閑話 魔物の世界
更新するの遅くなりました。
それは、暗い世界で生きていた。
日の光も届かず、閉塞しきった世界。
そここそが、魔物と呼ばれる生物の生まれた世界だ。
魔物という生物がいったいいつ生まれたのかはわからない。
遠い、気の遠くなるほどの遠い過去に、魔物の最初の一体は生まれた。
その一体が分裂あるいは生殖を行い、魔物は少しずつその世界で数を増やしていった。
そうして、数と種類を増やした魔物のうちの一体がその世界から外に出た。
それは、その世界のどこかに空いていた穴が始まりだった。
あるいはその魔物よりも前に外に出ようとした魔物が開けた穴なのかもしれない。
とにかく、その魔物は穴の先を求めて掘り進めた結果、外の世界へとたどりついた。
初めて外の世界にたどりついた魔物は、外に出ることも叶わなかった。
穴の先から溢れる光を無防備で目に受け、失明したのだ。
わずかな光しかない世界で生きてきた魔物には、溢れんばかりの日の光は刺激が強すぎた。
すぐに穴の奥に戻ったが、すぐに力尽きた。
その日を境に、魔物たちが外の世界に迷い込むことが起き始める。
逆に、外の世界の住人が魔物たちの世界に迷い込むことも。
最初は外の世界の環境に体が合わず、迷い込めばただ死んでいた魔物たちだったが、外への耐性を持つ種が生まれ始めた。
それは見た目にはわからない変異。
しかし、確実に魔物全体に広がっていった。
そうして、外の世界では魔物がたびたび現れるようになった。
突如現れた魔物に襲われた外の生物ーー人間は、現れる度に討伐するとともに、後世にその脅威を伝える。
まさに人間と魔物の戦いの歴史ーーその始まりである。
それでも、魔物は単に外の世界へ迷い込んだだけ。
外の世界に現れる魔物は、ほとんどの場合は一体だけだった。
だからこそ、人間は魔物を討伐できた。
そして魔物も、外の世界に出てきて戻ってきた個体はいないため、積極的に外に出ようということはなかった。
互いに互いを危険だと感じていたのだ。
転機が訪れたのは、一体の魔物が外の世界から戻ってきた時。
その魔物は、人間が弱いことを教えた。
人間が美味いということもーー。
魔物たちは総力をあげて外の世界へと侵略に向かった。
その結末は、敗北。
とある賢者により、侵略を邪魔されただけでなく、大半の魔物が殺されてしまう。
減らされた数を増やすため、自分たちの世界に戻ることを余儀なくされた魔物たち。
しかし、彼らは諦めていなかったーー。
時が経ち、賢者にやられた傷は癒え、数も以前よりも増えた。
着々と再侵略の準備を整えていたのである。
そうして、極めつけにーー
魔王が生まれた。
これで第一章は終わりです。次回から週一くらいの更新頻度になると思います。
……前の話で第一章はあと1話と閑話1つと言いましたね。あれは嘘です。
構想していた内容は第二章の1話目に入れることにしました。
評価、感想をいただけるとありがたいです。
よろしくお願いいたします。




