あれれッ
祝30話
正直こんなに長くなると思っていなかったこの物語。
みことちゃんの成長していく姿を見て、私にも気づきがたくさんあって一緒に成長しています。
読んでいただいている皆様に感謝を本当にありがとうございます。
リリーに話を聞いてもらった夜、部屋で改めて一人で自分の今後について考える。
余談だけど、癒しのパンの材料などは国費で賄われパンは無料で配られた。そしてこの事態を引き起こした原因のアインスさんのことは、まだ詳細がわからないと言うこともあって公にはされていない。隠ぺいと言えばそうなのかもしれないけれど、公表したら暴動が起きることも暗に予測できるので致し方ない。
そして、パンを作った私はと言うと、ベリアルさんの家に住み込みで働かせてもらっているのだけど、結局のところご飯作って、スイーツ作って、後は自分の身の回りのことをしているだけだったりする。
実のところ、ベリアルさんは私がしなくても料理以外は何でも自分でやってしまうのだ。いくら異世界に来たから仕方ないとは言え、私の居候感半端なかったりするのである。
余りに申し訳なくてお給金は特にもらってない。必要なものは買ってもらっているし、料理の材料は好きに使い放題で、作りたいもの、食べたいものを材料費気にせず使えている。私的にそこは問題も文句もないし、私にとってその環境は最高だったりする。
だけどこの世界に来るまでは会社に行って仕事をして、それなりに自活してきたつもりの23歳がこの生活ってどうなんだろう。いまはパンを売って自分のお小遣いくらいは稼いでいるけれど本格的に働いているとは言い難い。
癒しのパンを作ることに遣り甲斐を感じて突き進んできてたそれがなくなって冷静になったいま、私は気が付いてしまった。
完全に異世界に来たことに浮かれていたことに...ガーン!(今更かよっ!)
ベリアルさんの人柄に惹かれて、可愛いお家に惹かれて、ケーキに料理に自由に作れる環境に喜んで、自分を変えたい、変わりたいって思って突っ走った結果がこれ。
いや~恥ずかしすぎる。私はベッドでゴロゴロのたうち回る。
実際にこの世界に来て私は変わったと思う。毎日が楽しくて、リリーとマリーって友達もできたし、街の人達とも会えば挨拶や雑談が出来るくらい顔見知りになったし。人と話すことに不安を感じることはなくなったし。元に戻ったこの国の人達はとても穏やかで温かい人達だった。
この黒髪は珍しいみたいなのに特に気にすることなく話し掛けてくれる。
それにベリアルさん、こんなにも近い距離で一緒の生活をしているのに、普通だったら他人と一緒の生活って窮屈に思ったりすることもあると思うのに、そんなこと全然なくて、まるでパズルのピースがハマったかのように自然で、一緒にいると落ち着くし心地いい。だからなのかなこの人がいたから私は変わっていくことができたんだと思う。
だからこそ、私は次に自分が何をやりたいのかを考え始めた。いつだってベリアルさんがどうしたいの?って聞いてくれたから自分のことちゃんとしたいと思った。いつまでもこのまま甘えてちゃいけないよね。
ベリアルさんとのこの温かな生活が終わるかもしれないと考えると寂しいし胸がチクってなるけど、でもこのままゆるゆるとした人生を送っていたら私は何も変わっていかないし、また過去の自分に戻ってしまうようで怖い。それに先延ばしにすればするほどこのぬくぬくの生活から抜け出せなくなる。だから私は覚悟を決めた。
私は自分のお店を開く!(じゃじゃーん!!)
もちろん飲食店、やっぱりケーキだけより甘いのが苦手なお父さんも連れて家族できてくれたら嬉しいし、色々のものが食べられる方が楽しいもんね。
そんなに食べられなくても食べ放題に惹かれるのはそれだよね~色々な種類の料理たちをどれを食べようか見ているだけでわくわくする感じ、いい。
でも私一人で料理するからそんなにたくさんの種類は作れないんだけどね...日替わりとかもいいな。お昼過ぎたらケーキとお茶だけの時間にして女の子がのんびりできる時間もいいよね~あぁ考えるとやっぱり楽しい~
「と、いうことでジル。私は自分のお店を開くことにするからね。ジルも協力、は無理でも応援してね」
「にゃおーん」
「ジル、頑張ろうね」
そうと決まったら、建物とかお金のこととか現実的なことを考えていかないといけない。すぐに自分のお店がダメでも飲食店に働きに行くとか、あと住むところも考えないといけない、よね。うん。
そういうの全部含めて、ベリアルさんに話してみよう。あ、ゼファイルさんにも聞いてもらおう、きっと詳しいと思うし相談に乗ってもらおう。
そういえば、いままでは人に頼ることも極力避けてきてた。自分が我慢すれば、自分で何とかしなくちゃって、いまではすんなり誰かに頼ることが出来ていることに気が付いた。
それに気が付いて嬉しくなった。ベリアルさんに頼って、頼られたいと思って。お互いに信頼関係が出来てるのかなって、リリーに自分のことも素直に話すこともできたし。
いままでは、誰かに頼ることが怖かったのもあるけど、無意識に壁を作って周りを遠ざけようとしていたんだと思う。きっとそれは相手にも伝わっていたはず、相手から視たら私は信用できなかったよね。人から信用、信頼されたいと思っても自分がしていなかったんだから当たり前の話だ。
自分一人で何でも出来る気になって何様なんだよって感じだよね、私ってば恥ずかしい~。
これからもよろしくお願いします。




