働きます
このままとんずらしたいリリアーナだが、王命もあるのでそうも言ってられないのだ。
2度目の門前払いを受けたので、ルーズベルト領の騎士が務める詰所に行くことにした。
詰所の窓口のカウンターで話を聞こうと、受付の女性に声をかける。
「入団したいのですが、」
「申し訳ありません。今期の入団は終わりました。仕事が欲しいのであれば、冒険者ギルドに行ってください。」
「いえ、こちらの書類を団長に見て頂きたいので、団長にお願いいたします。」
「こちらでは対応しておりません。少なくともあなたでは入団できないですよ。土地柄仕事は沢山あるのでギルドへ行ってください。ファンレターや要望書は隣りのカウンターでお願いします。」
たんたんと答える女性に、リリアーナっ深くため息をつき、外で待つハクのところへ向かった。
「ハク、また門前払いだよ〜。ギルドへ行けって。王都の書類はファンレターなんだって。」
「ふぁんれたー?なんでもいいが、これからどうするんだ。」
「ギルドで働くだけでしょうね。潜り込むかどうするか、だね。」
「そうか、それより腹が減ったぞ。」
鼻をくんくんと動かす。
騎士団詰所から下って行くとある、市場に釘付けのハクであった。
リリアーナは知らない。
細身で小柄で、短髪に大きい瞳の少女。
田舎から出てきた、小汚いような、貧乏そうな雰囲気の少女にしか見えないのである。
特別部隊の団員だなんて何処をどう見ればいいのか。
公爵家に嫁ぐご令嬢にどうしたら見えるのか。
ケモノと一緒にひとりで嫁ぐ令嬢はいないのだ。
特別部隊員はこれが普通であった。
実力者の変人の集まりでもある。
「ハク!
どこも門前払いだもん、たまった休暇消化して、美味しいのいっぱい食べよね。
魔物のお肉いっぱいあるから、焼き肉に丼にしゃぶしゃぶ…」
「それは!うまそうな響きだな。
早く乗れ!
行くぞ!」
リリアーナは前世持ちでもあった。




