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知りたいけど知りたくない感情

 まだ日の出前の薄暗い中、私は目を覚ました。

「ふぁ~、昨日は何だか温かくて、すごく気持ちよく眠れたな...まだ朝じゃないならもうひと眠り...」

 私はまどろみの中、隣で眠るジルを確認してから、布団にもう一度潜り込む...?あれ?私昨日いつベッドに入ったっけ?


 昨日のことを思い出そうとして、だんだんと血の気が引いて行くのを感じて、がばっと起き上がる。

 うわぁ~、私ベリアルさんに抱き着いたまま、心地よくて寝ちゃったんだよ!!


 私ちゃんとベッドで寝てるってことは運んでもらっちゃったんだよね。何て迷惑な...

 ベリアルさんさすがにまだ起きてないよね...うぅ~会ったら謝らないと。


 さすがにもう一度眠ることはできなくて、寝ているジルをそのままに、支度してから裏庭に出ることにした。


 プレジールの木の所まで行く、プレジールを見ながら王様にお願いされた保存が効いて手軽なものを考える。プレジールを使ったもの、パン、ケーキ、ジュースは日持ちしないし。クッキーは、酵母使わない...あ、アイシング、ジャムを乗せたクッキーはどうかな、というか、ジャムだよ。煮沸消毒した瓶に入れれば保存が効くし、プレジールたくさん入れられるから効果も期待できるかな。パンに塗ったり、ヨーグルトにかけたり、紅茶に入れても美味しいし、ブルーベリーに、苺、柑橘系、一緒に煮詰めればプレジールが主張することはないと思うし、いいんじゃないかな。可愛い瓶に入れて、クッキーも色々な型で抜いて作れば、それ絶対に楽しい。

 マリーにお願いして一緒に作ってもらおう、その方がより楽しいし。またわくわくできてすごく嬉しい~。


「みこちゃん、おはよう。今日は起きるの早いのね、よく眠れたかしら」

 私が一人妄想に浸っていると、そこにベリアルさんが来た。


「ベリアルさん、おはようございます。聞いてください!保存できるもの思いついたんです。ジャムと、ジャムを乗せて焼いたクッキーはどうかなって、ジャムの味もたくさん種類作って、クッキーの形も星にハートに色々あったら絶対に可愛いですよね。マリーと一緒に作ってみて、あとは癒しの効果がどこまででるかだけど...!!!っ」


 ベリアルさんは私の話をすごく優しい眼差しで聞いてくれている。ふと我に返ると昨日のことを思い出してしまった。顔が赤くなるのを感じる。


「あ、あのっベリアルさん、昨日はごめんなさい。私あの、ベリアルさんに、その、抱き着いたまま眠ってしまったみたいで...しかも部屋まで運んでもらっちゃって、ありがとうございます」


「ふふっそんなに気にしなくても大丈夫よ。昨日は気疲れさせちゃったから仕方ないわ、気持ちよさそうに寝てたしね。みこちゃんたら、私にしがみついて離れてくれなくて大変だったのよ。でも可愛い寝顔が見れちゃったから役得かしらねぇ」


「!!!!っうそ。私全然覚えてなくて、うぅ~恥ずかしいっ」


「あははっ、ごめんね、みこちゃん嘘よ嘘。みこちゃんが可愛い反応するから、からかっちゃった、でも気持ちよさそうに寝てたのは本当、よっぽど疲れたのね」


「ベリアルさん、からかうなんてひどいです」


「みこちゃんが可愛いのがいけないのよ、ふふっ。そうそう、みこちゃん私ねお腹空いちゃった。みこちゃんの手料理食べたいな」

 

「あ、そういえば昨日は夕飯食べないで寝ちゃったから...あぁ重ね重ねごめんなさい、すぐに作りますね」

「私が作ってもいいんだ「大丈夫です、すぐに作りますね。私もお腹空きましたから」

 被せ気味にお断りをする。


 きっと顔も赤いし、動揺しているのを見られたくなくてベリアルさんを置いて先に家の中に入った、からかわれるのすごく恥ずかしいし、やめてほしいって思うのに、嫌じゃないのは何でなんだろう。

 もしかして私って、からかわれるのが好きってこと?いままで人と接することが少なかったから構われたいってことなのかな。

 この嫌じゃない感情の答えは私にはまだよくわからない、でもいまはまだこのままでいい気がする...何だか知りたいけど知りたくない。



 朝食は彩り豊なコブサラダに、コンソメスープ、ベーコンエッグ、あと厚切り食パン。夕飯を逃した分ちょっと多めに用意した。そろそろ朝食に白いご飯の純和風メニューが食べたいな、あと炊き立てほかほかのご飯で握ったおにぎりも。お店のメニューに入れてもいいし、どこかの国にあるか調べるのもありかも...


「あぁ~お腹が満たされて幸せ」

「やっぱりみこちゃんの料理は最高ね~、昨夜は久しぶりに自分で作って食べたのだけど、いままではそれが当たり前だったのに朝になるのが待ち遠しかったわ」

「本当にごめんなさい。でもベリアルさんがいつも料理を褒めてくれるからすごく嬉しいです」


「で、みこちゃんさっきの話。ジャムとクッキーいいと思うわ、後でゼファイルに言ってマリーを呼んでおくから、ぜひ試しに作ってみて」

「はいっ♪」


 また色々試せるの楽しい。作るのだけじゃなくて色々考えて試すのも好きかも、また一つ知らなかった自分を発見することができた。

 マリーが来たらメニューのこととか話聞いてもらって、あとリリーにお店のことちゃんと報告もしたいな。


 まったり過ごす日常もいいけど、遣り甲斐があると毎日充実してるって感じる、前は会社に行ってただひたすら毎日をやり過ごしているだけの日々だったけど、何か新しく本当にやりたいことが見つかると、こうも人生が鮮やかになるなんて気づけなかったな。

 日々の生活に何か違うこと、いつもと違う道を通るとか、そんな小さな変化をいれるだけでもきっと日常は違って見えるかも、同じように見えていても同じ日は二度とやってくることはないのだから。



ここまで読んでいただきありがとうございます。


みことちゃんはベリアルさんのこと意識しているし、好きになっているのは確かなのに、お母さん扱いから恋だと気が付くにはまだまだ時間がかかるかな、何かきっかけがあれば...。


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