取り敢えず、公爵領へ行ってみます
社交シーズンも終わり、時領に戻ってるだろうと思い、喋る狼のハクにまたがり、東の大地へ駆けて行く。
ルーズベルト家は、東の大地を治めていて元小国の領地であり、そびえ立つ山脈から大河を流れて海を統べる領地だ。しかし、山々は大量の魔物で、流れる河から海までも魔物がいて、海まで魔物が支配している。別名魔物領であった。
公爵家嫡子であるルーズベルト・カイルは騎士団総長は名誉職についており、普段は自領の魔物討伐に専念していた。美貌の冷息である。
今回リリアーナが嫁ぐ事となったのも、褒美となってはいるが王都の令嬢は逃げられ、避けられていた冷息なので、公爵領の実態調査も兼ねていて、仕事でもあった。王家も忍びの者を入れて探索してるとは思うものの、国王の欲しい情報がないのだろう。騎士に対する王命であった。
ルーズベルト領は魔物に特化した領地であるため要塞都市のようになっていた。魔物に絡む利益やビジネスや人々で溢れていて華やかな街であるが、出入りも多いようで物騒な雰囲気のある。
ゴンゴンと領邸のノッカーを叩く。
「リリアーナと申します。」
対応した顔にキズのある燕尾服の男は言った。
「使用人なら裏口に回りなさい。」
「いえ、こちらにお世話になるものです。嫁いでまいりました。」
「そのようなことは伺っておりません、お間違いですので、お引き取りください。」
「いえ、こちらの…。」
ばたん・・・・。
「え?」
閉じられた大きな戸は、縁談を否定するかのようにそびえ立った。




