お泊まり会3~圭side~
「けーい、お風呂ここか?」
「あぁ、入っていいぞ」そう言って浴室の扉を開けた。
「僕あんまり長く入ったらだめってあーくんに言われてるから…」そう言いながら、陽斗は服を脱ぎ始めた。
「あっ陽斗!着替えないだろ?俺の貸すから待ってろ」と言って自分の部屋に着替えを取りに行った。
浴室に戻ると、洗面台の所でしゃがみ込んでいる陽斗の姿があった。
「陽斗!?」そう言いながら駆け寄ると、
「大丈夫。ちょっとクラってきただけだから…」と、陽斗が立ち上がった。
「マジで大丈夫か?」
「あぁ、大丈夫じゃないときは言うから…」
「あぁ…分かった」
「陽斗いい体してんな」そう言うと、陽斗は
「恥ずかしいからあんまじろじろ見るなよ」と言って恥ずかしがった。
野球の時は、長袖のアンダーシャツを着ているから分からなかったけど、陽斗の腕には、結構針の跡が残っていて一瞬びっくりした。
でも、あんまり見られて嬉しいものじゃないし、気にしないことにした。
しかし、俺が陽斗の腕を見たことに気づいたのか、陽斗は
「あぁこれか?点滴とかの跡残るんだよね~」と言いながら笑った後、ふと悲しい顔になった。
陽斗…俺は陽斗にかける言葉が見つからなくて、
「俺が髪洗ってあげましょうか?陽斗様」とふざけることしか出来なかった。
「陽斗!俺の母さんの手料理マジで美味しいよ!」と俺が言うと、
「マジで!よっしやー!!」と、陽斗は子供のように喜んだ。




