これからのこと。
ちょっと感情が降りてこなくて更新、遅れました。
ゼファイルさんが食べ終わるのを待ってからこれからのことを話し合う。
「やっぱりみこちゃんが作るパンは癒しの効果があるってことね。これでこの国の、いえ世界の人々を救うことができるのね」
「そうですね。これでやっと元の世界に戻せることができます。ただベリアル様、申し上げにくいのですが、ガイル王にまず美琴さんのパンを食べていただこうとしたのですが全く興味も示してもらえず、虚ろな状態は変わらずでした。セシル王妃様には食べていただけたので、いまはガイル様の傍にずっといらっしゃいます。元に戻られた時はいままでの記憶がある分、ご自分を責めてお泣きなっておりましたが、いまは落ち着いていらっしゃいますのでご安心ください」
「そう。お母様...よかった。ゼファイル任せてしまってごめんなさいね」
「そんな、私はベリアル様が皆の為に色々と動いておられたのも知っていますし、こちらで育てた野菜があったからこそ、少しずつでもよくなっていったんですから、これくらいのこと」
「ゼファイルありがとう」
何とも言えない切ない感情が胸を締め付ける。世界が闇に包まれたとき、自分は闇に支配されず、周りの人達の変わり様を目の当たりにしたら辛いどころじゃないと思う。私だったらきっと耐えられない。だからその状況をどうにかしようとしてきたベリアルさんはすごく強いと思う。ただベリアルさんがどんな気持ちでこの一年頑張ってきたのか考えると言葉になんて簡単にできるものじゃないと思う。
出てきた言いようもない感情に浸っていると眉間を指でぐりぐりされた。
「みこちゃんまでそんな顔しなくていいのよ。ごめんなさいね、お母様が元に戻ったんだから喜ぶところなのにね。いままでのこと思い出してしまって...」
気付かないうちに眉間に皺が寄っていたみたい、慌てて手で撫でる。
ベリアルさん、お母さんのことしか言わない...でもお父さんがこのままでいいわけないよね。
うーん、パンがダメならもう一層のこと...
「ベリアルさん...あの、王様にパンが食べてもらえないのなら、固形物じゃなくて飲み物にしたらいいんじゃないですか?それこそ、まんまプレジールをジュースにしたら飲んでもらえると思うんです」
「...父には、兄からの思いが強かったのね、闇の影響を強く受けたみたいで、喋ることもなく屍のようになってしまったの。だから私の野菜も食べてもらうことすらできなくて・・・でもそうね、プレジールのジュースね、いいと思う。みこちゃんお願いしてもいいかしら?」
「美琴さん、私からもぜひお願いします」
「はい、もちろんです。せっかくなのでベリアルさんの野菜も使って野菜ミックスジュースにしましょう!今日の分のパンと一緒にゼファイルさんに渡しますね」
ちょっと希望が見えてきた、きっと大丈夫。ジュースがダメならまた何か考えればいいんだし。
「あとはパンですが、まずは一度に作れる量を増やさないと、食べたい人食べさせたい人の優先順位などで多少の揉め事が起こるでしょう」
「あ、私もそれは思ってました。一人で作るのはやっぱり限界はあるので...」
「ですので昨日もお願いした通り、王宮の料理人を明日にでも連れて来ますので、誰が作っても癒しの効果が起きるのか色々と試していただいてもよろしいですか?」
「わかりました。これで一度に作れる量が増えれば問題解決ですね。俄然やる気が出てきました。とりあえず今日できる分だけでもパン作りますね」
「そうしていただけると助かります」
「みこちゃん私も手伝おうかしら」
「「いえ、大丈夫です」」
「ちょっと二人でハモらなくてもいいじゃない」
三人で笑い合う。ちょっと緊張感が溶けて穏やかな空気になっていくのを感じる。
私がこの世界の為にできることができた。誰かの為、何かの為、そして自分の為、この想いはより一層自分を強くしてくれる。きっかけは何でもいい、私がやりたいと思えることをいましているこの充実した感覚はいままでには味わえなかったものだから、最後までやり遂げると心に誓った。
引き続き読んでいただきありがとうございます。




