エピソード04
「は、、やと?」
「待って、それずるい」
「、、あ、ごめん」
なんでこんなことになってるんだろう?
私が泣いてしまったから?
ゆきはあたまがパニックだった。
「どうしたの、、?」
「辛そうなゆきちゃんみたくなくて、、」
なんで返したらいいかわからなかった。
「俺、本当に悲しかったんだよ
大好きだったから」
「うん、、」
「でも、あの時の俺は今思ったらゆきちゃんが離れて行っても当然だと思うところもあった、、」
「、、、」
「全部話すね」
ゆきが口を開いた。
付き合えて嬉しかったけど、会うたび口数減って行って困ってたこと。
もっと話したかった、知りたかったこと。
そんなときに同い年の男の子と仲良くなったこと。
浮気みたいになるのが嫌だから別れを切り出したこと。
3年経って連絡したのは、やっぱりどこかで罪悪感があったこと。
全てを話した。
「これがわたしが当時思ってたことです」
そしてしばらく沈黙してから、
「もっと、、話せばよかったね
もっと知ろうと自分からしたらよかった」
「ううん
はやとが悪いわけじゃないよ」
「俺、自分ばっか可哀想なやつだと思ってた
ゆきちゃんと向き合いきれてなかったのに」
「悪いのは私だから」
「これってどっちが悪いとかの問題じゃないよ、、」
「ううん、私が悪い」
「ゆきちゃん!」
いつもの悪い癖で自己嫌悪に陥っていたが、はやとに名前を呼ばれてハッとした。
「そういうとこ本当変わってないね笑」
「ずっとはやとのことは罪悪感として抱えてきたから、忘られなかった。
ずっと悪いことしたんだって思って生きてた」
「でも今日、話せてよかったよね?」
「誤解?が解けてよかったとはおもう、、かな?」
少し沈黙が続いた。
久しぶりに再会したはやとは、大人っぽくなって髪も伸びていてあの頃の面影はあるけど、もうあの時のままのはやとではない。
こんな喋るはやとは新鮮だ。
あの頃のはやととはちがう。
あの頃は本当に何を思っているかわからなかったから。
長い沈黙の後、はやとが口を開く。
「今日こうやって話して、誤解が解けたいま、
ゆきちゃんはどう思ってる?」
「、、どうって?」
「俺のこと、どう思ってる?」
「どうって、、毎年思い出してたけどずっと好きだったとは違うような。
けど、ずっと私の中にはやとの存在はあったと思うよ」
「そっかあ」
「ん?何が言いたいの?」
「、、俺今日ゆきちゃんのこと卒業ぶりにみて、もちろん嫌な記憶も蘇ったんだけど。
こうやってたまたま帰り会えて、こんな展開になると思ってなくて、、」
「うん?」
「今って彼氏いるの?」
「いないよ笑」
「こんな大人っぽくなってさらにかわいくもなったのに?」
「急に何?笑」
はやとはなにかを考え込んでいる気がする。
何考えてるんだろう、、
「え、はやとは何考えてるの?いま」
「ききたい?」
「え?うん?」
「俺、最後ゆきちゃんがメールくれた時あったじゃん」
「したね」
「あの時ひどい言葉言ったでしょ?
ずっとそれがひっかかってて。
なんであんなこと言ったんだろうって」
「それは私が傷付けてたから、、」
「ちがくて、、たしかに彼女はいたけどメールくれて嬉しかったのが本音」
「え、、」
「卒業式の後の吹部の演奏の時も、俺がもう帰る?って言ったの覚えてる?」
「覚えてる、、わたしが帰るって言っちゃったやつ」
「そー、、卒業生だし友達とかと用事あるのかなって思ってそれ以上は言えなかったんだけど」
「私もそれすごく後悔してる」
「それで卒業したあと、もう一回告白してくれたじゃん?」
「あったね」
「俺その時、他の子と付き合ってしまってて」
「そうなんだあ」
「部長と付き合ってた時のゆきちゃんってこんな気持ちだったのかなあって思って断ったんだよね」
「もう彼女いるなら仕方ないよ」
待って、これって何が言いたいんだろ。。
全然わかんない。。これ、黙ってたらあの時の自分達と何も変わんない。
「はやとはさ」
「え?」
「何が言いたいの?結果的に」
はやとは長い沈黙の末、口を開いた。
「今でも俺はゆきちゃんが好き」




