表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「役立たず鑑定士」と捨てられた俺、全部鑑定したら勇者より強くなった  作者: 愛田茶々


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
74/92

71 かつての最強

「――ガ、ォォ……オオオオォォォッ!!」


 その雄たけびは、人間なのか動物なのか、はたまた魔物なのか、始めはまるで区別がつかなかった。


 それほど凶暴で、獰猛な……人間の叫び声だった。


 だが、その肉体は人間のそれではない。


 まず、筋肉の量が桁違い過ぎてあまりにも不自然。

 なにより、皮膚の下を流れる血管には、青い光りが脈打っている。


「何ですの、これは……?人間……?」


 クロニカがその圧倒的な威圧感に一歩後退り、顔を引きつらせる。


「形は人間だが、中身は別物だ」


 先ほど戦ったガーディアンの事もあるし、ゴーレムに似た何かなのか、あるいは改造された魔物という線も十分に考えられた。


 しかし、見た目もさることながら、何よりその男の首には、魔導院特製の隷属の腕輪が不気味な赤色に発光していた。

 首に嵌められているから、今回の場合は隷属の()()、というべきか。


「ば…化け物……っ!」


 エリナが恐怖に顔を引きつらせる。


 俺は早速()()を『鑑定』した。


【プロトアバター(状態:狂乱・使役)】

【種族:元人間】

【レベル】55

基本ステータス

【HP】5621/7400

【MP】2764/3300

【筋力】500

【防御】470

【敏捷】470

【魔力】420

【精神】110

スキル

【斧聖技Lv1】【上級火属性魔法Lv1】【状態異常耐性Lv10】【即死耐性Lv1】【暗器使いLv6】【気配遮断】【気配察知Lv8】【無詠唱】【斧聖】


「レベル48……!しかも、レベルのわりにステータスが異常に高すぎる!改造人間、ってことなのか?」


 それに、このスキルの量。

 斧聖って、相当強いんじゃないか……?


 HPやMPが減少してるのは──ここに来る前に暴れて自傷でもしたか?


 まともに戦えば一瞬で粉砕されかねない破壊の化身。


 だがその時、俺の隣にいたベネディクトが、その男の顔を見て愕然と目を見開いた。

 その身体が、微かに震えている。


「ベネディクト……?」


「嘘だろ……。おい、なんでお前がここにいる……!嘘だと言ってくれよ、金剛のハルク……ッ!!」


 ベネディクトの口から漏れたのは、かつてコロシアムの歴史にその名を刻んだ、絶対的な覇者の名前だった。


「ハルク……?ベネディクト、あいつを知っているのか!?」


「数年前、俺がコロシアムで唯一、逆立ちしても勝てなかった男だ……!試合の後、忽然と姿を消したと思ってたら……魔導院の奴ら、こんな化け物に改造してやがったのかよぉッ!!」


 ベネディクトの怒号に応じるように、元コロシアム覇者のなれの果て――プロトアバターが、濁った瞳をこちらに向けた。

 その声が彼に届いたのかどうかはわからない。


 いや、届いていないのだろう。


 その証拠に、プロトアバターは特に考えた様子もなくこちらに突っ込んできた。


 奴隷の首輪が強く発光し、男は痛覚も自我も奪われた破壊の人形として、その巨大な腕を大きく振り上げた。


「グルァァァァッ!!」


「残念ながら、奴はもう人間ではない。プロトアバターと、名前が書き換わっていた」


 俺は前を見据えたまま、ベネディクトに真実を告げた。


 空気が爆ぜるほどの速度で、最悪のエリアボスが俺たちに向かって突進してくる。

 因果の糸が激しく乱れ狂う中、俺たちは宿命の激闘へと突入する――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ