エピソード06
それから離れていた知らない自分達の分を埋めるかのように、毎日のようにはやととLINEでやりとりしていた。
あの頃はメールでのやり取りで一喜一憂していたのが懐かしい。
そういう意味ではLINEはありがたみがなくなった機能なのかもしれない。
LINE。たまに電話。
通話も無料でできるなんていい時代だ。
どうやらいまのはやとの状況は、
実家を出て一人暮らししていて、
高校出てからは料理の専門学校に行ったみたいだけど、今は建設会社で働いているみたい。
住んでる場所もそんな遠くなかった。
割と近くにいたのに卒業してから会わなかったと思うと、縁がなかったら本当に一生会わなかったなあと思った。
「週末何してる?」
早速、お誘いらしき文言のLINEが来た。
なんだろう、、素直に嬉しい。
付き合っていた頃はなんとなくで会っていたけど、
こうやって言葉で誘ってきてくれたのは初めてで新鮮だ。
「何も予定ないよ」
「会いたい!」
そして、めちゃくちゃストレートな言葉。
なにがあって今のはやとにつながったのかがとても気になる。
気づけば週末まで、
どこいくんだろーなにするんだろーなどと、はやとのことを考える時間が増えていた。
ーーーーそして週末。
ゆきは実家暮らしなので、はやとが迎えにきてくれるとのこと。
「おまたせ」
「ありがとー!」
「俺、一回きたことあったよね?ゆきちゃんち」
「あったあった笑
途中で家族全員帰ってきて慌てて2人で外出たよね笑」
「よく覚えてるね笑」
そんな昔話を普通にできるようになっていた。
少し前までは、はやととの思い出は自分の中だけのことと思って口にすることすら申し訳なく思っていたのに。
「今日どこいくん?」
「内緒〜笑」
「なんで笑」
しばらく2人で懐かしい話をしたり、いまの仕事のことだったり談笑をした。
「なんか大人になったよねー話す内容とかも笑」
「もうすぐ30だよ、、」
「わたしはもう31だぞ!笑」
「9月だったもんね誕生日」
あ、、覚えてたんだ。
そんな小さなことが嬉しいと感じてしまう。
わたしは、はやとのことどう思ってるんだろう。
一応、元彼と今日はでかけているってことになるよね。
ゆきは、今まで何人か付き合ってはきたが元彼と復縁したことはなかったから、とても不思議な感覚。
同じ人とまた恋愛ってできるものなのかな。。
誘われたこと自体は全然嫌じゃなかった。
やっぱりこの前の誤解が解けたのは大きかったのかな。
そんなことを頭の中でずらずらと考えていた。
「いま、すごく色々考えてるでしょ」
「え?!そんなことないよ?!」
「ゆきちゃん、わかりやすいの本当変わってないよね笑」
はやとがケラケラ笑う。
こんなに笑う人だっけ。
はやとが笑ってるのをみると心から嬉しく思う。
「はやとってさ、高校の時こんなふうに笑わんかったよね?」
「俺、高校のときすかしてたから笑
話さないのがかっこいいと思ってた笑」
「高校生してるねー笑」
「でもいまはちがうよ」
空気が一変する。
そして、ちょうど渋滞にハマりなかなか車が動かなくなった。
「はまっちゃったねー」
「夕方だから混んでるね」
それからはやとが口を開く。
「俺、本当しゃべんなかったの後悔してるんだよね。
時間はあったはずなのに、本当にあほだったなあって」
「あほ笑」
ゆきがつい吹き出す。
「本当に後悔してんの!笑」
あえて重い空気にならず、話題は過去の神経質な話になる。
「会うのもずっと川沿いばっかだったもんね」
「それは高校生って感じするよ?笑
車もないし、自転車だったし笑」
「一回ずぶ濡れなりながら会ったよね」
「引退する直前だったよね?8月くらい」
「そー」
そして、目的地に到着したようだ。
え、、環水公園、、?
もっと遠くにきてる感覚だった。
「俺、ゆきちゃんとここきたかったんよずっと。
高校生か!って感じだけど、ごめん。笑」
「全然!!夜はやっぱり綺麗だねー」
車から降りて、秋の空の下を歩く。
「あ、でも前吹部でパレードしたよね?ここで」
「した!一回ゆきちゃんに追突した記憶がある笑」
「バスドラだったよね笑
危なかったよねあれ笑」
「ゆきちゃんのスネアカッコよかったの覚えてる。
ずっとみてた笑
「そうだったん?!笑」
「俺は2人できたかったんだー」
急に空気を変えてくるはやとに黙り込むゆき。
思い切ってゆきから今度は聞いてみる。
「はやとさあ、だいぶ素直というか言葉もまっすぐ伝えてくれるようになったなあって感じるんだけど、なんかきっかけあったの?」
「あー」
少し無言なってはやとが口を開く。
「俺、去年母親亡くしたんだよね」




