛かってくるのね」

「お願いします教えてください。私いままで確かに逃げてきました、でもこのまま逃げていても何も変わらないって気付いたので、向き合うって決めました。だから、ユリア王女様の話しを聞いて、」何が原因で嫌われているのか、自分に問題があるのか、ちゃんと知りたいんです」


「はぁ、そういうところが嫌なのよね...あなたが、私の欲しいものを持っていたからよ」

「欲しいもの?」

「そうよ、男の中に女一人で旅だなんて大事にされて、それなのにあなたは大切にされていることが当たり前みたいに幸せそうにして、ベリアル様だって、私が一緒にいるのにあなたのことをずっと気にしてた。私には貼り付けた笑顔で、いかにも王子様って感じで胡散臭いったらないわよ。初めて会ったあの日もあなたのことを大切そうな目で見ていたしね、最初はちょっとした嫌がらせのつもりだったけれど、私がベリアル様にベタベタしても、あなた目をそらして何もしようとしないで、しまいには私だけじゃなく、ベリアル様まで避けてたわよね、どうして?嫌味を言っても何も言い返してこないし、私が王女だから?ふざけるんじゃないわよ、あなたは私から自分から逃げてただけでしょ?悲劇の主人公気取っていい子ちゃんぶってるその態度が鼻に着くのよ」

「私はそんなこと...」

「そんなこと?じゃあ何で何も言わなかったのよ、ベリアル様のこともそこまで必要としていないなら私がもらってもいいのよね」

「ダメっ!!ベリアルさんはとても大切な人だからユリア王女様には渡せない」


「ちゃんと自分の気持ち言えるじゃなのよ。なんなのよ、私は、私のことを見て欲しいだけなのに見てすらもらえないのに、あなただけ自分の大切な人にあんなにも大切にされてズルいのよ」

「だからベリアルさんのことは諦めてください!」

「違うわよ!...私は父に見て欲しいのよ」

「お父さん、国王様?」

「そうよ、なにこの子、演技?いえ天然なの?」

「ごめんなさい、言っている意味がわからないんですけど...」


「あーもうこんな子相手にしてたの?馬鹿みたい...拍子抜けしたわ」

「国王様と何があったんですか?」


「...私の母はね、私が7歳のときに亡くなったの。父は母のことをとても愛していたわ、だから母が亡くなってからの父は変わってしまった。それまでは、忙しくても時間を作っては家族三人で散歩したり、お茶をして、街にも行ったし色んなことをたくさんしたわ、でも母が亡くなってから父は私のことを見なくなってしまった。私のことをいないものとして扱ってきたのよ、虐待されるよりも酷いと思わない?認識されてないないのよ。だから、私は自分の存在に気付いて欲しくて色々試したわ、あなた達に会ったときもそう、お城を抜け出して心配してほしかったのね、でも何を試しても父が私の存在を受け入れることはなかったわ、どうしても諦めきれなくて悪あがきもいいところよね...」


「ユリア王女様...」

「同情なんていらないわよ?」


 同情はできない。だってユリア王女様が辛い思いをしてきた全てを、私がわかってあげることはできないから同情なんて言葉で片付けるにはあまりにも寂しすぎる。


 私はユリア王女を抱きしめた。

「ちょっ、何もいきなり、不敬ですわっ」


 私は、いつもベリアルさんがしてくれるように、ユリア王女の背中をポンポンンと軽く叩いた。

「同情はしません。でも甘やかします。ユリア王女様は、いままでたくさん頑張ってきたんですね」

「何ですの、その子供扱いは」

「よしよーし」

 頭も撫でる

「何よそれ」

「辛いのに辛いって言えないのは、すごく苦しかったのを身を持ってわかったので、だからユリア王女様いまは素直に私に甘やかされてください」

「...ふぇ、うぅ~...美琴のくせに...」

「よしよし、いままでよく頑張りましたね」

 素直に泣き出したユリア王女様。


 人には話してみないとわからない色々な想いがあるんだってこの旅にきてたくさん知ることができた、経験してやっとそのことに気付いた。

 ユリア王女様の言う通り、私は悲劇の主人公を演じていたのかもしれない、自分の言葉を口にすること人と話すことが苦手と理由をつけて、だから工藤さんにもそのことを見透かされていたのかもしれないな。話してみても分かり合えないことだってある、でも私は自分が傷付きたくないから何もしないで諦めてた、その行動が誰かを不快にしていたなんて思いもしなかった。


 本当はもっと単純なことだったのかもしれない、私がただ勝手に悩んで自分の中で問題を大きくしていただけなんだ。

 もっと早くユリア王女様と向き合えばよかった。



 ユリア王女様が泣き止んだことに気付く。

「大丈夫ですか?」

「...美琴、ありがとう...」

 小さな声で呟いた

「ん?何ですか?」

「何でもないわよ、どうせならあなたじゃなくてかっこいい王子様にぎゅってされたかったわ」

「王子様、だからベリアルさんはダメです」

「あんな胡散臭い王子じゃなくて、私のタイプはもっとワイルドな感じの王子様よ」

「ベリアルさんのこと悪く言わないでください。すっごく頼りになる素敵な人なんですから」

「えぇ美琴趣味悪くない?」

「そんなことないですよ、ユリア王女様の見る目がないんですよ」

「...」

「「ぷっ」」

 二人して笑い合う。お互い言いたいこと言ってケンカみたいなのに、楽しって思った。こんな付き合い方もあるんだって知らなかったな。


「美琴、それよりもずっと気になっていたのだけれど、このライオンはあなたのペットかしら?」

「この子はジルです。でもペットじゃなくてお友達ですよ」

「にゃー」

「あの、私ね動物が大好きなんですの、だからモフモフさせてくれませんか?」

 ユリア王女が目をキラキラさせている。本当に動物が好きなんだ。


「えーどうしましょうかねぇ」

「あなた私を甘やかすと言ったじゃないのよ」

「言いましたけど、いっぱい嫌味言われて、嫌がらせされて、私すっごく傷付いたんですよねぇ」


 痛いところを付かれて、うっとなる。 

「わかったわよ!悪かったわ、もうしないし、反省もするから、だからお願い、ねっ」

「もう仕方ないですね、ジルいいかな?」

「にゃお」

「どうぞって、よかったですね」

「ありがとう~わぁふわふわぁ気持ちいいわぁ」


 ユリア王女様がものすごく幸せそうにもふもふしている。そんな姿を見ているとユリア王女が私に視線を向けると

「それと美琴、私のことはユリアと呼んでもいいわよ」

「ユリア様?」

「ユ・リ・アよ。特別に美琴には許すわ」

「ふふっ」

「何で笑うのよ」

「何でもないですよ、ユリア」

 自分で言っておいて名前を呼んだら顔を赤くしている。本当はすごく可愛い人だったんだ。ユリア王女のことを何も知らないまま、何もしないで逃げて、レピアス国に帰ることにならないで本当によかった。

 嫌な思い出のままオリュゾン国を後にしていたら、いつかきっと後悔していたもの。



いつもありがとうございます。


美琴ちゃん好きだと気付いて嬉しそうなのはいいのだけど、ベリアルさんに告白も、付き合ってとか何もないのにキスに妄想膨らませているのはどうなの?

まあ幸せそうだからいいのかな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。