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王宮へゴー?

 カーテンからのぞく穏やかな朝日に目を覚ました。

 ここへ来てから見る夢は毎日続いている。内容は相変わらず覚えていないけれど、胸に残る想いの強さは日々強くなっていて、この感情が自分のものなのか境界線がなくなってきている。とにかく悲しくて、更に恋しい切ない気持ちまでも感じていた。


 何かあるんだろうけど、私に何ができるのかもよくわからない。毎日のことだから気にはなるけど、どうにか出来る時が来るのを待つしかない。

 そう考えていると、ジルが私を見つめていた。あれ?ジルの金色が強くなっているような気がする...キラキラ?気のせいかな?


「ジルおはよう。今日はベリアルさんにこれからのこと話すの。だからねジル、そのときは側にいてね」

「にゃー」


 朝の支度をしてから、裏の畑にいく。

 不思議なことにプレジールの実は取ってもすぐに生るからなくなることがない。私もジルも美味しいプレジールが好きで毎日のように食べているからありがたい。今日食べる分を取ってから朝食の準備をする。


「みこちゃん、おはよう」

 テーブルに朝食を並べていると、ベリアルさんがタイミングよく来た。

 そして、頭をなでなでしてくる。


「あの、えっと、ベリアルさんおはようございます」

 そう、最近ベリアルさんは何かと私の頭を撫でたり、買い物行く時とか手を繋いだり、エスコートしてくれている、更にはお風呂上がりの髪の毛を乾かしてくれたりするのだ、どう反応していいのかわからなくて、動揺を隠して普通に振舞うことに必死だったりする。

 困るのが自分がそれを気恥ずかしいけれど、嫌じゃないってことなの。むしろ心地よかったりする、って恥ずかしい~。


「みこちゃん大丈夫?今日の朝食は何かしらね、朝から楽しみがあるっていいわよね~」

 こんな感じで本人は特にいたって普通だから、私だけが意識していたら余計恥ずかしいから、反応しないように頑張っている。


「えっと、今日は温野菜のサラダに、冷製ビシソワーズ、厚切り食パンです。食パンはバターを乗せて軽く焼いてあります」

「うん、バターのいい香り、早速いただきます」


 こうして毎日、毎食ベリアルさんは私の作る料理を楽しみにしてくれている。だから嬉しくて、この日常がたまらなく愛しいものになっている。


 今日はこれからのことを話すって覚悟決めたんだから、言わないと...

「あの、ベリアルさん...聞いてもらいたいこ「おはようございます。ベリアル様、今日こそは王宮の方へ来てもらいますよ!」

 とそこに、相変わらずタイミングが絶妙なゼファイルさんがやって来た。

「何よゼファイル、いまみこちゃんが作ってくれた美味しい朝食を食べているところなのよ」

「おはようございます、美琴さん。ベリアル様が理由を付けて逃げるからですよ。さっさと王宮に顔を出してしまえば済む話です」


 前に話が出てから結構経つのに、ベリアルさんは行きたくない理由が色々あるみたいで、結局のところ王宮にはまだ行っていないみたい。頻繁にゼファイルさんが押し掛けている。ゼファイルさん大変そう...。


「ゼファイルさんおはようございます。毎日大変ですね、よかったら朝食食べますか?」

「美琴さんありがとうございます。ぜひいただきたいです」

「何よ、ゼファイルもみこちゃんが作ったご飯食べたかったんじゃない」

「それは当たり前です」

「あはは、すぐに用意しますね」

 私はゼファイルさんの分の朝食を用意する。


「ベリアル様お願いします。国が落ち着いてしばらく経つのでそろそろ来ていただかないと、私にはもう限界です。やはり王も何かあると疑っている様子。プレジールのこと、美琴さんのことも、もう私には誤魔化しきれません」

「まあそうでしょうね。あ~あ、もう少しみこちゃんとのんびりできると思っていたのに残念」

 えっ私とのんびりって...その為に逃げてたの?


「それと、ベリアル様、女神様についてですが、やはり国内ではそれらしき文献などは見つけることができませんでした、やはり国外を当たるべきかと...」

「も~う仕方ないわね、みこちゃん、私と一緒に王宮に行きましょ」

「えっ私もですか?」

 急に私も王宮にって言われて動揺してしまう。嘘、王宮って、どうしたらいいの!?


「そうよ。どのみち父に今回のことを話せば、みこちゃんも呼ばれることになるでしょうから、それならみこちゃんも一緒に行ってしまった方がいいわ、ね、そうしましょ」


 えっいきなり決定事項になってる。ベリアルさんはあんなに逃げてたのに。


「それとみこちゃん、やっぱりあなたは女神様と何か関係があってこの世界に来たのだと思うわ。プレジールが復活出来たのはきっと偶然ではないでしょう。でもこの国には女神様にまつわる文献などはないみたいなの、だから国外に文献か何かあるかもしれないから探す必要があるの。この先、兄が何もしてこない保証はないから調べられるなら調べておいた方がいいと思うのよ」


 前にも聞いた女神様の話、その時はあまり深く考えなかったけど、本当に私と関係があるのならこの世界に来た理由がわかるかもしれない、それにもしかしたら朝の夢のことも。

 ただアインスさんが、もしまた何かをしようとしているのならちょっと怖い。でも私にはこの国に大切なものや人達がたくさんできたから、ちゃんと自分のことを知ることは必要だと思う、二度もこの国を壊すことはさせたくない。


「みこちゃん、そんな顔しないで、きっと大丈夫よ。まだ何か起きるって決まったわけじゃないの、不安に思う方が闇に取り込まれやすくなってしまうから、みこちゃんはいつも通りで大丈夫よ。ごめんなさいね、不安にさせるようなこと話して」

 ベリアルさんが笑顔で頭を撫でてくれる。あぁこの笑顔を見るとやっぱり安心する。

「ううん、大丈夫です。ありがとうございます」

 安心感が心地よくて、無意識に頭から離れていくベリアルさんの手を取って頬に寄せた。温かい体温落ち着く...

「...」

 ベリアルさんが無言で固まってしまった。それを見て正気に戻った私、

「あぁごめんなさい。つい...」

「いいのよ、みこちゃんが笑顔になるなら、私の手ぐらいいくらでも貸すわよ」

 と言って、ベリアルさんは私の両法の頬を両手で包んでくれた。


 あれ?心なしかベリアルさん顔が赤いような...気のせいかな。

 それよりも自分の行動に驚いた、無意識怖い、気を付けよう。


「あーっ!では二人とも王宮に来ていただけると言うことでよろしいですね」

「「っ!!!」」

 ゼファイルさんがいることも忘れてた、恥ずかしい~


「はい(恥ずかしい~)」

「わかったわよ......いい感じだったのに、ほっとてくれてもいいじゃない」

「ベリアル様何かおっしゃいましたか?」

「いーえ何でもないわよ」


 てなわけで、ベリアルさんと二人、王宮に行くことが急遽決まりました。

 あれ?何か忘れているような... 



引き続き読んでいただきありがとうございます。

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