オリュゾン国
最新話少し間が空きましたが書きあがりました。
王族貴族の会話は難しいです。変な敬語になっていたらごめんなさい。
ユリア王女様を乗せた私達の馬車はオリュゾン国との国境に到着した。
レピアス国を出る時に私達一行がオリュゾン国に伺うことを先触れはしてあった。そして、ユリア王女様が一緒なことで問題なくオリュゾン国に入国することができた。
入国の際、サバナ国のときと同じように門番の人達にパンを渡した。さっき王女様も言っていたけど、オリュゾン国の人達は王宮の人以外はお米が主食でパンはあまり食べないみたい、でも渡したパンは美味しいって喜んで食べてもらえた。
王宮に向かう途中、オリュゾン国でもパンを配った。
街の人達は食べ慣れないパンに戸惑いながらも、パンの香りが気になった一人が食べてくれて、それを見た人達も美味しと食べてもらうことができた。
ちなみにユリア王女様にはパンを食べてもらえていない。国の王女様だから確かに初対面の人間が作ったパンなんて食べたらマズいのわかる。
でも、馬車の中でベリアルさんが勧めてくれたんだけど、私が作ったと知るなり食べたくないと言われてしまったのだ。
いままで私が作った料理を喜んで食べてもらっていたのが当たり前になっていたから拒否されたことは正直ショックだった。
レピアス国の人達はみんな優しくて、街に行っても色々な人が話し掛けてくれたおかげで、人と話すことが自然にできるようになっていった。だから私はこの旅で色々な人達とも自分から話しかけることができたし話すことが楽しいって思えるようになったのに...
私は、露骨なまでにユリア王女様に嫌われている。
何でだろう?考えても理由はよくわからない。
ユリア王女様の私に対する態度は、私に仕事を押し付けていた工藤さんを思い出して嫌な思い出が蘇る。だから正直、自分から関わりたくないし、仲良くなんてできないって思う。それにベリアルさんにすごくベタベタくっついて、それを見ているとモヤってするし。
自分の中の負の感情がグルグルしてすごく嫌、自分が自分のことを嫌いになりそう。だからってこの状況をどうしたらいいのかわからない。
あんなに楽しみにしていたオリュゾン国だったのに...
そして、ユリア王女様がいることもあってすぐにお城に向かうことになった。そりゃ当たり前だよね、先に国王様に挨拶しないと。
でも、ユリア王女様と離れたかった私はすぐに街に行きたい気持ちでいっぱいだった。
「みこちゃんごめんなさいね。お米のことは、先に国王様にご挨拶してその後になるけれどいいかしら」
「あ、いえいえ、それで大丈夫ですよ」
ベリアルさんに気を使わせてしまった。
癒しパンのことなど今後のこともあるし、ベリアルさんはレピアス国の王子様としてオリュゾン国に来ているんだから、私のわがままで困らせちゃいけない。
それから、オリュゾン国のお城に着いてすぐに私達は謁見の間に案内された。
ベリアルさんに、ゼファイルさんと、何故か私もこの場にいる。正直言って私はここにいなくてもいいと思うのだけど...
さすがにユリア王女様はベリアルさんから離れて王座の横の席に座っている。
そして謁見の間には複数人の貴族の人達が集まっていて、私達を見定めようとしているのか、ものすごく見られている。
レピアス国の王宮に行ったときよりも緊張する。
しばらくしてオリュゾン国の王様が来て王座に座る。
私達は頭を下げて王様の言葉を待つ。
「面を上げよ、レピアス国の王子よ、はるばるオリュゾン国へとよくぞ来られた歓迎する」
「ありがたく存じます。突然の訪問であるにも関わらずオリュゾン国王様の寛大なご配慮感謝致します」
「よいよい気にするでない。ところで今回全く交流のなかったレピアス国の王子が、なぜオリュゾン国へ来られた?しかも単身で...」
「それですが、まずはこちらをご覧ください」
パンを差し出して、侍女の人が受け取ってオリュゾン国の宰相に渡して王に見せている。
「そちらは、今回の闇に取り込まれてしまった、レピアス国の民を救ってくれた癒しのパンでございます」
「レピアス国の民をとな...」
王は不審な目でパンを見る。そして宰相さんの合図で更に侍女がこちらからパンを受け取りその場で食べて見せた。
すると、いつもと同じく黒いモヤが出てきた。侍女の目に光が差し意思の力を感じた。
王を含めてその場にいた皆が目を見開いている。
「ご覧いただいた通りでございます。レピアス国では国民全員がこのパンを食べて、荒れたり、希薄だった者、皆が元に戻りました」
「ほぉ、してこのパンをこの国にどうしろと?」
「はい、よろしければこちらでパンを作り。オリュゾン国の方々に召し上がっていただくことが出来ればと思う次第でございます」
「それで、こちらからへの要求もあるのだろう?」
「いいえ、レピアス国からの要求は特にはございません。ただ、私個人の願いですが女神について調べておりましてよろしければオリュゾン国にある文献など見せて頂きたいです。それとこの国で育てているお米を我が国でも育てたいと思っております」
「...米」
国王様がほんの一瞬、辛そうな顔をした気がした。
こちらの思惑を探るようにベリアルさんを見る国王様に対して、ベリアルさんはいつもの穏やかな笑みで国王様を見つめている。
「...」
「...」
沈黙が辛い緊張する。
「わかった。その提案、有難くもらい受けるとしよう」
と言って国王様は手にしていたパンを食べてしまった。
受け入れてくれたことを行動で示してくれたのだろうけれど、信用してくれたのは嬉しいけれど、国王様がいきなり食べてしまったことは皆驚いてしまった。
「国王様大丈夫ですか?」
宰相さんが近づいて様子を伺う。
「...これは美味しいな。心にあったモヤモヤしたものがなくなって意識がすっきりしてきた、確かにこのパンは素晴らしい、早速パンを作って国民に配ることにしよう」
「畏まりました」
「レピアス国の客人達、長旅大変であっただろう、しばらくこちらでゆっくりしていくとよい、宰相、ベリアル王子に書庫に案内も頼む」
「ありがたく存じます」
そう言って国王は部屋を後にした。
緊張したけど、オリュゾン国にパンを配れることになってよかった~。
「みこちゃん、これから大変になるけれどお願いね」
「はい、それはもちろんです。オリュゾン国に人達に美味しいパンを食べてもらえるように頑張りますね」
私の言葉を聞いてベリアルさんは微笑んでくれた。この笑顔を見てモヤモヤしていた気持ちが少し和らいだ。
そして、ベリアルさんが私の頭を撫でようとしたところで、すかさずユリア王女が来て
「ベリアル様これでしばらくは、このお城にいられるんですね、嬉しいですわ。宰相、ベリアル様には私が書庫に案内するから大丈夫よ、さっベリアル様行きましょ」
とユリア王女様がまたベリアルさんの腕に絡ませてさっさと書庫へと連れて行ってしまった。
私はさっき温かくなったばかりの心がモヤモヤとしていくのを感じた。
そして、ベリアルさんを急かすようにしていたユリア王女様が振り返り私に対してニヤリと笑ったのを見て私の心は冷たくなっていった。
「美琴さん、顔色が悪いですが大丈夫ですか?」
ベリアルさんとユリア王女様の後ろ姿を朧気に見つめる私はゼファイルさんの言葉が全く耳に入っていなかった。
「...」
更にジルは、何も言わずただじっと美琴の肩にいた。金色の目を不安にさせて。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
とても嬉しいです。




